作成者: maki

バッセル・ハルタビル記念基金を設立

悲しいお知らせですが、私たちの友人でありCCシリアのプロジェクトリーダー、そしてオープンソースの開発者であるバッセル・ハルタビルが、先ごろ、シリア政府によって処刑されました。ご冥福をお祈りするとともに、バッセル・ハルタビル記念基金を設立したことをお知らせします。
同基金は、遺族の要望のもと、フリーカルチャーの熱心な推進者であったバッセルのスピリットを受け継ぐべく設立されました。CCも基金に賛同し、1万ドルを寄付しました。また皆さんからの寄付を広く歓迎します。
同基金への寄付は、アラブ世界におけるコミュニティ構築やリーダー養成プロジェクトなどに使われます。また、新しいクリエイションと歴史的文物のデジタル保存や共有、リミックスのサポートのためにも使われます。いずれもCCの、そしてバッセルが関わった他のコミュニティのミッションと深く関わるものです。
基金の詳細はBassel Khartabil Memorial Fundをご参照ください。
(担当:松丸)

2018年CCサミットはトロントで開催

来年4月13日から15日まで、昨年に引き続きカナダのトロントで2018年CCサミットを開催します。ボストン、リオデジャネイロ、ソウルなどでのCCサミット経験を踏まえ、より充実した内容でお送りします。500人以上の参加が見込まれ、Global Network Councilの初会合も開かれる予定です。追って準備委員会が始動しますが、2018CCサミット開催のためのアイディアがあればどうぞお寄せください。

(2017年7月21日付記事https://creativecommons.org/2017/07/21/summit-2018-announcement/より)

(担当:松丸)

3Dプリントでできた物にはどのようなライセンス表示をすべきか?

 

原文(〈著者:ジェーン・パーク〉2016年4月19日)
https://creativecommons.org/2016/04/19/attribute-3d-printed-objects/

 

CCライセンスがついた3Dデザインを用いて印刷し、3Dの立体物を制作する場合、そのデザインの作者をどのように表示すべきでしょうか。

3Dプリントされた物に関する作者の表示、もしくは「デザイン・ソースの確認」にまつわる課題は、CCネットワークの重要な一部である、3Dプリンティングに関わるコミュニティにおいて、広く検討されています。複雑な問題ですが、3Dデザインのクリエイターとユーザー双方がこの問題を検討する必要性を感じています。クリエイターは自分のデザインがクレジットされることを望みます。認知されることは気分のよいものですし、クリエイターとして、自分の作品が使われているのか、そしてどのように使用されているのかは知りたいものだからです。ユーザー(ユーザー自身クリエイターであることもよくあります)は、対象物のデザイン・ソースを知りたいと考えます。そうすれば、そのデザイン・ソースを使って新たに印刷したり、デザインを変更したり、他のデザインとリミックスさせたり、あるいはそのデザインに大きくて、クリエイティブな改良を加えることができるからです。

昨年10月のCCグローバルサミットで、Shapeways(シェイプウェイズ)のマイケル・ワインバーグは、この3Dプリンティングの表示に関する課題について初めてプレゼンテーションを行いました。その問題の概要をこちらの投稿でまとめています。

CCとしては、これは単にCCライセンスの表示の条件を遵守すればよいという問題ではありません。そもそもCCライセンスが付与された3Dデザインを3Dプリンティングした立体物に対し、表示を法的に求められるかどうかは議論の対象となるところです。

表示の必要の是非という法的な問題とは別に、CCがこの問題に興味を寄せるのは、それが私たちの新たな3つの戦略的成果のうちの2つ、すなわち、「発見」と「協働」に関わっているからです。3Dプリンティングされた立体物の表示方法を標準化し、その背景にある情報インフラ(例:レジストリやデータベース)を提供することは、立体物に付与されているCCライセンスのデザインに関するさらなる発見につながります。また、CCライセンス下のデザインを異なる文脈で独自に、もしくは元のクリエイターとのやりとりして翻案物を作っていきたいというユーザーたちにとって、つながりやコラボレーションを増やすことにもなります。

