去る12月10日(水)に、神戸で行われたBMB2008(第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会の合同大会)で、サイエンス・コモンズの動きが日本でも必要ではないか、という文脈でライフ・サイエンス分野の研究者にCCをご紹介するべく、飛び入り参加をしてきました!
参加したのは、ライフサイエンス統合データベースプロジェクトがオーガナイザーのシンポジウムです。ライフサイエンス分野では、毎年、沢山の国家予算プロジェクトが動いていますが、その成果として出てきたデータは、各研究者の先生方が個別管理しているのが現状です。しかし、せっかく収集したデータからより多くの成果を出すためには、これらのデータを相互に統合し、そこに、辞書情報や論文情報など、沢山の情報を紐付けることができれば理想的です。ライフサイエンス統合データベースプロジェクトは、そういうライフサイエンス分野の研究基盤の整備のために、とっても重要な統合データベース作りを進めているプロジェクトです。
このプロジェクトを進めていくと、データベースの著作権ってどうなっているの?論文をデータと相互に紐付けるには、何をしなければいけないの?などの問題が生じてきます。そこで、論文やデータを研究者の中で共有するために、CCの仕組みやCCと似たような仕組みを使えるように推進しているのが、米国CCのなかの一プロジェクトである、サイエンス・コモンズです。
日本でも、この統合データベースプロジェクトの動きは、とても大きな注目を集めているようです。参加させていただいたシンポジウムは、始まって10分もたたないうちに立ち見が出るほどの大盛況でした。サイエンスの分野でも、独占と共有のバランスが大事なんですね。
文責:野口