
CC Signals © 2025 by Creative Commons はCC BY 4.0ライセンスの下で提供されています。
クリエイティブ・コモンズ(CC)は、AI 時代における互恵性の向上と創造性のコモンズの持続を目指して設計された、意思表示のための新たなフレームワーク「CCシグナルプロジェクト」の一般公開を開始します。CCシグナルの開発は、共有された利益に基づく、より公平で持続可能な AI エコシステムを構築するための重要な一歩です。この取り組みは、長期にわたる協議と分析の集大成であり、新たなフェーズへと移行するにあたり、広く一般からの意見を求めています。
人工知能(AI)が知識の創造、共有、再利用のあり方を変容させる中、私たちは知識へのアクセスと共有された創造性の未来を左右する岐路に立っています。一方の道はデータ抽出とオープン性の浸食へと至る道で、もう一方の道はペイウォールに囲まれた閉鎖的なインターネットへと続く道です。CCシグナルは、コモンズの細やかな価値観に根差し、その集団によって表明されるもうひとつの道を提示します。
CCライセンスや、オンラインでオープンライセンス化された数百億の作品が生み出されたのと同じ原則に基づき、CCシグナルは、データセット保有者が、公共の利益を考慮して設計された、限定的ではあるものの意味のある選択肢の中から、自身のコンテンツが機械によってどのように再利用されるかについての意向を表明できるようにするものです。これは技術的・法的ツールであると同時に、社会的な提案でもあります。すなわち、データを共有する者と、それをAIモデルの学習に利用する者との間の新たな協定を求めるものです。
「CCシグナルは、AI 時代においてコモンズを維持するために設計されています」と、クリエイティブ・コモンズCEOの Anna Tumadóttir は述べています。「CCライセンスがオープンなウェブの構築に貢献したように、私たちはCCシグナルが互恵性に基づいたオープンなAIエコシステムの形成に役立つと信じています。」
CCシグナルは、変化にはシステムレベルでの連携が不可欠であるという認識に基づいています。このツールは、法的、技術的、規範的な文脈において柔軟に対応し、機械と人間の両方が読み取れるように設計されています。しかし、CCシグナルの核心は、集団の力を結集することにあります。CCシグナルの強制力は、法的に拘束力を持つ場合もあれば、規範的なものにとどまる場合もありますが、その適用は常に「私たちは与え、受け取り、再び与え、そして私たちは皆、共に歩む」という倫理的な意味を伴います。
「知識がオープンであり続ける未来を私たちが望むならば、集団的に新たなギブ・アンド・テイクを主張する必要があります」と、クリエイティブ・コモンズの法務顧問である Sarah Hinchliff Pearson は述べました。「機械の時代において、一個人の意思表示は取るに足らないものかもしれません。しかし、力を合わせれば、私たちは異なる道を求めることができるのです。」
フィードバックを募集しています
CCシグナルおよび初期の設計に関する詳細は、CCのウェブサイトでご確認いただけます。私たちは、パートナーやコミュニティと協力し、透明性をもってCCシグナルの開発に取り組みます。2025年11月のアルファ版ローンチに向けて、今後数ヶ月間、皆様からのフィードバックとご意見を積極的に募集します。
ご参加ください
議論に参加し、フィードバックを共有してください
現在のCCシグナルの提案にフィードバックを提供するには、CCシグナルの GitHub リポジトリにアクセスしてください。いくつかの方法で参加できます。
- CCシグナルの技術的な実装について読む
- CCシグナルプロジェクトに関する議論に参加する
- 直接的な編集提案については、イシュー(Issue)を作成する
CCシグナル会合に参加する
CCシグナルフレームワークについての簡単な説明の後、皆様のフィードバックの共有や質問をする会合です。コミュニティのみなさまのご参加をお待ちしています。
2025年7月15日(火)
午後6時~7時 (UTC)
登録はこちら
2025年7月29日(火)
午後1時~2時 (UTC)
登録はこちら
2025年8月15日(金)
午後3時~4時 (UTC)
登録はこちら
このムーブメントを支援する
CCは非営利団体です。寄付を通じてCCシグナルの構築を支援することができます。1
AI時代は、新たなツール、新たな規範、新たな協力の形を要求しています。CCシグナルとともに、私たちは共有された知識が引き続き繁栄する未来を構築します。ぜひご参加ください。
投稿日:2025年6月25日
このブログ投稿は Creative Commons による “Introducing CC Signals: A New Social Contract for the Age of AI” を翻訳したものです。
- なお、CCJPはCCとは別の日本の非営利団体である顧問スフィアによって運営されています。コモンスフィアへの寄付はこちら
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翻訳に際して Gemini の出力を参考にしました。
(担当:豊倉)