デザインに付与されているライセンスを示すことは簡単です。ThingiverseやSketchfabといったプラットフォームのおかげで、3Dデザインをアップロードし、CCライセンスをつけて掲載することが容易になりました。デザインファイルをダウンロードする先のウェブページに、機械で読み込めるライセンスのメタデータが埋め込まれるようになっています。ただ、そのファイルを3Dプリンティングすると、(物になった時点で)ライセンス情報は消えてしまい、その創作物のソース(作家やソースに辿り着く方法など)も同様に失われてしまいます。3Dプリントされた物にはライセンス情報がつかないのです。例えばThingiverseの「print thing tags」のように、プラットフォームによってはこの問題の回避策が提供されてはいますが、この回避策が有効なのは、置物や立像のような物に対してだけであり、イヤリングのような物には有効ではありません。ではどうやって、著作権を有する3Dプリントされた物のソースを確認し、クレジット付けをしたり、自ら作ったバージョンをあしたり、元のデザインを繰り返し使ったりすることができるのでしょうか?表示することが法的に義務付けられている場合、どうやってCCライセンスの表示に関する必要要件を満たすことができるのでしょうか?

 3Dプリントされた立体物のソースについて、その標準的な表示あるいは確認方法を考えてみましょう。

3Dプリンティングに関する現在のムーブメントや寄せられている関心を考えると、この標準ルールは今すぐにでも導入されることになるでしょう。ただし、どんなルールが作られるのであれ、見つけることができ(機械で読み込める)、使えるもの(ユーザーフレンドリー)であり、広く適用される(3Dコミュニティの承認済みの)ものでなければいけません。また表示一つ一つの背景にある情報が失われることなく、レジストリやデータベース上できちんとインデックス化されるようにしたいと考えています。そうすることで例えばユーザーは、3Dプリントされた立体物をスキャンしたときに、そのソースやライセンス情報だけでなく、その印刷物の派生物や関連する商業製品をも確認したりすることができることが期待されます。

この3Dプリンティングに関する標準ルールは、(デジタルの3Dデータのみならず)デジタル情報にリンクする物理的な立体物の領域でも、適用できることが望ましいですが、ひとまず3Dプリンティングのコミュニティのニーズに焦点を当てたいと考えています。

まずどこから始める?

まず、考えねばならない基本的な問題と法律上の課題を下に挙げましたので、これらに関する検討から始めましょう。

要約:どのような種類のコンテンツならば、著作権の保護対象となるのかを含め、3Dプリンティングの基本についてリサーチし文書化します。3DプリンティングのコミュニティでCCライセンスがどのように使われているのか(ユーザーは何に対し、どのようにCCライセンスを付与しているのか、現在はどのようにクレジットやソースに関する情報をつけているのか)、リサーチします。また、著作権がないゆえに表示が(法的な意味で)必要とされない場合であっても、社会的な規範の一つとして表示を推奨する政策の意味も探っていきます。

リサーチ事項の詳細

Dプリンティングの基本的な知識

  • アイディア作りから対象物のクリエイションまで、最も一般的な3Dプリンティングの過程をわかりやすく説明する。これには関連デジタルファイル(例:スキャン、CADファイル)の種類、3Dプリンターの技術的プロセスの簡単な説明などを含む。
  • この領域ではどのくらい頻繁にCCライセンスが付与されているのか?どの程度正しく表示されているのか?
  • 3Dプリンティングにおいてクレジットを表示したり、ソースを特定したりする際に一般的に用いられている技術は何か?(他の分野と同様の)一般的な表示ライセンス(ShareAlike)の表示方法が用いられているのか?   

