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著作権法は博物館がその使命を果たせるようにしなければならない

Brigitte VézinaBrigitte Vézina

2020年5月18日

※原文における”Museum”という単語は博物館だけではなく美術館なども含んでいる。本記事では便宜上、博物館と訳している。

今日は国際博物館の日で、私達クリエイティブ・コモンズ(以下、CC)は世界の多様な文化、アイデア、様々な形の知識へのアクセスをキュレートし、世話し、提供する機関を祝うことを楽しみにしている。普遍的な価値である平等、多様性、インクルージョンを誓う今年のテーマは、博物館が異文化間の橋渡しと社会変革の強力な駆動力となり得ることの証だ。

国際博物館会議がデザインした2020年国際博物館の日のポスター

CCの私たちもこれらの価値観を共有しており、博物館をサポートし、世界中の社会の文化的基礎を育む手助けができることを嬉しく思っている。私達はこれをopenGLAMの活動を通じて行っている。openGLAMでは、文化団体がCCライセンスとツールを最大限活用し、文化遺産を可能な限りオープンなかたちでオンラインで共有することを支援している。また私達は著作権法とポリシーの分野において博物館の利益を推進することにも勤しんでいる。博物館の懸念事項やニーズが著作権者のものと対等に、バランスの取れたフェアなかたちで扱われるように担保するがCCの著作権ポリシーアジェンダの中心にあるのだ。このブログ記事では、博物館が不当な法的負担を強いられることなくその使命を果たすための柱となる著作権の例外・制限規定(L&E)の重要性に焦点を置く。

著作権の例外・制限規定(L&E)はクリエイターの権利と、利用者及び世間一般の正当な利益と権利の公平なバランスを確保するために存在する。L&Eは、著作権者からの承認がなくても、ほとんどの場合支払いなしでの利用を可能とする。コモン・ロー(慣習法)の国では、これらは多くの場合「フェアユース」または「フェアディーリング」の形態をとる。シビル・ロー(制定法)の国では、L&Eは多くの場合法律で規定の範囲を明確に定義している。

コレクションを皆と共有することは博物館のかけがえのないな使命だ

博物館は信じられないほど多様な歴史、人工物、経験を収集、保存、研究、解釈、展示、教育し、来館者(現地でもオンラインでも)が触れ、参加する場を提供する。博物館は、知識と文化へのアクセスを提供し、経済的、社会的、文化的な進展に貢献するという公益のための使命を委ねられている。ギャラリー、図書館、アーカイブ(合わせて「GLAMs」と呼ばれる)と共に、多くの博物館が現在と将来の世代の利益のために、デジタル技術を活用することによって、コレクションを保存し、アクセスを提供しようと努めている。例えばParis Muséesは、最近100,000点を超える作品をクリエイティブ・コモンズ・ゼロ(CCØ)のもと、パブリックドメインとしてリリースし、美術・文化の財のオープンアクセスの重要性を認識しているGLAMの増大するリストに名を連ねた。これは気候変動などの世界的な課題によって生じる消失と劣化のリスクに対する取り組みとして特に重要である。

Paul CardonによるフランスのフェミニストジャーナリストであるCaroline Rémy (1855-1929) のポートレート。こちらはパブリックドメインである。Paris Muséesにより利用可能となっている。

文化遺産に特化した博物館の場合には、世界共有の遺産をネットを通じて広めることは公的な使命とダイレクトに合致する。デジタル写真だけでなく書誌情報やメタデータを含む作品の情報まで、来館者および一般市民に対して情報とコンテンツを共有することも重要である。

著作権は博物館の基本的な機能の邪魔になってはいけない

悲しいことに、全ての大陸の博物館において、著作権によって保護されている作品を保存目的で複製したり、オンラインで閲覧可能にしたりするといった基本的な機能は、複雑・乱雑に絡まり合った著作権上の諸問題によって妨げられている。これは法的な不確実性が強いデジタル環境において特に顕著である。悩ましいグレーゾーンのひとつに、独創性のない複製についての権利の主張がある。これについてCCは、デジタル化されたパブリックドメイン作品はパブリックドメインとすべきであると断固として主張している。古くなった整合性のとれていない著作権のルールが世界中で、博物館の正当な活動をできなくし、博物館が知識と文化へのアクセスの提供に取り組む努力を抑圧してしまうことで不平等を拡大させ、共有されるデジタル遺産にブラックホールを作り出している。

公益に資する場合、著作権は制限されるべきだ。博物館が使命を果たせるようにするには、より強い、明確で効果的な制限・例外規定が必要だ。

私たちCCは、著作権法が、保全活動や教育へのアクセス、科学、文化に関する作品へのアクセス、その他公益に資する博物館の正当な活動の障害となってはならないとする考えを強く支持する。事実私たちは、公益に資する場合、著作権は制限されるべきだと考えている。このような理由から私たちは、博物館が使命を果たせるようにするには、より強い、明確で効果的な制限・例外規定が必要だとする国際博物館会議(ICOM)の主張に全面的に賛同する。実際に私たちは先月、世界知的所有権機関(WIPO)に対し文化遺産の保存を可能とする明確なルールを示す国際的な法的制度を早急に創設することを求める、ICOMを含む複数の団体によって作成された公開書簡に署名した。

制限・例外規定に関する国際法・ポリシーの進むべき明確な道筋

ヨーロッパ内の事例では、2019年のデジタル単一市場における著作権に関する指令(CDSM)には博物館をサポートし、文化遺産のデジタル化とオンラインでの共有を推進するための複数の制限・例外規定が含まれている。例えば第6条では文化遺産の保存を目的とした活動のための例外規定が設けられ、第14条ではパブリックドメインにある視覚芸術作品の忠実なコピーはパブリックドメインでなければならないとしている。CCの姉妹的な組織であるCommuniaはCDSMの導入にあたってのガイドラインと支援を提供している。EU加盟国は、博物館の社会における重要な役割を認識、サポートし、国内の著作権法に明確な制限・例外規定を設けるための、このかつてない機会を2021年6月までに利用する必要がある。

国際的には、博物館の利益となるような強制的な制限・例外規定を設けた明確な国際的フレームワークは存在しない。これはつまり、自国の著作権法に博物館にやさしい制限・例外規定を設ける義務がないことを意味し、実際に多くの国々では設けられていない。Dr. Lucie GuibaultとJean-François Canatが主導した博物館を対象とした制限・例外規定に関する2015年のWIPOの調査は、制限・例外規定は法的管轄域によって大きく異ることを示した。WIPO加盟国のうち博物館に特化した制限・例外規定を設けている国は3分の1以下で、3分の2の国は博物館が一般的な制限・例外規定とライセンスによる解決の両方またはいずれかに頼るに任せている。特化した例外は保存を目的とした複製、展示カタログでの作品の使用、作品の展示、孤児作品の使用を含む。一般的な例外は教育目的での利用または個人利用を含む。WIPOの2019年のRevised Report on Copyright Practices and Challenges of Museumsでは、制限・例外規定はその法的な不確かさが災いしてしばしばよく理解、利用されていないとしている。

このため、実情にそぐわない、実現困難な、そして時に端的に不公正な著作権ルールに従うことの負担なしに博物館が正当な活動を行う権利を明確に制度化した国際的な取り決めを作成することが不可欠である。先日このブログで述べたことだが、博物館とGLAM全般の利益を保護を念頭に置き、WIPOの著作権及び著作隣接権に関する常設委員会(SCCR)内で制限・例外規定を迅速に推し進める方策を確立させる時期が来ている。作品への視覚障害者のアクセスに関する2013年のマラケシュ条約の採択を参考に、SCCRは今、GLAMのための明確で拘束力のある制限・例外規定の作成に集中するべきだ。

