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CCライセンスが採用されています- 『オープンデザイン -参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」-』

『オープンデザイン –参加と共創から生まれる「つくりかたの未来」-は、主にプロダクトデザイン分野におけるオープン化についての論考や事例を紹介する本です。

インターネットを通じたデータの共有、デジタルファブリケーション技術によってデザインの共有、改良、製作などが容易になる中、デザインという行為やデザイナーのあり方について考えています。

『オープンデザイン』の原著である『Open Design Nowは、2011年6月に書籍として出版されました。その後、201212月まで、本の内容が徐々に公開されていき、現在ではクリエイティブ・コモンズ(表示 – 非営利 – 継承 3.0 非移植)ライセンスの元で100%オープンとなっています。

日本語版では、原書を翻訳するだけではなく、日本の論考や事例紹介を加えています。この日本語版でプラスされたパートのPDFファイルは、クリエイティブ・コモンズ(表示非営利継承 3.0 非移植)ライセンスの元で公開されています。

また、この日本語版のPDFは、印刷して折り、周囲を切りそろえると、紙の本としても楽しめる仕様になっています。

日本の論考:http://opendesignnow.jp/assets/odn_jparticles.pdf

日本の事例紹介:http://opendesignnow.jp/assets/odn_jpcases.pdf

今後『オープンデザイン』がさまざまな言語に翻訳され、各地域での事例追加や独自のブック・デザインが行われたりすることで、創造の循環があると楽しいですね。

漫画業界初、『チェーザレ・ボルシアを知っていますか?』のPDF版にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが利用されました。

チェーザレガイドカバー

漫画『チェーザレ ~破壊の創造者~』の完全ガイドブック『チェーザレ・ボルシアを知っていますか?』(講談社・2013)の初版サービスとして、本書の購入者に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示―非営利―改変禁止)付きのPDF版全ページ無償ダウンロードサービスが実施されました。

『チェーザレ ~破壊の創造者』(講談社・20052013現在)は、ルネサンスから大航海時代へ移る世界史の中でも特に激変の時代を生きた英雄であるチェーザレ・ボルシアを描いた歴史漫画です。そして、『チェーザレ・ボルシアを知っていますか?』はこの漫画の制作にあたって、企画から10年の歳月をかけてあつめた資料をベースとして、チェーザレが登場するに至る歴史や、チェーザレを取り巻く宗教・文化的背景を網羅的・ビジュアル的に紹介するガイドブックです。

なぜ、本書にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをつけたのかについては、『チェーザレ』を通じて歴史に興味をもった方が、さらにそれを広め、また広げていくためであるとされています(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000284.000001719.html)。『チェーザレ』という作品は、数多の先人たちの研究をもとに、作者の惣領冬実氏と監修の原基晶氏が情報を選別し、再構成して物語として紡ぎ、漫画という形で表現されたものです。このような『チェーザレ』の創造性についての考え方、すなわち、前の世代が生み出した創造物の結果を自分なりに取捨選択し、そこに独自の創造性を付加していくことで新たな表現が生み出されるという発想は、クリエイティブ・コモンズの考えと親和性の高いものです。

過去の創作的な表現をもとにして生み出された『チェザーレ・ボルシアを知っていますか?』にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが付与されることで、このような創造の連鎖がさらに広がっていくことが期待されます。

クリエイティブリユースの活動を紹介する最新著作がCCライセンスを採用

大月ヒロ子、中台澄之、田中浩也、山崎亮、伏見唯 著の『クリエイティブリユース 廃材と循環するモノ・コト・ヒト』millegraph2013)のテキストと写真にCCライセンスが利用されています。

