永井幸輔からはNFTにおいてシェアが占める重要性を示唆する多様な利用例の紹介と、その理由の分析、CCライセンスやCC0などの使い方についての議論などがありました。Blitmap、CryptoCrystals、mfers、Nouns DAO(いずれもCC0を使っているNFT)、Hashmasks、Bored Ape Yacht Club(利用規約で商用利用を許諾するNFT)などを紹介し、特徴について触れたのち、以下のような点を含む議論を行いました。
本イベントは、Rufus Pollock氏による著書「The Open Revolution 」の日本語への翻訳を記念して行われた。
冒頭にオープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン事務局長の東修作氏より開催あいさつが行われ、続いて The Open Revolution の著者である Rufus Pollock 氏のビデオメッセージの上映、そしてクリエイティブ・コモンズ・ジャパン事務局メンバーであり翻訳主担当豊倉幹人氏より本のサマリー紹介が行われた。
コンテンツとしては、マサチューセッツ工科大学(MIT)、イェール大学、デルフト工科大学、カリフォルニア大学アーバイン校、英国オープンユニバーシティが提供している、実際の講義や教育用動画があります。「修了証書・オープンバッジ発行」のオプションがあるコースについては、修了条件を満たした方にAsuka Academy から修了証書および「オープンバッジ[^3]」を発行しています。
オープンバッジはIMSグローバルが提唱する、個人の学習歴や取り組みをデジタルのバッジで証明し、生涯持ち歩くための世界標準のしくみです。世界ではすでに年間数千万個も発行されており、日本では一般財団法人オープンバッジ・ネットワークが普及を強力に行っています。なお、Asuka Academy の岸田徹理事長は、オープンバッジ・ネットワークの理事長でもあります。オンラインの学びではモチベーションの継続が課題ですが、バッジの取得は、学びの意欲を維持するのに役立っているようです。
また、CCライセンスでの提供ではありませんが、AFP World Academic Archive(AFPWAA)やGoogleといった、大学以外のコンテンツも提供しています。AFPWAAはニュース映像やフォトストックのアーカイブで、Asuka Academyは AFP通信と提携し、日本語字幕を加え無償で提供しています。
海外との比較でいうと、英語が公用語である国では英語の教材をそのまま理解できますし、国によっては政府や大学が予算をつけて翻訳を行っている場合があります。日本ではそもそもこういった教材の認知度は低く、また日本語ではないため、利用されにくいという現状があります。Asuka Academy の日本語・英語字幕付きのコンテンツは、気軽に海外トップ大学の優れた講義やコンテンツに触れられるところが喜ばれているようです。また、翻訳ボランティアに興味を持つ方も、おかげさまでたいへん増えています。
「[Yale] 哲学と人間 Part 1 」の動画教材。動画と同期した日本語・英語字幕を表示することができる。
中村:国内・国外とも、優れたオープン教育コンテンツの発信はますます増えており、学生・社会人・生涯教育それぞれの分野で、幅広い学びを楽しめ、キャリアにも活かしていける選択肢はたくさんあります。在宅など多様な働き方や、大学のオンライン講義の浸透、リタイア後の学びへの注目などを背景に、オープンな学びコンテンツの利活用は、急激に、多様に、進んでいくことと思っています。Asuka Academy の取り組みやコンテンツをきっかけに、優れたOERの 活用 がより多くの人、多くの教育現場で進んでいくことを期待しています。