博物館は一年を通して祝われても良いくらい様々な価値を生み出している。私達はopenGLAMと著作権ポリシーの取り組みを通じて博物館部門をサポートすることを誇りに思っている。さらに詳しく知りたい方は、info@creativecommons.orgまでご連絡をどうぞ。(日本ではCCJPも同様のお手伝いができる場合があります。お問い合わせについてはhttps://creativecommons.jp/contact/を御覧ください。)

このブログ投稿は Brigitte Vézina による“Copyright Law Must Enable Museums to Fulfill Their Mission”を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

オープンアクセスの実践:ヒューレット財団代表のLarry Kramerとの会話

Victoria HeathVictoria Heath
2020年4月23日

クリエイティブ・コモンズ(CC)は2001年に創設されて以来、私達と同じくらいオープンアクセス、オープンコミュニティ、グローバルコモンズを大事にし、同じ考えを持つ組織や個人からサポートを受けてきた。20周年を迎えるにあたって、私達は過去を振り返り将来の展望を考えている。そしてそのために、過去20年の、私達の活動を可能にしてくれてきたサポーターの話を聞かないわけにはいかない。

The William and Flora Hewlett Foundation(ヒューレット財団)はCCの長年のサポーターであり、共に考えてきたパートナーである。私達は財団の代表であるLarry Kramerに財団の慈善活動におけるオープンアクセスの価値と、オープンムーブメントについて彼が考える将来像を語ってもらった。

以下の会話は、明確さと分量調整のために少々編集を加えている。

CC:ヒューレット財団は10年以上の間CCの資金提供者、またパートナーとして務めていただいています。財団がCCの取り組みの中に見出した価値と、オープンアクセスがなぜそれほど重要なのかについて教えてもらえますか?

Larry Kramer:オープンネスは私達の中核的な指針のひとつです。私達は、知識や経験、課題と成果を他の人と共有することが信頼を生み、どのように改善していけるかのアイデアを引き出すきっかけになると考えています。私達は継続的な学習に重点をおいており、オープンアクセスはその目標を達成するための重要なパーツであると考えています。

クリエイティブ・コモンズが創設された当時、クリエイターたちが他の利用者がコンテンツを利用または改変することを日常的に許可するという考えは非現実的に見えました。今日、クリエイティブ・コモンズは、知識をより自由に入手可能とし、コラボレーションを育み、世の中が全ての人にとってより良い場所となる進歩や改善を促進する、大きな、そして拡大しつつあるムーブメントを支えています。最も根本的なレベルで、クリエイティブ・コモンズが促進する共有は、良いアイデアが知られ、影響力のあるものとなるチャンスを広げています。私達はこれに非常に関心を持っており、クリエイティブ・コモンズとのパートナーとしての関係が長年続いている理由です。

CC:2014年にヒューレット財団はオープンライセンスポリシーを財団の助成金を受け取る全ての人に拡張し、「ヒューレット財団が取り組むと決めた課題を解決するためには、良いアイデアが必要だが、アイデアだけでは不十分だ。他の人があるアイデアから学び、それを発展させられるように、助成金を受け取る人に、自らのアイデアを共有するようにお願いすることで、他の人がそこから学び、その上に積み上げることができるようにし、それらのアイディアが批判され強化され、もっと先まで届くようになることを助け、最終的により多くの価値を生み出す手助けとなる。」と記載しました。

この決定に至るまでの過程を教えてもらえますか?

Larry Kramer:ヒューレット財団は、私達の経験から学ぶことができるように、助成金に関係する情報をオープンライセンスのもとで提供するというポリシーを長らく持っていました。私達は、外部に委託した評価報告の他、私たちの戦略文書、個々の助成に関する非機密情報を共有しています。2014年には、例外的な状況を除き、助成金で作成された資料も含むようにオープンライセンスへのコミットメントを拡張しました。基本的な決定を下すことは難しくありませんでした。私達はオープンネスやそこから生まれる価値を信じているので、私達の資金援助によって作り出されたものにも私達自身が作り出したものにもその原則を適用することは自然なことに思われました。しかし同時に、私達は、異なる業務モデルを持つ組織による、様々な文脈での、多様な分野の取り組みを支援していることから、包括的なルールを適用してしまうと上手く行かないことも知っていました。たとえば、このようなポリシーが与える影響は、シンクタンクに所属している研究者と、舞台芸術団体に所属しているアーティストとではかなり異なってきます。そこで私達はこの件について吟味し、組織内そして助成金の受け取り手との会話を積み重ね、意図せずして助成金の受け取り手が傷ついたり負担を抱えるないようにポリシーを策定した後ではじめて、実行に移しました。この話し合いのプロセスが完了した時、私たちはプロジェクトの助成金のための新たな言葉と、受け取り手がこれらの条件をどのように満たせるのかを理解するためのツールキットが出来上がりました。

幸いこの方法は非常に上手く行きました。参考となる資料が少ない分野にでは、何かをオープンライセンスにするにはどうしたら良いか悩むことがよくあります。私達は、助成金の受け取り手や他の支援団体との間で、オープンライセンスが何であり、それが目標達成にどのように貢献できるかについての共通の理解を築くことを試みました。その最良の方法を模索してしている助成金の受け取り手に対しては、時には法律相談を提供することもあります。

CC:オープンアクセスの推進者たちは、オープンアクセスによって情報などがよりアクセスしやすく、公平でイノベーティブな世の中になると信じています。ヒューレット財団がこの考え方が実際に作用しているのを見て取った事例はありますか?

小さなセンターで収益性のある商品を作り、地元マーケットで販売し、個人の所得を得ているNairobi Young and Old Cooperative(ナイロビ若者と高齢者協同組合)の女性メンバーたち。彼女たちはDSW(Deutsche Stiftung Weltbevoelkerung)の支援をうけている。 Image by Jonathan Torgovnik/Getty Images/Images of Empowerment, June 2014 (CC BY-NC).

Larry Kramer:世界11カ国の女性の画像2000枚がオープンライセンスで収められているImages of Empowermentは確かな事例の一つです。ビジュアルは偏見を生むことも変えることも可能であり、行動につながることもある、ということはよく実証されています。数年前、「グローバルディベロップメントと人口」助成金プログラムに携わるプログラムオフィサーの一人は、私達の発展途上国の女性に対する「見方」を変えたいと考えていました。私達はGetty Imagesと協力し、女性が意思決定をし、所得を得て、自身と家族のために生殖に関わる医療とサービスを受けているところを写した、新たなストックフォトのコレクションの作成に資金を提供しました。これには2つの目的がありました。1つ目は、女性の生活をより正確に、ポジティブに表現すること、2つ目は、画像を公共物とし、非営利団体が自由に利用可能とすることです。私達は利用と再利用を促進するためにはオープンライセンスが必要であると認識していました。非営利団体は、自らの活動内容を伝えたり影響力を示すにあたり、手頃な価格で、簡単に画像にアクセスすることができない場合がほとんどです。これらの写真には、このような活動を担う活動家と、これらの出来事をカバーしている報道機関、どちらにも足りなかったものを補充する意図がありました。その後David and Lucile Packard Foundationもコレクションに写真を追加し、現在ではこの画像セットにはコロンビア、ガーナ、インド、ケニア、ペルー、ルワンダ、セネガル、南アフリカ、タイ、ウガンダ、アメリカ合衆国の、コミュニティ内で働き、活動している女性の高品質なエディトリアル用画像2000枚を含んでいます。

もう一つの例は、無料で、リミックス・改訂可能な学習資料であるオープン教育リソース(OER)への長期的な投資です。CCと同様に、ヒューレット財団はOERが誕生した2001年からOERへの投資を行っています。私達は知識へのアクセスの容易さの差は学習の障壁であってはならないと信じており、OERはクオリティの高い教育の機会を世界中の学生に提供します。クリエイティブ・コモンズはOERのインフラのバックボーンを提供していることから、私達がOER関係で最初に資金提供を行った団体の一つでした。OERの利用が増え、分野としても成長する中で、クリエイティブ・コモンズは私たちの助成金の受け取り手に一貫したサポートを提供してきました。その取組が現在、COVID-19パンデミックにより突然遠隔学習へ切り替えざるを得なくなっている世界中の無数の学生の利益となっています。これらの資料がどれくらい効果があるかについての教訓も集まっており、これらはパンデミックが終息した後にも引き継がれます。

CC:他の慈善団体がオープンアクセスポリシーの採用を躊躇する原因となっている可能性のある課題や障壁は何でしょうか?

