アート

SPARKcon: オープンソース・プロセスを利用したアート、音楽、そしてその成功例

Image credits: h0tgrits

Image credits: h0tgrits

“Process over content(コンテンツよりプロセスを)。Gamil DesignとDesignboxのオーナー、Aly Khalifa氏は、SPARKconでオープンソースの本質を吹き込むため、これを合い言葉のようにしています。SPARKconとは、元々ノースカロライナ州の三角地帯(注釈: 有名なデューク大学のあるダーラム、ノースカロライナ州立大学のあるローリー、そしてノースカロライナ大学のあるチャペルヒルの学術都市3つを称して、米国南部研究都市の“三角地帯”とよばれている) で設立され、(アートや音楽など)クリエイティブなムーブメントを紹介し・歓迎し・影響を与えていくことを目的に、1年に1度開催されるイベントです。

Khanlifa氏は次のように話しています。「Process over contentへの取り組みは、 初めのうちは人々の理解を得るのが難しく、説明するのも大変で、厄介なこともありました。」また、現在のオープンソースとコミュニティーについて、「オープンソースは素晴らしいものです。最終的にどのようなコンテンツを取り入れるかは、コミュニティーの取捨選択によって決まっていくという構図があるからです。そこにあるのは私たちが打ち込んできたことと同じ精神です。現在、いろいろな人が様々な層で活動していることも素晴らしいことですし、私たちがプロセスに重点を置いて活動していることに、徐々に周りが理解を示し始めているのだと感じています。」と語ってくれました。

一方で、世の中には、プロセスを越えた共同作業や相互作用が存在します。それぞれの人が、それぞれの興味・専門分野でコンテンツを生成してくこと(SPARKsと呼ばれます)を後押しすることで、殊更に大きなものを生み出すことにつながっていきます。

Visual Arts ExchangeのSara Powers氏は言います。「確かに、SPARKconはオープンソース・プラットフォームのほんの一部にすぎません。なぜなら、自分たちでプログラミング・プランニングをすることで、どのような専門家であっても関われるようにしていて、そこからさらに大きなものを作れるようにしているからです。」

今皆さんが取り組んでいるものや、情熱を注げるようなプロジェクトの中に、オープンソース化のプロセスを必要とするものはありますか?学校や仕事、ビジネス的なものや、個人的なもの、どんなものでもかまいません。おそらく、それはSPARKconのようなクリエイティブに富んだものであるはずです。もしくは、周りにイベントを主催しようとしている人がいるのであれば、オープンソースに頼る方法でそのイベントをさらによくできるかもしれません。

原文: SPARKcon: Art, Music, and success with open source process
http://opensource.com/life/12/3/sparkcon-art-music-and-success-open-source-process
公開日時: 2012年3月13日
BY Jason Hibbets (Red Hat)

(このCCJPによる翻訳記事はCC:表示-継承 非移植3.0ライセンスで公開しています)

広島市現代美術館「オノ・ヨーコ展 希望の路 YOKO ONO 2011」でCCライセンスを利用した写真撮影を採用


来場者に写真撮影を許可するにあたってCCライセンスを利用する試みが、森美術館東京都現代美術館に続き、初めて広島市現代美術館でも採用されました。今回は、個展での採用で、しかも世界的に著名な現代美術作家であるオノ・ヨーコさんの展覧会です。オノさんは、1950年代からNY、ロンドン、そして東京を中心に創作活動を展開してきた前衛芸術家であり、その際立った先進性や独自性がジョン・レノンを公私にわたってインスパイアしたことでも有名です。

パフォーマンスやハイ・コンセプチュアルな作品形態が多いことから、著作権の扱いも、絵画や彫刻といった作品以上に複雑なものにならざるを得ないオノさんにCCライセンスを採用していただけたのは、非常に喜ばしいことです。多様な媒体を操り、人々の想像力をかきたて、積極的に観客を自身の作品制作に参加させるオノさんの創作活動と、「シェア」の概念によって人と芸術作品の新しい触れ合い方を提示するクリエイティブ・コモンズのコンセプトが共鳴したと考えれば、ごく自然なことなのかもしれません。

展覧会の写真を撮影してシェアすることで、3.11以降のオノ・ヨーコさんからのメッセージを広島から世界中の人々に伝える、このちょっと素敵な試みに参加してみませんか?

「オノ・ヨーコ展 希望の路 YOKO ONO 2011」
広島市現代美術館
2011年7月30日(土)~10月16日(日)
展覧会URL : http://www.hcmca.cf.city.hiroshima.jp/web/main/onoyoko2011.html
*現在、写真撮影についての大きな掲示はありませんが、受付で申し出れば撮影に関するリーフレットを貰えるそうです。

展覧会で実際に撮られた写真:
http://www.flickr.com/photos/chiaki/sets/72157627261028129/

東京都現代美術館にて「オランダのアート&デザイン新言語」展が開催中

10月29日(金)から来年1月30日(日)までの間、東京都現代美術館では「オランダのアート&デザイン新言語」が開催されています。

コンセプチュアルかつ遊び心に溢れるオランダデザインは90年代から注目を集め、私たちに新鮮な驚きを与えてきました。本展では特に人とモノとの関係、そして人と人とのコミュニケーションを問いかける代表的なアーティスト/デザイナーである、テッド・ノーテン(コンテンポラリー・ジュエリー)、マーティン・バース(プロダクト・デザイン)、そしてアートの分野からマルタイン・エングルブレクト、タケトモコが参加します。彼らの作品は作品との接触によって、私たちの生活感覚に化学変化をもたらすような触媒作用を果たしてくれるような展覧会です。
「オランダのアート&デザイン新言語」展公式サイト

