Cloud♯2


Daisuke Tanabe, Bun/Fumitake Tamuraという二人のトラック・メイカー/プロデューサーが原雅明氏と立ち上げた新プロジェクト「Cloud」。原雅明氏はクリエイティブコモンズとL.Aのネットラジオ局dublabの共同企画「Into Infinity」の日本側キュレーターを務め、また著書「音楽から解き放たれるために」でサウンドの新しいあり方を提案している。

「Cloud」は、急激に利用者を伸ばしているサウンドクラウドを使ったインターネット上でのリミックスプロジェクトであり、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されている課題曲のリミックス等を募るものであるが、さらにリアルイベントも開催される。昨年12月に第1回目が開催され、サウンドクラウドにはBunが提供した課題曲に対して60曲近くのリミックスが集まり、さらに幡ヶ谷のイベントスペースForestlimitで開催されたパーティでは、サウンドクラウド上に集まったリミックス楽曲が大音量のサウンドシステムで紹介されるとともに、スリリングなライブも行われた。

リアルイベントはDaisuke Tanabeがロンドン在住時に体験した「CDR」というイベントからもインスピレーションを受けており、実際のコミュニケーションの中で生まれる新しい表現や実験の場としても面白い。

今回の開催は第2回目となるが、リミックスの対象となる課題曲を提供したのはマルコス・スザーノと沼澤尚である(ブラジルでのセッション音源より抜粋)。リアルイベントは2月28日(火曜)に第1回目と同じくForestlimitで開催される。

「About Cloud 」
Cloudは音楽を制作し、それを聴いて楽しむためのオープン・スペース。誰でも参加できる。やるべきことは、曲を作り、アップロードするだけ。 その手順は以下の通り。
1.参加希望者は、アップされている“課題曲”を聴き、そこから切り出した7つの素材を使って楽曲制作。“課題曲”を聴いたことが引き金となって 生まれた曲であれば、曲のタイプやジャンルは一切問わない。
2.制作した楽曲のファイルデータは、「Cloud Vol.1」グループのDropBoxにアップロード(アートワークにはCloudのアイコンを使用)。
3.定期開催するCloudのイヴェントで集まった楽曲を紹介し、クラブ/ライヴ環境の音量で再生。
「Cloud#2」
募集開始日:1.27(fri)
募集終了日:2.25(sat)
楽曲発表日:2.28(tue)
open/start : PM7:00
charge : 500yen
Live : Daisuke Tanabe, Bun / Fumitake Tamura and more
Cloud DJ : Masaaki Hara
※ライヴ参加希望者を募集中。
1. ライヴではCloud#2に集まった楽曲のみを使用すること。
2. ライヴ時間は一人10分。
3. 参加希望者は、twitterのアカウント@cloud_fl、あるいは
cloudforestlimit@gmail.com宛にコンタクトを。
提 供  “ MARCOS SUZANO & TAKASHI NUMAZAWA”
課題曲 “NUVEM ALTA”
マルコス・スザーノ /MARCOS SUZANO(percussion)
マルコス・スザーノは、1963年リオ・デ・ジャネイロ生まれ。
恵まれた音楽環境で、ジミ・ヘンドリックスやレッド・ツェッペリンなどロック・ミュージックに傾倒して育つが、14歳でサンバに魅了されパーカッションを始める。
看板楽器であるパンデイロ(タンバリン)に専念したのは17歳からで、プロ活動の一方で師に就いてサンバやショーロを研究。
MPB界の重鎮パウロ・モウラのバンドで活動するうち、現在に至るアフロ・ブラジルのコンセプトを押し進めるようになった。
以来、数々の実験的演奏を続けると、ジョーン・バエズのレコーディングに参加し活動の幅を広げ、’93年にレニーニとのデュオ・アルバム『オーリョ・ジ・ペイシェ(魚眼)』を発表、続いて行なわれたワールド・ツアーによって、ブラジル音楽尖端の躍動を世界に伝えた。
’96年に発表した初アルバム『サンバタウン』が、「’97年ブラジル・ディスク大賞」の関係者投票で2位の座を獲得。
今ではショーロ、ファンク、ロックなどブラジルのポップ・ミュージックに欠かせぬパーカッション奏者として、最大級の賛辞を集めている。
沼澤尚 /TAKASHI NUMAZAWA(Drums)
1983年大学卒業と同時にL.A.の音楽学校P.I.T.に留学。JOE PORCARO,RALPH HUMPHREYらに師事し卒業時に同校講師に迎えられた。
2000年までLAに在住し、CHAKA KHAN,BOBBY WOMACK,LA ALL STARS,SHIELA E.,NEDDOHENYなどのツアー参加をはじめ
数々のアーチストと共演しながら”13CATS”としても活動。
日本国内でも活動を始め,数え切れないアーチストのレコーディングやライブに参加。
’99年にリーダー・アルバム”THE WINGS OF TIME, ’00年にアーティスト・ブック”THE SEVENTHDIRECTION”,
’06年からマルコス・スザーノ,内田直之との「ネニューマ・カンサオン・ソー・ムージカ」シリーズ4作品(勝井祐二,EXPE,OKIもゲスト参加したCD,DVD)を立て続けに発表するなどソロ活動も活発化し,
ブラジルでのPERCPAN,国内のFUJIROCK,朝霧JAM,RISING SUN,METAMORPHOSEなど各種フェスティバルに多数出演し好評を博す。
現在はblues.the-butcher-590213,OKI DUB AINU BAND,DEEP COVER,THEATREBROOK,iLL,Leyona,東田トモヒロ,EXPE,MARCOSSUZANO,内田直之,勝井祐二,益子樹,ナスノミツル,鬼怒無月,”Percussion Session”(with辻コースケ),フルカワミキ,”Trim”(with 吉田美奈子&河合代介),四天王(with勝井祐二+ナスノミツル+森俊之+Kamiyann)etc…と活動中。