Larry Kramer:オープンアクセスポリシーを採用するにあたって、躊躇してしまう原因が少なくとも2つがあります。そしてどちらも慈善団体に限ったものではなく、より広くあてはまるものかもしれません。1つ目に、オープンライセンシングについての理解不足があります。オープンライセンシングとは何で、なぜ重要で、どのような仕組みなのか。オープンアクセスは多くの組織のリーダーにとって全くの新しいトピックです。2つ目に、組織またはその助成金の受け取り手のカルチャーにこのような新しい優先課題を課すことへの躊躇もあります。真にインパクトのあるオープンアクセスポリシーは、法務部の専門的な補助から、組織のウェブサイトで使う画像の選定を行うコミュニケーション部門まで、その組織の全ての部署と関連します。チェンジマネジメントは常に難しいものですが、ここまで広範囲に及ぶ変化は負担の大きな取り組みとなることがあります。

オープンアクセスポリシーを推奨するために、クリエイティブ・コモンズはオープンアクセスというトピックに異なる視点からアプローチするCC Certificateのような取り組みを土台に新しいものを作るのが良いかもしれません。CC Certificateそのものは法的ライセンスに関するものですが、オープンアクセスは幅広い課題を解決する手助けとなります。そしてそれを組織のリーダーに伝えることが重要です。何がうまくいき、オープンアクセスがどのように役に立つかを示す事例を提供するといったことです。オープンアクセスポリシーを慈善団体で定期的に行われている他のチェンジマネジメントの取り組みと結びつけることも良いでしょう。

自身のアート作品のインスピレーションをクラスメートに説明する中学生。Image by Allison Shelley/The Verbatim Agency for American Education: Images of Teachers and Students in Action (CC BY-NC), an open-access image collection commissioned by The Hewlett Foundation.

CC:5年、10年先を考えた時、オープンアクセスポリシーと支援に関して「成功」とはどのようなものであると考えますか?

Larry Kramer:COVID-19の世界的なパンデミックは、世界的に教育と基礎的な医療へのアクセスを悩ませてきた長年にわたる不平等を拡大させ、またその不平等に光を当てました。同時に、人々が協力して取り組み、共に学び、お互いの考えの上に積み上げていけることの重要性も示しました。2020年に起きたあらゆることを受けて、公的な資金を受けた研究と教育資料にオープンライセンスを適用するポリシーを世界中の国々が採用したら素晴らしいですね。遠隔学習を用いる必要がきっかけとなって明るみに出た学習教材へのアクセスについての危機的状況を考えると、OERの作成と利用についての教育機関によるサポートは増加するでしょう。公共の利益となる取り組みや成果物が市民によって所有され、人々によって自由に利用できるように、他の財団がオープンアクセスポリシーを採用し、共に貢献することも私達は歓迎します。

ヒューレット財団のような個人や組織が共有のために使える、オープアクセスのためのツールやプラットフォームの作成や、CCライセンスの管理を私達が継続できるように、クリエイティブ・コモンズへの寄付をご検討ください。オープンアクセスポリシーの導入やオープンライセンスの利用についてもっと知りたい方は、CC Certificate のコース、またはこちらの無料のebookをご覧ください。

時間と思慮に富んだ言葉を提供してくれたLarry Kramer、この記事の作成に助力してくれたNeha Gohil、支援をしてくれたThe William and Flora Hewlett Foundationスタッフの皆さんに感謝の意を評します。

このブログ投稿は Victoria Heath による“Open Access in Practice: A Conversation with President Larry Kramer of The Hewlett Foundation”を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

UNESCO OER 勧告の導入をサポートするNGOネットワークが設立された

Cable GreenCable Green

Jennryn WetzlerJennryn Wetzler

2019年11月28日

The New UNESCO House in Paris
New UNESCO House in Paris. United Nations. 1958-September-01 / CC BY-NC-ND

第40回ユネスコ総会にて、UNESCO OER 勧告が11月25日に193の加盟国の全会一致で採択された。この決定は、世界的にオープン教育を促進するためのまたとない機会だ。

なぜ重要なのか?この勧告はUNESCOの公式ツールで、各国政府が自国でオープン教育を支援し、他国と協力するための勧告のリストを提供する。

クリエイティブ・コモンズはこの重要な節目に非常に感激している。私達は15年以上の間、UNESCO、Commonwealth of Learning、そして複数の国の政府・関係機関のパートナーと共にオープン教育に取り組んできた。クリエイティブ・コモンズは2012年UNESCO OER宣言、2019年UNESCO OER勧告の両方で草案作成委員会の一員であった。2015年には、クリエイティブ・コモンズはUNESCOと共に、UNESCOのオープン アクセス レポジトリに取り組んだ。また、クリエイティブ・コモンズは2017年に行われたUNESCO OER Global Congressに参加し、基調講演を行った。

オープン教育を世界的に推進することに活発な複数の組織は、UNESCOオープン教育勧告の重要性を認識し、その導入を支持するための連合に参加した。連合に参加した組織は以下のとおりである(アルファベット順)。

この連合では、OER勧告の導入を全てのUNESCO加盟国で支援するために、それぞれの組織の強みや専門性を活かし、一体となって包括的なリソースとサービスを作成・提供する。また、2020年上旬に会合を開き、各国の政府をサポートするためのサービス、資料、アクティビティ、コミュニケーションプランのリストを作成する予定でいる。導入のためのサポートはOER勧告の支援に焦点を当てたものとなる。

5つの活動分野:
  • ステークホルダーがOERを作成、アクセス、利用、翻案、再配布することを可能にする
  • 支援ポリシーの策定
  • 包括的で公平な質の高いOERの促進
  • OERの持続可能なモデルの育成
  • 国際的な協調の促進
観察と報告:
  • 効果を測定するための適切な研究プログラム、ツール、指標の展開
  • 進捗状況、グッドプラクティスとなるイノベーションおよび研究レポートの、収集、発表、普及
  • OERの効果と長期的な財務効率性を観察、評価するための戦略
詳しくはこちらへご連絡を:

Dr. Cable Green
Interim CEO & Director of Open Education
Creative Commons
cable@ creativecommons dot org

Jennryn Wetzler
Assistant Director of Open Education
Creative Commons
jennryn@ creativecommons dot org

こちらのフォームを通じた質問、要望、提案も歓迎します。

CCは世界中のステークホルダーと共に、オープン教育の実行能力の増強と効果創出に取り組むことを楽しみにしている。協力することで、UNESCO OER勧告の目標と目的を達成し、質の高い教育にすべての人がアクセスできるようにすることが可能だ。早速動き出そう。

このブログ投稿は Cable Green と Jennryn Wetzler による“NGO Network to Support Implementation of the UNESCO OER Recommendation”を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