3Dプリンティングにおける著作権の役割

  • 3Dプリンティングのプロセスでは、どのデジタルファイルと対象物に著作権が付与されることになるのか? それはなぜか。また付与されないものは何か?
    • これらデジタルファイルと対象物における、著作物性の限界は何か?またどのようにして適用され得たのか、もしくは適用されているのか?(例:適用できる条文があった、創作性が認められる表現かどうか(例: 実用品、マージ理論))?
    • 関連判例の要点を明記(米国、及び主要な海外判例)。
  • 3Dプリンティングのプロセスにおいては、どの時点でこれら対象物の著作権を問われる可能性があるか?
    • 複製や翻案においてはどのような例外や制限が与えられる可能性があるか(例:フェアユース、分離テスト)
    • 関連判例の要点を明記(米国、及び主要な海外判例)

3Dプリンティングにおける著作権についてのリサーチを踏まえて検討すべき政策上の意味

  • クレジットの表示が法的に求められないとしても、表示を行っていくことを原則とすることを推進することが、著作権の保護範囲の拡大(あるいは世間一般の人たちが著作権の範囲が拡大すると認識すること)につながるだろうか
  • 著作権が適用されない場合、この領域におけるCCの役割は何か、あるいは役割は何であるべきか。

マイケル・ワインバーグとPublic Knowledgeはこれらの疑問に対し、素晴らしい基本的な事項のリサーチをすでに行っています。他の既存のリサーチへのリンクも歓迎します。私たちがアクセスできないアカデミックなリサーチもあるかもしれませんので(皮肉なことですが)、どのようなアドバイスでも歓迎です。

 ご意見・アイディアをお待ちしています

法的なリサーチを詳細に行うと同時に、私たちは法律、デザイン、そしてテクノロジーに関する3Dの専門家たちの初会合の開催(CCライセンス下の3Dデザインのホスティングと配布ができるプラットフォームづくりを含む)に向けて尽力したいと思います。私たちは、会合を踏まえて最初に考えたことやプロトタイプの青写真をシェアし、コミュニティからのフィードバックを集約し、プロトタイプを発展させていくつかのプラットフォームでテストしたいと思います。目的は、技術的にパーフェクトな何かを開発することではなく、広く簡単に使える、コミュニティに支持されるものを開発することにあります。

上記のいずれに関することでもご意見をお待ちしています。法律上、あるいはポリシー上の疑問において、何か見落しとていることがあれば、あるいはプラットフォームですでに用いられているテクニカルなソリューションで私たちが検討すべきことがあれば、さらにはまだ私たちが接触していないものの協力してもらうべき人たちがいれば、ぜひお知らせください。最後に、重要なこととして、ユーザーとしてあなたが現在行っていることやあなたがお持ちのアイディアも歓迎します。ご連絡は直接こちらか、CCコミュニティのリストへどうぞ。プロジェクトは、ようやく始まったばかりです。

 

翻訳:松丸、東久保、水野

4/13にDOMMUNEにて特別番組、「CC0 CC4.0 RELEASE SPECIAL!CCの航海、コモンズの現在地!!」配信を行いました。

4/13(水)19時よりDOMMUNEにてクリエイティブ・コモンズ・ジャパン presents 「CC0 CC4.0 Release Special!CCの航海、コモンズの現在地!!」の配信を行いました。出演者、関係者の皆様、ご覧いただいた皆様ありがとうございました!

2時間のトークプログラムとなった今回の番組では、ドミニク・チェン、原雅明、高橋幸治、上妻世海の4名をトークゲストにお迎えし、CCライセンスを用いた過去の音楽イベントの歩みから最近のインターネット環境の変化、また現在の環境下でいかに創造性を誘発していくかについてなど、CCライセンスそのものには限定されない幅広いトークが繰り広げられました。今回の番組が現状を認識し、今後の自由な作品の流通を考えるきっかけに少しでもなっていれば幸いです。

番組中に投稿されたtwitterをこちらにまとめていますのでぜひ当日の雰囲気を感じてみてください。

#DOMMUNE クリエイティブ・コモンズ・ジャパン presents 「CC0 CC4.0 Release Special!CCの航海、コモンズの現在地!!」まとめ

