音楽とイカが出会うとき-クリエイティブ・コモンズ in セカンドライフ:変な感じもしたけれど、すばらしかったコンサート

9月14日に行われたJonathan Coulton(またの名はYonathan Coulcliff)のライブ・パフォーマンスを一目見ようと、100人以上のアバターがセカンドライフ(訳注1)内のコンサート会場に押しかけた。ポピュラー・サイエンスクリエイティブ・コモンズの尽力によって、ヴァーチャル世界の中で、このコンサートは実現した。Coulton以外にも、セカンドライフ・ミュージシャンとして有名な、Melvin Took、Cylindrian Rutabaga、Kourosh Eusebio、Etherian Kamaboko、Jaycatt Nico、Frogg Marloweらをフィーチャーしたものだ。満席となったバーチャル会場に入れなかった人も、Mad Muse Radio社が提供する音楽のストリーミングファイルを聴くことができた。


Slim Warriorはとても親切だった。自分のシム(訳注2)中でコンサートを開いてくれたし、8時間の時差を乗りこえてイギリスからパフォーマンスしてくれた。アコギ(とピアノ)の伴奏つきのきれいなボーカル隊、フォーク・ロック、アンビエントなピアノなどなど、さまざまな才能を持った人が集まった。Jonathanは、ウィットの効いた歌詞でお客さんを盛り上げた。セレブがはしゃぐ様子、イケア社の家具、オフィスで感じる退屈、子供をもつことなどについて熱唱したんだ。はんぶん子馬ではんぶんお猿のモンスターと漂う巨大なイカの出現に加えて、ゾンビがステージに襲いかかったことで、音楽はよりユーモラスなものになった。
Scott Schram(またの名をZenigma Suntzuという)とAdri Haik(あるいはSaarinen)というすばらしい主催者チームがいてくれたのは幸運だった。彼らは、セカンドライフの他の住民から技術上・構想上のノウハウを集めてくれた。Trinity Cole、kaia Ennui、そしてJoseph Montagneらの助けによって、来場者は以下のものを手に帰路につくことになった。ポピュラー・サイエンスとクリエイティブ・コモンズの描かれたTシャツにジャケットレッシグ教授による『フリー・カルチャー』の電子コピー、そしてCory Doctorowの最新SF小説『Someone Comes to Town, Someone Leaves Town』だ。
リンデナー(セカンドライフのスタッフ)と住民の何人かは、セカンドライフの内部にあってより容易に利用可能になったクリエイティブ・コモンズ・ライセンスに関心を示している。セカンドライフの中では、クリエーターたちは自らのデジタル知的所有権を管理することができる。“CCライセンス・マシーン”を見つけて、自分の作品に好みのライセンスをあてがうなんてことも、今では可能だ。こういったライセンス発行機を利用できるのは、かなり限られた場所となる。近い将来には、作業中のウィンドウの中にCCライセンス・オプションが表示されたらいいと思う。今のところは、あるアイテムをコピーし、修正し、転売し、あるいは捨てる権利が与えられているだけだ。アバターの服、髪、ホームメイド製品や建築物にいたるあらゆるものがアイテムとなりうる。セカンドライフにおけるクリエーターは、自らの作品を非営利使用に限定するための方法をずっと求めてきた。というわけでリンデナーはいま、建築物のメニューに記載されるものでも、CCのライセンス条項に実効性を持たせるための方策を練っているんだ。
その一方で、上述したコンサートの録音やマシーニマ(訳注3)クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.5ライセンスでリリースされていることを知ったら、フリーカルチャーの提唱者たちは喜ぶことだろう。このイベントの写真は、ここここでたくさん見ることができる。来月開かれる“クリエイティブ・コモンズ in セカンドライフ”では、このイベントにて、クリエイティブ・コモンズでライセンスされた“最高の写真”、“最高のマシーニマ”に輝いた作品を創った人を取り上げる。このコンテストについて詳しくは、クリエイティブ・コモンズのwikiを参照のこと。

訳注1:一種のオンラインゲーム。3Dで構成されるヴァーチャルな世界の中で、プレイヤーは1人の住民となる。公式ページにて詳しい説明を読むことができる。
訳注2:Simulatorの略。地域(領域)とも呼ばれる。セカンドライフにおける土地のことを指す。
訳注3:マシーン(Machine)とシネマ(Cinema)、あるいはマシーンとアニメ(Anime))をかけあわせた言葉。PCゲームの機能を駆使して、短編映画をつくる試み。

翻訳:eboshilog
オリジナルポスト:Music meets floating squid – CC/SL concert both weird and wonderful(2006/9/20)