パブリックドメイン作品の複製はパブリックドメインとすべきだ

Claudio RuizClaudio Ruiz 

ScannScann

2019年11月20日

文化遺産に関わる施設において、世界中でパブリックドメインであることが明白である彫刻、胸像、版画、碑文などの作品の、写真による複製や3DスキャンへのCCライセンスの利用が増えていることがクリエイティブ・コモンズの注意を引いている。最近の例ではベルリンのNeues Museumが、そこで展示されている3000年前のネフェルティティの胸像にCC BY-NC-SAライセンスを適用した例がある。CCライセンスを付与する際に採用されるのは、CC BYから、最も制限の強いCC BY-NC-NDまで幅広い。

対象物のほとんどは長らくパブリックドメインであり、そもそも著作権の対象でなかったものも多い。作品に対しCCライセンスを付与できるのは著作権者のみである。もし作品がパブリックドメインである場合、著作権ライセンスは一切適用されるべきではない。CCライセンスは著作権が存在する場合にのみ機能するよう設計されているため、著作権が存在しないこのような場合は効力を持たない。この場合、もし何かを適用するのであれば、世界的にパブリックドメインであることを示すために、パブリックドメインマークあるいはCC0マークを適用するのがふさわしい。

もし作品がパブリックドメインである場合、著作権ライセンスは一切適用されるべきではない。CCライセンスは著作権が存在する場合にのみ機能するよう設計されているため、著作権が存在しないこのような場合は効力を持たない。

これらの主張は、作品そのものではなく作品の3Dスキャンや写真による複製について述べられている場合もある。しかし、デジタル化それ自体で著作権や類似の権利が発生することはない。なぜなら大多数の法的管轄域では、創作物を忠実にデジタル複製することに創作性があると認められないからである。多くの場合これらの複製は、作品の保存のための確立された業界標準に従う。これらのスキャンが高度な技能に基づくものだとしても、ほぼ世界的に、これらの複製は著作権の保護を受けるには創作性が不十分である。

他にも、文化的な管理と所有が法的、政治的、外交上の議論の対象となっている作品にCCライセンスが適用されたケースもある。クリエイティブ・コモンズはこの問題について掘り下げており、これらの問題に対処するためには、CCライセンスは十分でないことを認識している。しかしこれらの事例では、起源となるコミュニティが有する、デジタル化とアクセスの制限と条件に関する決定を含む文化的権限に意識を向けることは非常に意味のあることだ。(*1)

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、オリジナルの作品の創作者が公衆に対してどのような許可を与えているかを利用者によりよく理解できるようにするためのツールである。CCライセンスが誤用されると、CCライセンスの著作権許諾の意思疎通を行うためのスタンダードとしての能力が損なわれてしまう。作品へのCCライセンスの誤用は作品の再利用者の混乱を招き、世界中のコモンズから恩恵を被る公衆の権利を制限することになる。

いくつかの事例では、文化遺産所蔵施設が自らが行った作業の功績のため、あるいはデジタル複製の出どころを示すためにCCライセンスを用いていることを私達は認識している。しかしこれらの目的については、メタデータや機械可読性標準などのより適切な技術的ツールが存在する。

最後に、オープンアクセスポリシーを評価する際、時に文化遺産所蔵施設が示す収益と利益に関する懸念について私達は理解している。しかし、パブリックドメインである作品の著作権を主張することと、成功する収益化の戦略を考えることは、異なる話題であり、一緒にされるべきものではない。さらには、画像をライセンスすることに関わるコストが、画像から得られるであろう潜在的な利益または収益源を縮小させることを示すエビデンスが増えている。(*2)

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスはパブリックドメイン作品の発見、共有、再利用の可能性を制限するためのツールではない。文化遺産所蔵施設は、公衆に文化と情報へのアクセスを与えることを、機関の任務の一部と考え、オープンアクセスポリシーを採用することが望ましい。

クリエイティブ・コモンズは文化遺産所蔵施設向けに、オープンアクセスに関する研修・教育活動をより多く提供することに努めている。また、Wikimedia Foundationと連携し、2020年5月のGlobal Summitで公開予定のDeclaration on Open Access for Cultural Heritage(文化遺産のオープンアクセス宣言)の作成を行っている。この活動に参加したい方は@openglamまでご連絡を。

レファレンス

1. Pavis, Mathilde and Wallace, Andrea, Response to the 2018 Sarr-Savoy Report: Statement on Intellectual Property Rights and Open Access Relevant to the Digitization and Restitution of African Cultural Heritage and Associated Materials (March 25, 2019). Available at SSRN: https://ssrn.com/abstract=3378200 or http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.3378200

2. Crews, Kenneth D., Museum Policies and Art Images: Conflicting Objectives and Copyright Overreaching. Fordham Intellectual Property, Media & Entertainment Law Journal, Vol. 22, p. 795, 2012; Tanner S. Reproduction charging models & rights policy for digital images in American art museums: A Mellon Foundation funded study. Online: King’s College London, 2004. 57 p.; Foteini Valeonti, Andrew Hudson-Smith, Melissa Terras & Chrysanthi Zarkali, Reaping the Benefits of Digitisation: Pilot study exploring revenue generation from digitised collections through technological innovation, Proceedings of EVA London 2018, UK.

このブログ投稿は Claudio Ruiz と Scann による“Reproductions of Public Domain Works Should Remain in the Public Domain”を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

非常事態時の教育とその先を考える:著作権の柔軟性を最大化するために

Brigitte Vézina
Brigitte Vézina
Cable Green
Cable Green

2020年3月31日

世界規模の健康危機により、教育リソースへの普遍的なアクセスを支えるポリシーの必要性がより明確になっている

COVID-19のパンデミックは学習者の生活に大きな混乱をもたらしている。世界の学生の半数に当たる10億人を超える学生がウイルスの拡散を防ぐための、学校や大学の休校に直面している。結果として多くの教育機関はオンライン教育にシフトしている。一部の教育者は既にある自身の教材をオンラインに載せることができるが、その他の教育者にとってオンラインへの移行は、他の人が作成した教材へのアクセスと、それを永続的に利用、翻案するための法律上の権利を必要とする。これは教育者と学生が著作物を教育目的で自由にかつ合法的に利用するために、オープン教育リソース(OER)へのアクセスと例外・制限規定(L&E)の両方が幅広く存在することが不可欠であることを示している。

オープン教育リソース(OER)とは、(a)パブリックドメインに存在する、または(b)すべての人が自由かつ永続的に5R(retain:保持、reuse:再利用、revise:改変、remix:リミックス、redistribute:再配布)を行えるようにライセンスされた教育用、学習用、研究用資料のことである。

教育のための例外・制限規定(L&E)は、教育目的であれば(対価支払いの有無にかかわらず)著作権者からの承諾を得ずに著作物を利用することを可能とする。L&Eは著作物を利用する際の、権利者と利用者双方の利益の適切なバランスを保つために存在する。教育関連のL&Eは地域によって異なり、一般的に、学習、指導、私的または個人的な利用、引用といった特定の利用方法を許可する。国によっては、これらの利用方法はフェアディーリングまたはフェアユースの法理のもとで許容されている。これらは通常、複製、出版、実演、および(オンライン上のものを含む)通信の権利について、そして技術的保護手段の実装について適用される。教育目的の複製と翻案については強制許諾の規定を設けている法律も存在する。教育目的の著作権の活用を目的とするL&Eの適用や政策は利用者にも作者にも有益をもたらすものである

より公平で、アクセスが容易で、イノベーティブな世の中を作るという使命に従い、クリエイティブ・コモンズはオープン教育を長らく支持しており、またOERの作成、共有、利用を支援するための法的な基盤を提供している。そして著作物の教育目的での利用に関する制限と例外の範囲を広げることも支持してきた。

教育へのアクセスが日々の課題である状況で

多くの学習者や教育者にとって、特に低所得国では、日頃から教育教材を入手することが困難である。高額な教材、複雑な著作権規定と例外など、数々の障壁により、多くの学習者が教育を受ける基本的人権を認められていない。

