クリエイティブ・コモンズのリーガル・アフィリエイトであるクリエイティブ・コモンズ・フランスとフランスの著作権管理団体 SACEMの間で新しい試験的プロジェクトが立ち上げられました。このプロジェクトはSACEMが所属メンバーに対し、3つ存在するCC-非営利3.0ライセンスの中から、 作品へいずれか1つの利用を許可するというものです。以前は、SACEM(フランス最大の著作権管理団体)によって制作された音楽作品の作者・作曲者は、いかなるCCライセンスの使用も禁止されていました。メンバーは独占的な基準で団体への権利譲渡を要求されていたのです。
この度の指針はクリエイティブ・コモンズによってサポートされた、4番目の大規模な著作権団体指標となります。CCは既にメンバーへのCCライセンス利用を認めている著作権団体 BUMA/STEMRA(オランダ)・KODA(デンマーク)・STIM(スウェーデン)と共に進行中の指針を維持していきたいと思います。どの指針も、それぞれの社会に合わせて広がる協定内容のもと、作品用途に関連したCCライセンスの利用機会をメンバーに提供しています。
繰り返しますが、今回ご紹介したCC/SACEMの指針は、SACEMメンバーに3つあるCCの非営利ライセンスのうち、いずれか1つを作品に利用ことを認めたものです。これらの作品は、SACEMとの協議内容に反さない非営利目的であれば共有することが出来ます(ライセンスで改変を許可している場合、リミックスも可能)。補足ですが、SACEMが営利目的の作品利用に関して使用料を要求することは、今後も変わらず行われることになっています。
SACEM管理委員長Bernard Miyetは今回のアプローチについて、問題視されている非営利の音楽シェア要求の声と、営利目的の作品に対する報酬の必要性とのバランスを保つ役割を果たすとして、以下のように述べています。
“この協定はメンバーのさまざまな手法、特にデジタル利用に関して適応しようとするSACEMの意欲を表しています。作者・作曲者・出版社にとっての利点は、作品の制作のための公平で効果的な報酬を得る可能性を維持しながらも、望むのであれば法的範囲内で、非営利目的の作品プロモーションが可能な事です。私は多くのクリエイターの期待に添うようバランスのとれた協定にたどり着いた事を誇りに思います。”
私たちCCは、SACEMがデジタル環境に適応する上で、より優れた柔軟性をもつCCライセンス利用をメンバーに認めてくれた事を喜ばしく思っています。そして、この指針がフランスのクリエイターに受け入れられるだけでなく、CCライセンス利用を未だメンバーに認めていない区域における多くの著作権管理団体への刺激として、全体的に役立つことを望んでいます。
SACEM関連FAQリストを含む指針についての詳細は、クリエイティブ・コモンズ・フランスのウェブサイトwikiもしくはSACEMウェブサイトでご確認いただけます。
訳注:原文のコメント欄にCCのVPであるMike Linksvayerが述べているように、アメリカではASCAPやBMI、SESACといった著作権管理団体に属しているアーティストがCCライセンスを使いたい場合は団体の許可を必要としません。これはフランスや他のほとんどの国と違い、アメリカにおいては権利管理団体との関係が排他的ではないからです。
原文: “New pilot project allows collecting society SACEM members to use Creative Commons licenses”
http://creativecommons.org/weblog/entry/31205
http://creativecommons.org/weblog/entry/31205
BY Paul Keller (Collecting Societies Liaison)