番組中では、CCライセンスの「実践」として4/2に美学校の協力の下行われた、インターネット上のCCライセンスの付いた曲を利用して新たな作品を制作する試みの様子も紹介されました。ご協力いただいたビートメイカーはMadegg、食品まつり a.k.a foodman、Metome、canooooopyの4名です。実際に制作された作品はsoundcloudにて試聴&ダウンロードしていただけます。元ネタとなった曲も全て記載されていますので聴き比べてみるのも面白いと思います。また今回制作された作品も全てCCライセンスを付けて公表されてますので、それぞれのライセンス条件の下自由にご利用いただけます。

 

じっくりお楽しみください!

 

ジョナサン・バーンブルック、デヴィッド・ボウイの『★(ブラックスター)』のアートワークをCCライセンスの下で公開  

原文(著者:エリック・ストュワー(2016年2月26日)):https://blog.creativecommons.org/2016/02/26/jonathan-barnbrook-interview/

ジョナサン・バーンブルックは、映画、タイポグラフィ、グラフィックデザインなど様々なメディアで幅広く活動してきた世界的に著名なアーティストです。彼はまた、デヴィッド・ボウイとよくコラボレートしていて、ボウイの最後の4枚のアルバムカバーデザインを手がけました。残念なことにボウイは去る1月、最後のスタジオ録音アルバム、『★(ブラックスター)』発売の2日後に亡くなりました。同アルバムは非常に好調な売れ行きを見せていますが、このアルバムはボウイからファンへの「お別れのプレゼント」になりました。

友人であり、クリエイティブな仕事をする仲間であったボウイへのオマージュとして、バーンブルックは、この「プレゼント」に込められた思いを次の段階へ発展させることを決めました。『★』で使用したアートワークを、クリエイティブ・コモンズ(CC)のBY-NC-SA(表示‐非営利‐継承)の下で公開したのです。これにより世界中のボウイ・ファンはこのアートワークを非営利目的でシェアしたり、リミックスしたりすることが可能となりました。

先日CCは、なぜ『★』のアートワークをこのような形で公開するに至ったのか、バーンブルック氏に話を聞く機会を得ました。彼はCCライセンスの利用を決めるにあたり、大きな追悼と感謝の念が背景にあったことを語ってくれました。

 

『★』のアートワークをリユース、リミックスできるよう一般への公開に至った経緯を教えてください。

(デヴィッド・ボウイの死で)多くの人々が味わっている悲しみを分かち合うために、もっと公共の、というか「オフィシャル」な手立てが必要とされていると感じました。『★』のアートワークが、たくさんのタトゥーやその他のものに使われているのを見て、こうやって使ってくれている人たちが、このアートワークを違法に使っているとか、こっそり使っているなどと思うことなく、デヴィッドのことを偲ぶことができるものを提供したいと思ったのです。私も彼らと同じくらい悲しかったからこそ、みんなが感じていることを分かち合い、理解しあおうと積極的に考え、このアートワークを公開することにしたのです。

集団で公に悲しむことを軽んじる人がいますが、それはちょっとお粗末な考えだと思います。ある一人の人間が媒介となって、一つの時代のイデオロギーや哲学を伝える事もできるのですから。デヴィッドは、人が社会の中でこうありたいと思う姿を表現していました。ほとんどの人がそんな機会に恵まれない社会で。だからこそ、彼を失った悲しみはとてつもなく大きいのです。社会にうまく適応できない人や、自分が望む居場所にいられない人、そんな数多くの人たちに、彼は希望をもたらし、そんな人々のために表現活動をしてくれました。だからデヴィッドが亡くなって、みんなが大きな喪失感に見舞われたことは当然です。

私たちの生活で音楽はずいぶんとその重要性を過小評価されている、とも感じています。音楽は直接、紛争を解決したり人の命を救ったりするものではありませんが、人生を肯定してくれる大切な存在です。落ち込んだ時にそれを乗り越えるのを助けてくれたり、最高の喜びの瞬間を表現してくれたりします。一つの時代や哲学の象徴になったりもします。繰り返しになりますが、こういった諸々のことを、音楽という目に見えないもので表現してくれた人がもうこの世にいない、自分の生活の一部から消えてしまった、となった時、悲しみを覚えるのは当然のことなんです。