現在の伝染病による緊急事態とそれが学習機会にもたらす混乱は、この問題に注意を向ける機会となっている。図書館員はフェアユース規定の寛容な解釈を呼びかけており、教育者や教育機関は広くOERを共有しており、民間の出版社は一部の教材を期間限定で無料で提供している。

教員および学習者が効果的な教材にアクセスできるよう支援することは世界的な健康危機において確実に有益だ。そしてそれは危機が去った後も必要だ。オープン教育は一過性の問題に対する短期的な応急処置ではない。公平で、包括的で、効果的な教材と学習機会へのアクセスを保証するための長期的な解決策なのだ。

オープンサイエンスがより良い科学であるように(世界中でワクチン開発のためにCOVID-19に関する研究を共有している)、オープン教育はより良い教育である。これは今回の危機で始まったことではないが、世界の子どもたちが頼りにしている教育制度に一層の強靭さを与えるために、限られた資源の中でより賢く、より責任を持たなければならないことを再認識させてくれた。

今こそ政府はオープン教育ポリシーと教育目的の制限と例外規定を採用することが重要だ

今回の危機は、世界中で公的な教育制度に改善の余地があることを皆が気づく機会でもある。

オープン教育ポリシーは、教育資料の資金を提供した市民がその資料へアクセスできるように、公的資金により作成または調達されたコンテンツがCCライセンスのもと、またはパブリックドメインで公開されることを保証する。ユネスコのOER勧告では、政府が行うべき施策として以下の事柄を挙げている。

  • 公的資金により開発された教材をオープンライセンスとするか、適当な場合はパブリックドメインとすることを推奨し、また、ポリシーの導入と評価を行うため、資金や人材を財政割り当てられるよう、政策や規制の枠組みを作り、実施すること
  • 全てのステークホルダーが、ソースファイルやアクセス可能なOERをオープンファイルフォーマットを用いて公的なレポジトリで公開することを支援し、そのための動機づけの仕組みを開発すること
  • OERポリシーを国の政策枠組みに埋め込み、オープンアクセス、オープンデータ、オープンソースソフトウェア、オープンサイエンスといった、その他のオープンポリシーやガイドラインと連携させること

クリエイティブ・コモンズは、各国政府がこれらを含むオープン教育ポリシーを作成、採用、実施することを支援するために、Dynamic Coalition for the UNESCO OER Recommendation(UNESCO OER 勧告のためのダイナミックな連合)と、オープン教育NGOのネットワークに参加した。

幅広い制限と例外規定は、教育者および学習者が権利者からの許可を得ることなく、合法的に著作権のある資料へアクセスし利用することを可能とする。

国際的なレベルでは、WIPOの著作権と著作権に関連する権利の常設委員会(SCCR)著作権と著作権に関連する権利の内容に関する議論が行われるフォーラムである。L&EはSCCRのアジェンダに2004年から載っており、その議題は教育活動の他に、図書館とアーカイブ、障がい者、特に(2013年のマラケシュ条約で見られるように)視覚障がい者の分野にフォーカスしている。クリエイティブ・コモンズはWIPO関連の活動に積極的に関わっており、SCCRに対してL&Eについて公式の声明を出している。

クリエイティブ・コモンズでの政策系の活動を通じて、私達は時代遅れとなった著作権制度からデジタル環境に適応していくことを目標とした(世界的、地域的、国家的な)法的・政策的イニシアティブを支援する。これはユーザーがオンラインでの利用、特にオンライン教育の文脈での幅広く明確なL&Eの恩恵を受け、デジタルテクノロジーによって提供される可能性を活用できるよう保証することを含む。これにより教育者と学習者が、不当な、時代遅れな、あるいは不適切な著作権ルールによる不当な妨害を受けることない快適な学習体験を享受することができる。

オープン教育についてもっと知り、効果的な教材へのアクセスを増やすために何ができるか?

CC BYライセンスで公開されているCC認定OERで学んで、あるいは「CC認定証書」を獲得するためのオンラインコースに登録してオープンライセンスの知識を向上させましょう。

👋COVID-19の拡大を食い止めるためにWHOがまとめているとおり、20秒以上の手洗いや、密集・密接を避けることなどを実践しましょう。

このブログ投稿は Brigitte Vézina と Cable Green による“Education in Times of Crisis and Beyond: Maximizing Copyright Flexibilities″を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

Open COVID プレッジに大手テック企業が参加

Diane Peters
Diane Peters
Diane Peters
Eric Steuer

2020年4月20日

Open COVID プレッジへの支持は勢いを増している。Amazon、 Facebook、 Hewlett Packard Enterprise、 IBM、 Microsoft、 and Sandia National LaboratoriesもCOVID-19パンデミックの終息に向けた特許の無償提供を行うことを発表した。Intel、 Fabricatorz Foundation、 他多数の企業に続き、これらの企業はこの誓約の創設時採用者として参加し、研究、診断、予防、封じ込めを通じてこの病気を終息させ、影響を最小限に止めようと努力している世界中の研究者、科学者、その他の人々が使用できるように何十万もの特許を公開する。

クリエイティブ・コモンズはこのプロジェクトを正式に支持し、誓約とライセンスの作成に向けて法律の専門家、研究者、科学者とともに協力することを先月発表した。これは先週公開された2つの新たなライセンスを含む。これにより、これらのライセンスを採用する者は、すべての著作物及び特許をライセンスするか、特許のみをライセンスするかを選択することができる。これらのライセンスについてはウェブサイトでより詳細に知ることができる。

知識の拡散を進めるため、自由に知的財産を共有できるように支援、促進することがCCの目的であることから、CCがこの連合に参加することは自然なことだった。誓約への参加の発表以降、私達の役割は、新しい一連のFAQを含む情報リソースの作成、ライセンスのドラフトの作成と更新、誓約を採用し知的財産へのライセンス付与を考えている人たちとの連絡、最も効果的な結果を生み出すように、本プロジェクトがいかに許諾者と知的財産の利用者をうまく繋げられるかの戦略をこの連合のメンバーたちと考えることが中心となっている。私達は今後もこの仕事を続け、成功例を共有したいと考えている。

Open COVID プレッジを採用または支援したい会社、大学、団体、個人は https://opencovidpledge.org/ へアクセスするか、opencovidpledge@gmail.com へご連絡ください。

このブログ投稿は Diane PetersEric Steuer による“Tech Giants Join the CC-Supported Open COVID Pledge″を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

学術出版物を「改変禁止」ライセンスで共有することが不適切である理由

Brigitte Vézina
Brigitte Vézina

2020年4月21日

オープンアクセス(OA)の利点は疑いようがなく、すべての学術分野および科学研究においてさらに明白になっている。学術出版物(*1)を自由かつ開かれたかたちでアクセスし、再利用も可能にすることで著者が広く認知されやすくなり、資金提供者による投資の効果が大きくなり、他の研究者および社会全体がアクセスできる知識が増える。このようなオープンアクセスの明らかな利点にもかかわらず、研究者の中には、研究公正を保護するためという誤った信念から、自身の研究論文をより制限の強いライセンスで公開している者がいる。

不正行為、複製、盗用エッセイ・ミル(レポート作成会社)の利用などといった、学術におけるあらゆる不正は、世界中の学術コミュニティにおいて重大な問題であることは間違いない。しかしこの問題はデジタル技術や(CCライセンスなどの)オープンライセンスが登場する以前からあったものだ。オープンアクセスは明らかに学術における不正の原因でもなければ問題を悪化させているわけでもない。

