2008年、音楽シーンを沸かせたアーティストの1つとして、Nine Inch Nailsは記憶に新しいところです。彼らは、2008年3月にリリースした『Ghost I-IV』、そして5月5日にリリースした『The Slip』の2枚を、CC BY-NC-SAライセンスで提供しました。また、『Ghost I-IV』は4枚組のうちの初めの1枚”Ghost I”、”The Slip”は全曲が無料ダウンロード可能です。
特に”Ghost I-IV”は、300ドルのウルトラデラックスパッケージ、75ドルのデラックスパッケージ、10ドルの2枚組CD、5ドルのダウンロード、そして4部作中第1部のフリーダウンロードとパッケージングとダウンロードを組み合わせた多彩なアルバム展開を行いました。そしてこのアルバムがCCライセンスを採用しているにもかかわらず、Amazon MP3ストアで2008年最も購入されたMP3アルバムに輝き、多くのチャートで1位を獲得するなど、収益面でも予想を上回る結果となったことも話題となりました。
レコード産業界はどのように音楽を販売していくのか、一方でレコード購入者がアーティストへどのようにサポートを行うことが可能なのか、まだまだ出口の見えない状況ではありますが、その方向性の1つとして、Nine Inch Nailsの今回の取り組みは評価できるのではないでしょうか。