国連大学メディア・スタジオ

国連大学のメディア・スタジオは教育用のリソースを開発、オンラインで提供するプロジェクトとして2003年にスタートし、国連組織や他大学の専門家と協力して様々なプロジェクトを実施しています。

スタジオのウェブサイトはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されているほか、各種プロジェクトを通じて開発された教材の多くがCCライセンスの下で提供されています。例えば「里山イニシアチブ」では里山やそれに結びついた文化が生態系保全にとって持つ意義を評価すべく、世界中の事例や、映像資料などを収集・提供しています。事例紹介はCCの表示-非営利-継承3.0 バージョンライセンスで提供されています。また、Strategic Environmental Assessmentでは、環境政策の策定に関する大学院レベルの授業を想定し、ウィキを使った百科事典作成のための場や、教材として使えるモジュールなどを提供しています。これらはいずれもCC表示-非営利-継承3.0 バージョンライセンス下にあります。

また、国連大学メディア・スタジオと同じサイトで公開されている国連のウェブマガジン「Our World 2.0」は地球環境問題などを扱ったものですが、クリエイティブ・コモンズの表示-非営利-継承3.0 バージョンライセンスで提供されています。フリッカーを通じて提供されているこのウェブマガジンの写真も、CCライセンスが適用されています。

バークリー音楽院で音楽レッスンの動画などをCCライセンスで公開

米国の有名な音楽大学であるバークリー音楽院では、様々な音楽レッスンのmp3や動画、PDFの教材などを2003年よりインターネットで公開しています。

Berklee Sharesのサイトでは、例えばギターの弾き方講座から、作曲の仕方、音楽の録音や出版の仕方、さらには著作権侵害に関する講座まで、多岐にわたる教材が公開されており、全ての素材はBY-NC-NDライセンスで提供されています。

OLPC (One Laptop Per Child)で無料のサンプリング音楽を公開

OLPC (One Laptop Per Child) とは、主に途上国の子供達に対して低価格のノートパソコンを提供し、それを用いた教育を行うプロジェクトを推進する米国のNPOです。MITメディアラボの創立者ニコラス・ネグロポンテを中心に始まりました。

子供達の創造的な活動を支援するために、バークリー音楽院やCsound Developer Community、Open Path Musicなどの団体によってさまざまな楽器のサンプリング音源が寄贈されています。
音源は全てCC-BYライセンスで提供されています。