このブログ記事で私達は、研究公正に取り組むアプローチとして学術出版物に制限のあるライセンスを付与することは不適切であることを説明する。特に、「改変禁止」(ND)ライセンスを使用することは、学術における不正を取り締まるための賢明な選択肢ではないだけでなく、研究、とりわけ公的資金による研究を広めることに役立たない。また(CC BYまたはCC BY-SAのような)真にオープンなライセンスに記載されている保護規定は、その他学術における不正および類似の悪用に対する防衛手段以上に、悪意のある学術行為を防ぐことに適していることを示す。

改変禁止ライセンスCC BY-NDCC BY-NC-ND)は作品を複製し、広めることを許可するが、いかなる方法でも、改良、リミックス、改変、翻訳、アップデートすることで派生物となるものを作成することを禁止する。簡単に言うと、人々はオリジナルから「派生した作品」や翻案を作成することができない。

研究者は究極のリミキサーだ

研究者は、出版物が読まれ、インパクトを与え、より良い世の中を作るために研究を公開する。これらの重要な目的を実現するために、研究者は自身の出版物およびデータの再利用と翻案が可能であるようにしなければならない。また、他の研究者の出版物およびデータの再利用と翻案が可能である必要もある。「私が先を見渡せたのであれば、それは私が巨人の肩の上に立っていたからだ」という歴史上最も影響力を持った科学者の一人であるアイザック・ニュートンの言葉は有名だ。仲間や先行者のアイデアと出版物を頼り、見直し、再利用し、改変し、その上に新しい発見を積み重ねていかない限り新しい知識は生まれないという意味だ。研究者は究極のリミキサーなのだ。そしてオープンアクセスはこのリミックスを可能とする究極の方法なのだ。

NDライセンスのついた出版物はオープンアクセスではない

ブダペスト・オープンアクセス・イニシアチブとその2012年の勧告で定義されているように、NDライセンスの下で出版される内容はオープンアクセスとは見なされない。NDライセンスは他の研究者によるコンテンツの再利用を過度に制限し、知識の発展に貢献する機会を奪っている。これがNDライセンスを学術出版物に付与することが推奨されない主な理由だ。公文書など、大幅に改変されてはならない一部の種類のコンテンツにはNDライセンスが使用されるが、このライセンスを、学術出版物の翻案を禁止するために使用することは、学術研究の精神に反する。それどころかNDは研究者にとって害にすらなる。

例えば、NDライセンスは翻訳することを禁止する。学術において英語が支配的であることから、NDライセンスは英語を話さない人々による情報へのアクセスにとっての障壁となり、英語圏を超えた研究の普及を制限する。学術記事に含まれるグラフ、画像、図は、アイデアをより広範囲に広めるために不可欠であるが、NDライセンスは(別途翻案を許可するライセンスが付与されていない限り)、これらの翻案も禁止する。

利用者は、異なる管轄での著作権法における「翻案」定義の違いや、例外・制限規定の適用の違いのために気力を無くすかもしれない。テキストマイニングとデータマイニング(TDM)を利用した新たな知識の生成はその良い例だ。TDMのプロセスの最中に翻案が行われていると主張できるような場合でも、生成されたアウトプットがインプットのいずれかの翻案に該当することはないとほぼ断言が不可能な場合でも、研究者がTDMを行うことを著作権法における例外として認めることを明確にしている法律も存在する。NDライセンスの利用は、このような完全に合法な行為への誤った解釈を生み、これらの行為全体を妨げる可能性がある。そしてこれは科学の発展の障害となる(*2)。

一部のリミックス行為はNDライセンスでも可能

NDライセンスは学術出版物の再利用と翻案を完全に阻止するわけではない。1つ目に、引用、レビュー、批評や、フェアディーリングフェアユースなどの一般原則といった例外・制限規定を通じて著作権法が利用者に対して認めている権利はライセンスによって制約を受けない。さらに、一般的に、アイデアや例を示すためにオリジナルから一部分を抜粋して別のより大きな作品の中に配することは派生作品に該当しないことを私達のFAQでは明確にしている。これは単なる複製行為であり、NDライセンス違反となるような、既存の創作物をもとに改良を加える行為ではない。すべてのCCライセンスは(最も制限が強いものでも)非営利目的での複製を許諾している。

これらに加え、NDライセンスのついた出版物を翻案したい場合、作者に対して個別にライセンスを申請することもできる。しかしこれは再利用する際の不要な取引費用を発生させ、再利用を考えている人は、許可を得るための煩わしい手続きを踏むよりは他のソースを当たるかもしれない。

他の研究者がNDライセンスのついた創作物を法律の範囲内で再利用する方法がいくつかあるものの、学術的な文脈においては不十分である。

すべてのCCライセンスは作者の表示を必要とする

全てのCCライセンスには、作者の評判と表示に関するリスクに対する複数の保護策が含まれており、ライセンスの規約に違反した再利用者への措置についてしっかりとした法的対応が取られてきた。これらの防衛手段は学術規範に付け足されるものであり、学術規範の代わりとなるものではない。これらはオリジナルの作者の評判の保護と、創作物の改変が誤って本人に紐付けられることへの懸念を軽減させ、オリジナルの作者にさらなる保護を提供するためにある。これらの防衛手段には、例えば以下のようなものがある。

  • 作者等へのクレジットの表示は6つあるCCライセンス全てで必須である。作者が自身の名前の非表示を求めない限り、再利用の目的、媒体、文脈に沿って合理的な範囲で作者の表示(学術ではcitation(引用)と多くの場合呼ばれている)を行う必要がある。(作者が、再利用された創作物から距離をおきたいと考え名前の非表示を求める場合、利用者は合理的な範囲でクレジット表示を削除する必要がある。)
  • 再利用者は、作者などへのクレジット表示にあたっては、作者が再利用者の見解の支持を表明していると示唆するいかなる形もとってはならない。
  • 再利用者は、もととなる作品に加えられた変更を示し、もとの作品へのリンクを提供しなければならない。変更された資料を利用しようとする人は、これにより何が変更されたかを確認できるようになる。そして、その利用者がどの部分が元の作者によるもので、どの部分がもとの作品の作者ではなくそれを改変した利用者によるものなのかの判断が可能となる。詳細については CC BY 4.0 ライセンス規約の 3.a で見ることができる。

著作権は研究公正を守る最善の枠組みはではない

概して、著作権法とCCライセンスは研究上の公正に関する課題を解決するための最も適した枠組みではない。関係のある、確立された、永続的な、制度的・社会的規範・倫理的方針・道徳的規範の順守と執行により、より良い結果を得ることは確実に可能だ。結局、NDライセンスで出版物を共有する場合、研究者は自身に対しても学術界にも恩恵を施しているとは言えない。これらの情報を広め、そしてより大きな社会的影響力を持たせるために、私達は学術出版物をもっともオープンな条件で共有すること、つまり記事にはCC BYライセンスを付与し、データにはCC0を付与することをおすすめする。

私達は、研究者の方でCCライセンスの解釈やオープンアクセスについて支援が必要な方々を喜んでお手伝いいたします。ご連絡はinfo@creativecommons.orgまでどうぞ。(日本ではCCJPも同様のお手伝いを致します。お問い合わせについてはhttps://creativecommons.jp/contact/を御覧ください。)
脚注
  1. 学術出版物は広く、学術的、学問的、科学的、そして研究に関する本、ジャーナル、記事、論文を含む。学術出版物は多くの場合公的援助を受けている。
  2. 全ての 4.0 NDライセンスは、テキストマイニングとデータマイニングを許可しているが、その過程で翻案物が作成さる場合も、成果物として生成される場合も、翻案物をさらに共有することはできず、内部あるいは私的な目的での利用に限られる。

このブログ投稿は Brigitte Vézina による“Why Sharing Academic Publications Under “No Derivatives” Licenses is Misguided″を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