クリエイティブリユースとは、廃材など消費社会において見捨てられている「モノ」を観察し、想像力と創造力によって再び循環させることによって、地域ビジネスなどの「コト」を起こし、そこに関わる「ヒト」同士のコミュニケーションを活発にするものです。本書では、まず、世界各国のクリエイティブリユースの多種多様な活動が写真付きで紹介されています。また、東京都美術館と東京藝術大学が連携するアート・コミュニティ形成事業「とびらプロジェクト」の経過と、このプロジェクトに先行して関連する活動されている中台氏、田中氏、山崎氏のレクチャーが収録されています。さらに、日本初のクリエイティブリユースの拠点「IDEA R LAB」の誕生のプロセスや今後の活動内容が紹介されています。

本書にCCライセンス(表示・非営利・改変禁止)が活用されることで、このようなクリエイティブリユースの考え方が多くの人に共有され、「モノ・コト・ヒト」の循環が生じることになるのではないでしょうか! 今後のさらなる発展に期待です。

東京藝術大学建築科がCCライセンスを採用

リニューアルした東京藝術大学美術学部建築科のウェブサイトの写真やテキスト等のコンテンツに、CCライセンス(CC BY-NC-ND)が採用されました。

構築的かつシンプルなデザインは、Semitransparent Designによるもの。

OER(オープン・エデュケーショナル・リソース)やオープンガバメント、オープンデータの動きは、日本ではまだまだ広まっていませんが、この試みがその一助となることを期待しています。

国立図書館・博物館がCC0ライセンスでデータを公開

Open Data Stickers” / Copyright and related rights waived via CC0 by jwyg

Open Data Stickers” / Copyright and related rights waived via CC0 by jwyg

ここ数ヶ月、CC0ライセンスはデータの分野、特にGLAMデータ(ギャラリー、図書館、アーカイブ、博物館の頭文字をとってGLAMと呼ばれます)においてますます評価が高まっています。スペインとドイツの国立図書館は、CC0パブリック・ドメイン・デディケーション・ツールを利用し、書誌データを公開しました。これがどれだけ意味のあることか、ここで少し説明したいと思います。CC0ライセンスでデータを公開するということは、データを効果的にパブリック・ドメインにし、そのデータが活用される可能性を広げるために、図書館が全ての著作権を放棄するということを意味します。さらに、それらのデータはLinked open dataとして公開されています。つまり、これらのデータはウェブ上で様々なソースからのデータをリンクでつなぐことを可能にするRDF(Resource Description Framework)として公開されているのです。

スペイン国立図書館は、データ・ポータル: datos.bne.es.をつくり出すため、Ontology Engineering Group(OEG)と手を組みました。このデータ群へはhttp://www.bne.es/es/Catalogos/DatosEnlazados/DescargaFicheros で直接アクセス可能です。

そして、ドイツ国立図書館(別称:Deutsche Nationalbibliothek(DNB))はここでCC0を利用し、Linked open dataとして文書を保存しています。CCドイツでもこの動きを報じており、英語版はOpen GLAMに掲載されています。

関連して、NYのメジャーな博物館であるスミソニアン・クーパー・ヒューイット博物館も、文書化されたコレクションの60%を、CC0でパブリック・ドメインとして公開しています。このデータ群はGithubで公開されています。詳しくは http://www.cooperhewitt.org/collections/dataをご覧ください。

先日アップデートしたFAQを含め、クリエイティブ・コモンズとデータについて詳しく知りたい方は http://wiki.creativecommons.org/Dataで詳細をご確認いただけます。

原文: National Libraries and a Museum open up their data using CC0
http://creativecommons.org/weblog/entry/31853
公開日時: 2012年3月12日
BY Jane Park (Communications Manager)

メディアのオープン化を考える最新著作、CCライセンスで公開!

