ロサンゼルスのネットラジオ局「dublab」とCreative Commonsのコラボレーションによって立ち上げられたアートプロジェクト「INTO INFINITY」(http://intoinfinity.org/)。2008年にロサンゼルスで始まったこのプロジェクトが日本でも展開されることになりました。
Dublab(http://dublab.com/)とは,ロサンゼルスのクリエイティブシーンを牽引するアート・コミュニティであり,カルロス・ニーニョやノーバディ,デイダラスといった著名アーティストがDJとして参加するネットラジオ局を中心に,様々なアートプロジェクトを展開しており,そのユニークな活動は,西海岸をはじめとして世界中のクリエイティブシーンから注目されています。
「INTO INFINITY」もそのようなdublabのアートプロジェクトの一環であり,アーティストから提供された8秒のループ音とレコード盤サイズのビジュアルをWeb上でランダムに組み合わせ,ミックスによる無限の創造性を体験することができるプロジェクトです。
この無限の創造性を支えているのが,Creative Commonsが提供するCCライセンスです。「INTO INFINITY」はdublabとCreative Commonsの共同プロジェクトであり,全てのループ音とビジュアルはCCライセンスの下で公開され,Web上でミックスできる他,Webサイトからダウンロードして自分の作品とミックスできる点が大きな特徴です。
「INTO INFINITY」には,dublabのネットワークを通じて既に世界中から様々なアーティストが参加していますが,さらにこのプロジェクトの趣旨に賛同した日本のアーティストも続々と参加し始めています。
「INTO INFINITY」の日本での展開はインターネットの中だけに止まりません。12月初旬には,ロサンゼルスからdublabメンバーやゲストアーティストが来日し,アート・エキシビジョン,ライブイベントが開催されます。さらにDublabのメンバーを講師に迎えたワークショップやトークイベントも開催され,単なるアート・イベントの枠を超え,著作権システムやノンプロフィット・コミュニティの可能性など,創造性を支えるインフラの在り方について踏み込んで考察できる場になります。
そして,このような一連のイベントは札幌市の共催により,東京と札幌の2都市で開催されます。札幌市はクリエイティブ・コモンズの世界会議「アイコモンズ・サミット」の2008年度開催地であり,クリエイティブ・コモンズにとって聖地ともいうべき場所です。札幌を含め北海道には,有名無名を問わず刺激的なアーティストが多数存在しています。札幌での展開にも要注目です!
また、プロジェクトに集まったループ音源とビジュアルを直感的にミックスして楽しめるiPhoneアプリの公開も予定しています。(こちらの詳細は近日公開予定です)
最後に,日本における「INTO INFINITY」の展開はレーベル・マネージャー(http://www.corde.co.jp/),ライター,DJの原雅明氏の全面協力のもと進行しています。サウンド&レコーディング誌に原雅明氏による「INTO INFINITY」についての特集コーナーが設けられ,10月号(9月15日発売)から連載が開始されていますので,是非,お読み下さい!
(齋藤貴弘)