Open COVID プレッジ:COVID-19終息に向けた知的財産の共有

Diane Peters
Diane Peters

2020年4月7日

クリエイティブ・コモンズは、大学、企業、その他の知的財産保有者が、医療、検査キット、ワクチン、その他のCOVID-19に関連する科学的な発見をパンデミック発生の間支援するシンプルな方法を提供するために、法律専門家や優れた科学者と共に協力することを表明した。Open COVID プレッジはコロナ危機終息に貢献する知的財産権を一時的に無料でアクセス可能とすることで、命を救い、苦しみの軽減につながる知識と発明の普及を阻害する、不必要な障壁を取り除く。

この誓約は科学者、弁護士、起業家が合同で作成したものであり、この誓約がなければアクセスできない技術や情報を誰もが使えるための幅広い許可を与える。これは多くの場合、高額なライセンスや使用許諾契約に取って代わるものとなる。

Intel Unified Patents および Fabricatorz Foundation と共に初期から公約した企業としてこの取組に参加した。

ここ数週間私はこれらの専門家とともに、この病気の蔓延を止める診断ツール、療法、予防策、—場合によって治療法やワクチン—の開発を促進させるツールを作ることを目標に協力している。緊急事態のため、早急に進んだものであるが、クリエイティブ・コモンズはこの誓約をインパクトのある形で実現するための次のステップについてCCグローバルネットワークに在籍する多くの国際的な法律や政策の専門家と協力していきたいと考えている。

「知的財産権は最終的に人類の利益となる創造性と発明を促進するためにある。オンライン教育リソースから、防護具のデザイン、医薬品特許にいたるまで、今現在かき集められるすべての知的財産を人類が必要としているということに、多くの知的財産所有者が気づいたことは適切であるし感激する。」Molly Shaffer Van Houweling; Chair, CC Board of Directors(クリエイティブ・コモンズ理事長)

世界中の組織がこの誓約の支持を表明しており、その中にはCreative Commons、Mozilla、Unified Patents、Idea Laboratory for Intellectual Property in Bogota, Colombia、Universities Allied for Essential Medicines、The Neuro (Montreal Neurological Institute-Hospital)、Program on Information Justice and Intellectual Property at American University Washington College of Law、その他複数の組織が含まれる。

クリエイティブ・コモンズはOpen COVID プレッジや、パンデミック禍中とその後の展開を加速させるような取り組み、特に公的資金による研究のオープンアクセスポリシーを推進する取り組みなど、多くの取り組みを誇りを持って支持する。

あなたの会社、大学、研究チームにもこの誓約を支持することを促し、本取組を支持していただきたい。貢献する方法、プレスリリース全文など詳細を見たい方はopencovidpledge.orgにアクセスしていただきたい。

このブログ投稿は Diane Peters による“Open COVID Pledge: Removing Obstacles to Sharing IP in the Fight Against COVID-19″を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

今こそオープンアクセスポリシーが重要なときだ

CC-now-0

オープンアクセスに強く懐疑的な人たちさえも困惑させたニュースが出た。「トランプ対ベルリン」という見出しのもと、ドイツのWelt am Sonntag新聞は、トランプ大統領が「アメリカ合衆国のためだけに」COVID-19ワクチンを確保するべく、ドイツの製薬会社CureVacに対し10億ドルの支払いを提案したことを報道したのだ。

これに対し、ドイツの保健相のJens Spahnは、そのような取引は「ありえない」と述べ、ドイツの経済相のPeter Altmaierは「ドイツは売り物ではない」と話した。特に憤慨したのがオープンサイエンスを推進している人々だ。Trinity College DublinのLorraine Leeson教授は、「今はこのような行動を起こすようなときではない。これは有意義な対応をするために今やっている #OpenScience の活動に逆行する行為だ。今は排他的な行動ではなく連帯のときだ。」とツイートした。ホワイトハウスとCureVacは報道を否定している。

今私達は、共に効果的に協力し前例のない世界的な健康危機に対応しなければならない、歴史的な転換点にいる。「when we share, everyone wins(共有するとき、皆が利する)」という標語が今ほどあてはまるときはない。これを念頭に、我々は危機的状況下におけるオープンアクセスの重要性、とりわけオープンサイエンスの重要性を強調する必要があると感じた。

世界的な健康危機の状況下でなぜオープンアクセスが重要なのか

特に脅威が迫っている状況下で世界の健康状態を維持するためには、科学者のみならず、市民、政府関係者、医療関係者に対して、信頼できる最新の科学に基づいた情報を作成し広めることが重要だ。CC-now-1

Gates FoundationHewlett FoundationWellcome Trustといった科学研究の資金を提供する団体は長きにわたってオープンアクセスポリシーを維持しており、COVID-19の流行を抑えるために、関連する研究を迅速に、開かれたかたちで共有するさらなる努力を呼びかけているところもある。世界保健機関(WHO)の資料はCC BY-NC-SA(表示 – 非営利 – 継承)がつけられている。この保守的なアプローチは科学コミュニティが今まさに必要としている、重要な情報にアクセスし利用するための水準には達していない。

公的資金を受けているすべての組織は以下の2点を実施すべきである。1) オープンアクセスポリシーを導入し、公的資金を受けて行われた研究をオープンライセンス(例えばCC BY 4.0)のもとで公開する、あるいはパブリックドメインに置く。これは、研究論文や研究データが自由に再利用可能なことで、科学者同士のコラボレーションが促進され、新たな発見が加速されることを意味する。2) 信頼できる実用的な情報を市民に広めるために、動画、図解、その他のメディアツールなどの教育リソースにもオープンライセンスを確実に導入する。

現在急がれているCOVID-19のワクチン開発は、科学研究と教育資料への迅速で自由なアクセスが、あらゆる意味で、最も開かれたかたちで提供されることが極めて重要であることを示す良い例だ。大流行するまで科学者もこの病気を全く知らなかったという事実、今では世界的になっているという事実を含め、この病気の性質それ自体からして、一つの組織、機関、政府がこの危機に単体で取り組むことは不可能だ。実際に、中国の衛生当局者や研究者が2020年1月にウイルスの性質に関する重要な情報を共有していなければ、現在のCOVID-19のワクチンを開発する世界的な努力は実現していなかっただろう。

私達は、共に効果的に協力し、前例のない世界的な健康危機に対応しなければならない、歴史的な転換点にいる。標語である「when we share, everyone wins(共有するとき、皆が利する)」は今ほどあてはまるときはない。

COVID-19の感染者数は世界で20万人を超えており、科学コミュニティ全体と世界中の衛生当局者が協力し、治療法とワクチンを開発し共有することが緊急の課題となっている。3月13日には、12カ国の政府の科学アドバイザーが、出版社に対し、COVID−19に関する科学研究とそのデータをオープンアクセスにすることを求める公開書簡を発表した。そこには「現状の緊急性を考慮すると、科学者と市民が可能な限り早く研究結果にアクセスできることが特に重要である」と書かれている。これらに加え、WHOなどの政府間組織によって作成された教育資料も制限なしに開かれたかたちで利用可能とするべきだ。これは現在の世界的な危機において必要であるだけでなく、こうした機関の公的使命および義務にも合致している。CC-now-2

この公開書簡が発表される前に、すでに多くの科学者がbioRxivArXivGisaidといったプレプリントを掲載するプラットフォームを通じて、研究結果とデータをオープンアクセスで公開し始めていた。非営利団体であるFree Readは「unlock coronavirus research(コロナウイルス研究を開放する)」ための請願で、1週間で3万2千もの署名を集めた。これを受け、Elsevier、Oxford University Press、Springer Nature、The Lancetなどの出版社はCOVID-19関連の論文の購読料を撤廃しはじめた。New York Times、Bloomberg、The Atlantic、Clarin、Publico、Globo、Folhaといった世界中のメディアもCOVID-19関連の記事を無料で読めるようにしている。個々の科学者も、メディアと共同で、複雑な科学的コンセプトを解説する図をオープンライセンスのもと公開し始めている。たとえば感染症の専門家であるSiouxsie Wiles博士が、どうすれば「感染のピークを抑えられるか」を説明したこのGIF画像はクリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 4.0 国際(CC BY-SA 4.0)のもと公開された。