mediactive

ダン・ギルモア著『あなたがメディア! ソーシャル新時代の情報術』(平和博・訳、朝日新聞出版、2011)の第0章と解説部分の全文がCCライセンスで公開されました。

この本は、早くからメディアの双方向化、オープンソース化に取り組んできたシリコンバレーのベテラン・ジャーナリスト、ダン・ギルモア氏のメディアの最新著作で、メディアの最先端の現状を読み解き、そのメディアの変化が引き起こす課題を解説するとともに、その変化が生み出すチャンスを読者が活かしていくことを願って書かれたものです。フェイスブックやツイッターといった、最近注目を浴びているメディアに対する著者の考え方なども丁寧に紹介されています。そのなかで、ウィキリークス、東日本大震災といった事象を受けて日本語版の出版に合わせて書き起こされた「第0章 大震災、ウィキリークス、ビンラディンの死が示したメディアの未来」と、朝日新聞編集委員であり訳者の平和博氏の「解説 メディアで今起きていること」の全文ならびに目次が、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示・非営利・継承)で公開されています。

ちなみに、英語版は全文がWeb上で、またはPDFでご覧いただけます。

是非、あなたも読んでみてください!

星空文庫

星空文庫
星空文庫
は、小説を中心とした文芸作品の投稿サイトです。

小説の投稿サイトは大小、ジャンルさまざまなものがありますが、星空文庫は「作家でごはん!」という小説家志望者などが集まるコミュニティ・サイトのサービスとして立ち上げられたものです。

星空文庫には、オンラインコンテンツをめぐる制度やトレンドに目配りが効いた特徴がいくつかあります。電子書籍用のフォーマットであるePubで作品をダウンロードできる機能、コンテンツに性的、暴力的表現が含まれるか、全年齢向きかどうか、などについて投稿者が自らレーティングを行い(ICRAに準拠したレーティングになっています)、読者が作品を選ぶ際にそれを参考にできる機能、作品のURLが短くTwitterなどで扱いやすいこと、などです。

このような特徴のひとつとして、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを投稿者が付与できる機能があり、例えばCC BY-SAの作品のみをピックアップするなどというように、読者もライセンスを基準に作品を一覧できます。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス機能の実装により、掲載作品の利用許可範囲が明示化され、作者にも読者にも利用しやすくなることが期待されています。どうぞご利用ください!

ウェブアクセシビリティ基盤委員会が、JIS X 8341-3:2010の解説資料等をCCライセンスで公開


2010年8月20日、主に高齢者・障がい者のウェブアクセシビリティを高めることを目的とした、ウェブコンテンツの日本工業規格(JIS)が6年ぶりに改訂され、JIS X 8341-3:2010として公開されました。

これに伴い、ウェブアクセシビリティ基盤委員会が、アクセシビリティ対応を高めるための説明資料やツールを提供しており、これらにCCライセンスが採用されています。
例えば、JIS X 8341-3 2010の達成基準を満たしているかどうかを検証する試験方法のガイドラインは、CC BY-SAでライセンスされています。リンク先ページの最下部をご覧ください。

今回の改正では、規格の内容が従来よりも難しくなったとの指摘もなされており、規格に適合したウェブコンテンツを作成するにあたっては、こうした説明資料やツールが必要不可欠となることが予想されています。

Ubuntu Magazine JapanをCCライセンスで公開

Ubuntu Magazine Japanとは、日本初のUbuntu専門誌として、約2ヶ月に1回発行されている週刊アスキーのムック本です。Ubuntu Japanese Teamの全面協力を得ている点、及び印税の1%がUbuntu Japanese Teamへ寄付される点において、日本でのUbuntuの普及に大いに寄与するものと思われます。

このUbuntu Magazine Japanでは、次号発売日以降に前号の紙面をPDFにしてCC-BY-NCライセンスで公開するという試みを行っています。日本の雑誌ではおそらく初めての試み、より多くの人にUbuntuに関する情報が広まり、利便性が高まることを願います。

バークリー音楽院で音楽レッスンの動画などをCCライセンスで公開

米国の有名な音楽大学であるバークリー音楽院では、様々な音楽レッスンのmp3や動画、PDFの教材などを2003年よりインターネットで公開しています。

Berklee Sharesのサイトでは、例えばギターの弾き方講座から、作曲の仕方、音楽の録音や出版の仕方、さらには著作権侵害に関する講座まで、多岐にわたる教材が公開されており、全ての素材はBY-NC-NDライセンスで提供されています。