CCライセンスは共有をシンプルにし、創作的な作品等を使えることを望んでいる再利用者に課す条件が最小限となるように設計されています。しかし再利用者がCCライセンスされた作品を不適切な利用あるいは誤用してしまうことがあります。そのような場合、許諾者としてできることがいくつかあります。
行動に移す前に:
ライセンス違反について誰かに連絡を取る前に、あなた自身が間違えていないかを再確認しましょう!
- クレジットまたはライセンスに関する情報が抜けていると思われる場合、表記されていそうな場所を探して見逃していないか確認しましょう。(例えば、それぞれの作品の真下ではなく「クレジット」のセクションに全ての情報がまとめて掲載されている場合などがあります。)
- 作品がライセンスの条件を超えた範囲で利用されていると思われる場合(例えば誰かがND作品の派生作品を作成した場合)、作品の利用がフェアユースやフェアディーリングといった著作権の制限と例外の規定に該当するかどうかを確かめましょう。
ライセンスの条件に違反していることは確実です。どうしたら良いですか?
ライセンスの執行は許諾者と被許諾者の双方にとってフェアであるべきだとCCは考えています。ライセンス違反があったときにどのように行動すべきかを案内するために、ライセンスの執行に関するページを私たちは用意しています。同ページにはライセンスの執行に関わる原則についての声明草案もあります。
問題点を明確にするところから始めましょう。
違反者に対して何を修正すべきかを明確に伝えられることが望ましいです。問題点を説明するため、または後で参照する場合に備えてスクリーンショットを撮るのも良いでしょう。間違いに気づいた日付をメモしておきましょう。
メモすべき点:
- クレジットの表示はありますか?利用の条件に違反していますか?違反している場合どの条件ですか?
- 不適切な利用/誤用されているのは一つの作品ですか、それとも複数の作品ですか?
- 間違った利用をどのように修正して欲しいか(ウェブサイトを修正するなど)は考えてありますか?
誠実な利用者による誤用である可能性がある場合、修正の依頼を出しましょう。
利用者に対して、何が間違っているかを説明し、CCライセンスの条件を案内し、間違いを訂正するように依頼することが最善の第一歩でしょう。利用やクレジット表示に関する間違いの多くは単なるミスで、丁寧な依頼は再利用者が間違いを訂正することを促します。
許可されていない種類の利用であるなら、相手にライセンスの条件を知らせ、作品の利用を中止するように頼みましょう。無料であれ何かしらの他の条件を求めるのであれ、利用を許可する場合(例えば利用料を対価としてNCの作品の商業利用を特別に許可する場合や、NDの作品の特定の翻案を許可する場合)、相手がその利用を継続するためにあなたが望む条件を伝えましょう。相手からすぐに返信がない場合は、再度連絡する価値があります。
依頼が成功した場合、それは良い結果です。もしあなたが作品をバージョン4.0のライセンスのもとで提供しており、権利停止の手続きに記されているように相手が30日以内に誤りを補正した場合、ライセンシーはライセンスの規約に従い作品を使い続ける権利を持ちます。もしあなたが(4.0より)古いバージョンのライセンスを使っていた場合、ライセンスの規定に従い作品を使うことについて明示的に許可を与えるのが良いでしょう。
作品を利用する権利を再度獲得するかに関わらず、ライセンシーがライセンスを遵守せずに作品を利用したことは著作権侵害です。著作権者として、もし望むのであれば、著作権侵害による損害賠償を求める権利があります。規定を遵守しない利用によってあなたに損害があった場合、それに見合った補償(例えばその用途での利用をライセンスした場合の利用料や、遵守しない利用によって第三者が得た利益など)を求めることは合理的です。この点に関してクリエイティブ・コモンズが何がフェアであると捉えるかについてより詳しく知りたい場合はライセンスの執行に関する原則についての声明をご覧ください。
もしあなたの最初の依頼が失敗に終わった場合、もし明らかに相手が不誠実な事案である場合、もしくは事情により待つことができない場合、(著作権侵害による)削除通知を送りましょう。
作品がウェブサイトに掲載されている場合、ウェブサイトの管理者に削除通知を送りましょう。(アメリカ合衆国でのDMCAのように、法域によってはこれを行うための具体的な仕組みがあります。)ほとんどの場合、通知を送ることであなたが侵害していると主張するマテリアルをサイトが削除することになります。
利用者が削除に対して異議を唱える可能性があります。そのような場合は、マテリアルが権利を侵害しているかを再度確認することをおすすめします。削除に対してわざわざ異議を唱える再利用者は、自身の利用が許諾されたものであるか、著作権の例外規定または制限規定が適用されると考えていることがほとんどです。
削除申請が適用できない場合は、次のステップに進みます。
問題が解決しない場合は、催告の文書を送りましょう。
催告の文書はあなたの主張を明確に、専門的に説明するものです:訴えの詳細、どのような被害を被ったか、相手に対してどのような措置や補償を望んでいるかを述べます。そして次のステップは法的措置であることを説明します。これを自身で行うことも可能ですが、弁護士への依頼が可能な場合は、自身の選択肢を理解し、どのような権利があり次に何が起こるかを明確・正確に説明できるように弁護士に相談することをおすすめします。
多くの場合、催告を受け取った相手は費用と手間のかかる訴訟を避けるためにあなたの要求に従います。もし従わない場合は法的措置をとらざるを得ません。
必要な場合は法的措置をとりましょう。
もしあなたの問題が完全に解決しなかった場合、法的措置をとる必要があるかもしれません。申立をどう進めるかを見極めるために、著作権法に関する経験を持つ弁護士に相談すべきです。裁判をすることは高額で手間がかかることがほとんどですが、法域と申立の大きさと複雑さによってはその他の選択肢があるかもしれません(たとえば、最近アメリカ合衆国で新たに作られた著作権小額訴訟裁判所、あるいはその他の紛争解決手段)。これにより著作権に関するいかなるの問題についても最終的な解決をもたらすことができるはずです。繰り返しになりますが、このような状況で私達が考慮すべきと考える事項についてはライセンスの執行に関するページをご覧ください。
本内容はCCHQの”What to Do if Your CC-Licensed Work is Misused“を翻訳したものです。