CC-now-3

オープンサイエンス支持者の多くがCOVID-19に関する科学研究をオープンアクセスにするこれらの取り組みを称賛しているが、これらは今までもずっとやるべきことであったとも主張している。カリフォルニア大学バークレー校の生物学者であり、オープンアクセスジャーナルのeLifeの編集者であるMichael Eisenは、WIREDにて「もちろんオープンアクセスとすることはCOVID-19だけでなく、すべての科学研究についてのデフォルトであるべきで、過去25年のあいだもそれがデフォルトであるべきだった。しかし、今そうなりつつあるのを見れて嬉しい。」と語った

Plan Sは自身のウェブサイトで、購読料を課すことは「科学コミュニティの大きな部分および社会全体から、多くの研究結果へのアクセス」を保留していると主張している。これは「共同体としての科学研究の基礎部分を妨害し、社会による科学への理解を妨げる」ことになる。例えば2014年に西アフリカで起きたエボラの流行について研究している研究者は、ウイルスとそのリスク要因に関する必要な知識が、出版社による購読料の設定により必要なところに伝わらなかったことを明らかにした。彼らは「知識へのアクセスそのものはエボラの流行を防ぐことはなかったかもしれないが、衛生当局者たちがより情報を持つことで、時宜にかなった予防策や、より準備の行き届いた状態で、流行時および流行後の対策を行えたかもしれない。」と記している。

今こそオープンアクセスポリシーを導入し、改善するときだ。

これらの理由から、クリエイティブ・コモンズ(CC)は英国研究・イノベーション機構(UKRI)などの組織や政府に対してオープンアクセスポリシーを導入することを呼びかけている。CCは現在UKRIが提示したオープンアクセスポリシーに対するパブリックコメントプロセスへのコメントを準備しており、アメリカ連邦官報の「政府資金による研究の、査読付き学術出版物、データ、コードへの公的なアクセス」の情報提供依頼書へも同様のコメントを共有する予定でいる。

CCライセンスはオープンライセンスの世界標準となった。様々な政府と組織におけるオープンアクセスポリシーの作成、導入、実施の取り組みの支援をしてきた今、私達は引き続き、研究者、産業、そして公衆の利益のためのオープンアクセスを強く支持し続ける。これは、国際組織または政府の資金提供によって作成されたすべての情報を、最大限に再利用できるようにすることを含む。加えてCCは、「Public Statement of Library Copyright Specialists: Fair Use & Emergency Remote Teaching & Research(図書館著作権専門家による公的ステートメント:フェアユースと緊急時の遠隔授業と研究)」のような、現在のような例外的な状況においてフェアユースがどのように適用されるかを明確にしようとする取り組みを支持する。上記の資料はアメリカ合衆国の、マサチューセッツ工科大学を含めた複数の大学の、著作権に詳しい専門家の図書館員のグループによって公開されたものである。

オープンアクセスポリシーの導入やCCライセンスの付与についてのお問い合わせはinfo@creativecommons.orgまでどうぞ。(日本ではCCJPも同様のお手伝いを致します。お問い合わせについてはhttps://creativecommons.jp/contact/を御覧ください。)

👋COVID-19の蔓延を食い止めるためにWHOがまとめているとおり、20秒以上の手洗いや、密集・密接を避けることなどを実践しましょう。

このブログ投稿はVictoria Heath と Brigitte Vézina による“Now Is the Time for Open Access Policies—Here’s Why (March 19, 2020)”を翻訳したものです。

(担当:豊倉)

CCJPオープンミーティング2019レポート

2019/12/14(土)に東京会場を六本木GLOCOM、福岡サテライト会場を天神Engineer Cafeとして、「CCJPオープンミーティング2019」を開催しました。

このイベントはCCをこれまで以上に多くの人に開かれた活動にしようという動きを背景に、CCJPのメンバーとCCJPに興味を持っていただける方々とで集まり、CCの活動を紹介すると共にCCライセンスやオープン化の動きなどについて考えてみようという趣旨のもとに開催したものです。

プログラムは
・クリエイティブ・コモンズから考えるアーカイブ・シェア・リーガルコミュニケーション
(渡辺智暁:CCJP コモンスフィア理事長)
・Globalの活動について/State of The CommonsとGlobal Summitの紹介を交えて
(前川充:CCJP事務局)
・最近の日本でのCC活用事例及びオープン化事例の紹介
(森靖弘、豊倉幹人:CCJP事務局)
・ アンケートを基に参加者を交えてのディスカッション
といったもので、約3時間半にわたり適宜質疑応答を交え、東京と福岡を繋ぎながら発表とディスカッションを行いました。

まず、渡辺より「クリエイティブ・コモンズから考えるアーカイブ・シェア・リーガルコミュニケーション」の発表がありました。
・アーカイブは利用されてはじめて価値がでる。
・利用されやすくするためにできる工夫がある。
・その工夫の一つとしてCCライセンスを利用することも挙げられる。
・CCライセンスには、ライセンスの種類を少なくしたり、ライセンスの概要を分かりやすく伝えるツールを整備したりと、ライセンスを利用しやすいような工夫がなされている。
・ただし、ライセンスの種類に関するトレードオフや、分かりやすくすることと厳密さのトレードオフなど残る課題はある。
といった内容でした。

発表のスライドはこちら↓
クリエイティブ・コモンズから考えるアーカイブ、シェア、リーガル・コミュニケーション

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次に前川より「Globalの活動について/State of The CommonsとGlobal Summitの紹介を交えて」の発表がありました。
・Global CCの組織/活動の紹介。
・CC Global Summit(2019/5にリスボンで開催)の紹介:教育研究者、ミュージアム職員、NPO職員など400名ほど参加者がおり、3日間にわたり様々な分野に関する多くのセッションが開催された。
・Global Summitでのセッションの中からOpen Music Network, Tribe of Noiseといったプロジェクトの紹介。
・State of The Commons 年次活動報告の紹介:2017年時点でも14億以上のCCライセンスを付けた作品が様々なプラットフォームで投稿されており、またCC searchがリニューアルされた。
といった内容でした。

発表のスライドはこちら↓
global CC 活動紹介

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そして、休憩を挟み、森と豊倉より「最近の日本でのCC活用事例及びオープン化事例の紹介」の発表がありました。

・日本でも広く利用されているプラットフォームでの採用例
・アーツ&カルチャーの分野でのCCライセンスの活用例(ジャパン・サーチ、森美術館、FIND/47、縄文オープンソースプロジェクトなど)
・日本におけるオープンアクセスの状況、主な出来事、開催されているイベント
・日本における研究におけるオープンデータの状況、行政におけるオープンデータの状況
といった内容でした。

発表のスライドはこちら↓
最近の日本での活用事例紹介

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最後に参加者を交えて、CCライセンスやCCJPに関する質問や改善点などについてディスカッションを行いました。

・まだまだ利用する際にどう利用したらよいか分かりにくい場合が多い。(複数の画像を組み合わせて2次利用する場合のクレジット表記、二次利用されたオープンデータをさらに二次利用する際の表記など)。
・CCJPのサイトで、コンテンツの権利を持っている人向けの説明は比較的充実しているように思うが、CCで公開されているコンテンツを利用したい人向けの解説をもっと充実させてほしい。
といった内容の意見が寄せられました。
CCJP内でも議論をしていきたいと思います。

また機会があればみなさまにお会いできるのを楽しみにしております!