同展覧会では前回の「こどものにわ」展に引き続きCCライセンスを利用した写真撮影が可能です。
出展作家の同意の下、映像作品を含むすべての作品を写真に収めることができます。また、ライセンスや作家の名前の記載などの規定に従えば、ブログや写真共有サイトなどに投稿することも可能です。
(詳細はこちら

日本では写真撮影が可能な美術館・ギャラリーは珍しいですが、欧米の美術館、特に常設展などでは写真撮影が自由な所が少なくありません。今回も出展作家たちとの協議はスムーズに進み、さらに作家の権利と意思を尊重しつつ、観客がよりオープンに作品に接することを可能にするCCライセンスの内容にも共感いただきました。
作品によっては観客が触れて初めて完成するものもあり、その様子を写真に残すことは作家にとっても興味深い試みのようです。

写真撮影の許可は展覧会や美術館をよりオープンなものにする手段の一つといえますが、今後はより多様なアート分野におけるCCライセンス活用の可能性についても考えていきます。

関連エントリ:東京都現代美術館「こどものにわ」展で写真撮影と写真の利用を許可する試み

(12月7日20時 改行位置を修正し、写真の投稿についての説明を追加しました。)

東京都現代美術館「こどものにわ」展で写真撮影と写真の利用を許可する試み

7月24日(土)より東京都現代美術館にて開催中の「こどものにわ」展(~10月3日まで)において、写真撮影と写真の利用を許可するにあたりCCライセンスが採用されています。すでに六本木の森美術館では昨年より同様の取り組みが行われていますが、国内の公立美術館では初。

「こどものにわ」は、乳幼児から大人まで楽しめる体感型・参加型の作品がいっぱいの小さなお子さんの美術館デビューにピッタリの展覧会です。小さなこどもの視点や身体感覚、心の動きを通してとらえた美術世界を、周りの大人が共有・あるいは追体験することで、年齢層の異なる他者とのコミュニケーションや、人と美術の関係を再考・再発見するような機会を創出します。
美術館公式サイト「展覧会概要」より抜粋

これまで日本の美術館で行われる展覧会は、子供にとっては静かにしなければならない退屈な場所、また子供を連れた大人たちにとっても気を使うことが多く、なかなか足を運びづらい印象がありました。そこで、ご自身も小学一年生の男の子の母である担当学芸員の難波祐子さんが、子供やその親たちが楽しみながらアートに触れられる展覧会をと、4年がかりの構想を経て実現されたのが今回の「こどものにわ」です。

実際に触って動かすことができる作品も多く、ただ展示された作品を観るだけという一方通行ではなく、主体的に関わっていけるという点が特徴です。さらに写真撮影が可能ということで、親子の記念として残り、子供にとっても印象深い体験となることでしょう。

撮影した写真は「クリエイティブ・コモンズ表示ー非営利ー改変禁止2.1日本」のCCライセンスで自由に利用することができます。くわしくは、同展の写真撮影に関してのご案内を参照ください。

今やブログやツイッターなどウェブ上の口コミの効果はこうした展覧会やアーティストの活動においても例外ではなく、アートの業界における新しい広報の在り方を考える上でも興味深い試みです。

image1
(作者:大巻伸嗣)

24日に行われたオープニングレセプションの様子で
(作者:出田郷)
24日に行われたオープニングレセプションの様子です。

体験型の作品も多いのが特徴です。
(作者:KOSUGE1-16)
体験型の作品も多いのが特徴です。

アイ・ウェイウェイ展で作品の写真撮影・写真の利用を許可する取り組み

森美術館で開催されている「アイ・ウェイウェイ展」では作品の写真撮影が許可されており、撮影した写真にCCライセンスをつけて自由利用することが可能になるという仕組みを採用しました。

東京・森美術館では、現代中国を代表するクリエイター、アイ・ウェイウェイ[艾未未]さんによる「アイ・ウェイウェイ展—何に因って?」が7月25日より開催されました。
新作6点を含め、1990年代以降の主要作品26点を紹介しており、アイ・ウェイウェイさんの個展としては過去最大級のものだそうです。非常に刺激に満ちた内容となっていました。

そしてこの展覧会では、著作権等の問題で写真撮影が認められない美術館が多い中で、観客が作品を写真に撮ることを許可するという取り組みを試験的に行いました。
撮影した写真は「表示ー非営利ー改変禁止」のCCライセンスで自由に利用することができます。

http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/related/index.html

森美術館長である南条史生さんは「日本の美術館は少し厳しすぎる。知的財産をもっと創造的に使える条件をつくりたい」と話しているそうで、このような試みが少しずつ広がって行くことをとても期待しています。

CREATORS BANK

クリエイターの作品をポートフォリオで公開するサービス「クリエイターズバンク」では、作品をCCライセンスで公開することを推奨しています。

2004年11月にサービスを開始した「クリエイターズバンク」。自らの作品をポートフォリオで公開したり、イベントの紹介、コミュニケーションスペースなどが設けられています。
この「クリエイターズバンク」では、2007年10月からCCライセンスを採用しており、66,500点ある作品数のうち、現在8,600点程度の作品がCCライセンスで公開されているそうです。

CCライセンスの紹介や利用方法についてこちらで説明がありますが、とても読みやすく分かりやすい内容となっていますので、一度ご覧になってみてください。

LOFTWORK

「クリエイティブを流通させること」を目標に、2000年1月に設立されたLOFTWORK。クリエイターのポータルサイトloftwork.comを作り、クリエイターのプロフィールや活動領域などを作品とともに公開しています。また、クリエイターとクライアントをつなぐディレクターの役割も果たしています。

2007年6月より、アーティストが創りだした作品の掲載や配信についてCCライセンスを導入しています。2008年のiSummit ’08では、クリエイティブ展開を担当していただきました!