クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、作品の自由な共有を実現することを目的としています。しかしその趣旨や許諾の内容が十分に理解されず、トラブルに発展してしまうケースもあります。
特に近年問題視されているのが、ライセンスに違反する形で作品を利用した事例において、権利者が次々と訴訟を起こす可能性を示して和解金を集めたり、実際に訴訟を起こして罰金を集める、ビジネスモデルとしてのライセンスの執行です。コピーレフト・トロール(Copyleft Trolling) とも称されるこの行為は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの本来の目的から逸脱しています。もし人々がCCライセンスされた作品を利用することにリスクがあると判断し、作品を利用しない選択をしてしまうと、作品を利用してもらうためにCCライセンスで作品を提供した制作者にも負の影響を及ぼします。
訴訟とまでは行かなくても、作品の提供者と利用者間での理解の不一致によるトラブルは起こりえます。ライセンスの目的はシンプルであっても、その背景にあるのは著作権法という法律ですので規約の中身はどうしても複雑になってしまいます。規約の中身が十分に理解されないままライセンスが使われ、結果的にトラブルに発展してしまうことがあります。
このような状況を受けクリエイティブ・コモンズでは現在、CCライセンスおよびCCライセンスされた作品を、クリエイターと作品の利用者の双方が安心して使うためのベストプラクティスに関する資料や、自身の作品が意図しない利用をされた際にどのように対応すべきかに関する資料を作成しています。
現在公開されている3つの資料について日本語訳版を公開いたしましたのでぜひご覧ください。
(担当:豊倉)