Nine Inch Nailsが2枚のアルバムでCCライセンスを採用

2008年、音楽シーンを沸かせたアーティストの1つとして、Nine Inch Nailsは記憶に新しいところです。彼らは、2008年3月にリリースした『Ghost I-IV』、そして5月5日にリリースした『The Slip』の2枚を、CC BY-NC-SAライセンスで提供しました。また、『Ghost I-IV』は4枚組のうちの初めの1枚”Ghost I”、”The Slip”は全曲が無料ダウンロード可能です。
特に”Ghost I-IV”は、300ドルのウルトラデラックスパッケージ、75ドルのデラックスパッケージ、10ドルの2枚組CD、5ドルのダウンロード、そして4部作中第1部のフリーダウンロードとパッケージングとダウンロードを組み合わせた多彩なアルバム展開を行いました。そしてこのアルバムがCCライセンスを採用しているにもかかわらず、Amazon MP3ストアで2008年最も購入されたMP3アルバムに輝き、多くのチャートで1位を獲得するなど、収益面でも予想を上回る結果となったことも話題となりました。
レコード産業界はどのように音楽を販売していくのか、一方でレコード購入者がアーティストへどのようにサポートを行うことが可能なのか、まだまだ出口の見えない状況ではありますが、その方向性の1つとして、Nine Inch Nailsの今回の取り組みは評価できるのではないでしょうか。

World’s End Girlfriend「virgin babylon」

日本のポストロック,エレクトロニカを代表するアーティストWorld’s End Girlfriendがホームページ「virgin babylon」で様々な音の断片をCC-BY-NCライセンスで公開しています。

おとぎ話の世界に迷い込んだような、幻想的で雰囲気のある音楽がひそやかに流れるホームページ。
美しい宮殿内に音の断片や楽曲が多数散らばっています。

INTO INFINITY

ロサンゼルスのネット・ラジオ局dublabとCreative Commonsのコラボレーションによるユニークなサウンド&ビジュアルのアートプロジェクト。

サウンド/ビジュアル・アーティストを世界中から募り、サウンド・アーティストは8秒間のループ音源を、ビジュアル・アーティストはレコード盤サイズのビジュアルなどを提供。

それらはデジタル・データ化されるとともにCCライセンスが付与され、Into Infinityのサイトにおいてループと円盤のランダムな組み合せとして公開されている。

2009年秋、into infinityのコンセプトに賛同した日本のアーティストも多数作品を提供するととともに、APPLIYA Studioとの共同製作でiPhoneアプリもリリースされ、Dublabの創始者フロスティやアーティストのDaedelusを招き東京/札幌でライブイベント、作品展示イベント、ワークショップが開催された。

CreativeCommonsJapan製iPhoneアプリをダウンロード

公式ブログはこちら
http://port.rittor-music.co.jp/sound/column/into_infinity/

Intervall-audio

Intervall-audioは、デュッセルドルフと東京拠点のネットレーベルです。

ハウス・テクノ・アンビエント等の電子音楽を中心にCCライセンス付きで配信しています。西麻布スーパーデラックスなどクラブイベントも開催するなど、インターネット上だけでなくライブでも盛り上がっているサービスです。

Beep! Beep! Back up the Truck

「Beep! Beep! Back up the Truck」は、2008年5月に設立されたオランダのネットレーベルです。

CCライセンスによる自由な音楽は,より多くのリスナーに聴かれ、より多くのファンを生み出し、そうしたファンは美しいアートワークのCDを買い求め、ライブに足を運びバンドTシャツを買う…FAQにはこのようなインディペンデントレーベルの新しい可能性が宣言されています。

Jamendo

ルクセンブルクを拠点に、世界にフリーかつ高品質な音楽を届けるサイトJamendo
7カ国語で利用可能で、ほとんどの楽曲がCCライセンスで提供されています。

ヨーロッパを中心に多数のアーティストが参加しており、公開アルバム数は20,000枚、会員数は50万人を超え、非常に大きなコミュニティを形成しつつあります。

楽曲は自由にストリーミング/ダウンロード可能で、ユーザーは応援したいアーティストに寄付を行うことができます。検索方法も色々なものがあり、トップページのおすすめアーティストや「今週人気のあったアーティスト」、タグからの検索など、自分のスタイルに合ったものを選ぶことができますよ。