デヴィッドのアルバムカバーの仕事をするときはいつも、とても大きな責任と名誉を感じていました。だから今回の(CCライセンスを利用した)公開は正しいと思いました。

 

アートワークのリユース、リミックスを可能にするうえで、CCを選んだ具体的な理由はなんでしょうか。

CCは、よく考えられたシンプルなシステムです。みんなが知っていますし、誰もが理解できます。ライセンスの内容を詳しく知りたければ、じっくり読むこともできますし、簡単に理解したければウェブサイトを見るだけで済みます。アルバムの売り上げに何らマイナスの影響を及ぼすことなく、作品を好きなように利用できるという点もあります。

 

こういった公開は、ボウイの存命中にも考えたことだったのですか?

デヴィッドが亡くなる前に話したことがあり、彼も素晴らしい考えだと言っていました。そのときは、デヴィッドの死という悲しい状況がきっかけで実際に公開することになるとは全く想像していませんでしたが。アイディアを思いついたのは、アルバム『ザ・ネクスト・デイ』が出たときです。デヴィッドのファンが、アルバムカバーにある白い四角の形を抜き出して、自分たちの好きなように使ってくれたんです。そんなことが起きるとは想像していませんでしたが、すごくいい気分でした。『ザ・ネクスト・デイ』のデザインを使いたい、(そのデザインに対し)自分たちは(作品やアルバムのデザインに対して)こう思ったと表現したい、関わりたいと思ってくれたわけですから。『★』をリリースする際には、ベースとして、こういうことが起きるということを考えておかなければいけないと感じました。古い体質のレコード会社が、レコードを出すときには著作権だのなんだのを全て持って、ファンが何か反応したり、自分の解釈を加えたりできないようにしているのは間違いです。一方通行の体験ではなく、音楽を愛する人々への敬意や理解を示すものでなくてはならないのです。アートワークの公開では、音楽自体がレコード会社の資産ということには変わりなく、そこに影響は及びません。ただ、ファンはアルバムについてだとか、デヴィッドが彼らにとってどんな存在だったのかとか、それぞれの思いを表現することができます。デヴィッドが亡くなり、そうすることが一層重要だと感じました。お金儲けのためということではなく、あのアートワークを使わせてくれないだろうか、そう多くの人に聞かれましたから。

アートワークの公開以来、感謝の言葉を綴った温かいメッセージをたくさんもらっています。デヴィッドを偲ぶうえで、アートワークを利用できることがどんなに素晴らしいことなのか、という言葉ももらいました。そんなメッセージを読むたび、涙が浮かんできます。

 

何か面白い使用事例やリミックス作品はありましたか。

ジギースターダスト・ストライプ』(と呼ばれる)デザインと組み合わせている作品があって、本当に素晴らしいと思います。このストライプは素晴らしいグラフィック作品で、『★』(のアートワーク)にも同じような思いを持ってもらえることを光栄に思います。

一人のアーティストが人の人生にどのような影響を与えるのかは、非常に個人的で特別なものです。派生作品の制作を可能にするCCライセンスを選んだ理由の一つは、そこにありました。人々が自分の好きなように解釈し、それを自由にできると感じていることはとても重要です。私がこうしろああしろと示すべきではありません。私は、ある一つの素材を提供しただけにすぎません。

 

このアートワークを使ってどのような作品を作ってもらいたいと思いますか?

答えはいたって簡単。デヴィッド・ボウイへの愛と感謝を表現してもらいたいです。

CCのことは、どうやって知ったのですか?

ずっと前から気になっていました。アートワークに関し、既存の「商業的vs.非商業的」の型に当てはまらないやり方でクリエイティビティを共有する、素晴らしい先駆的なモデルの一つだったからです。金銭的な価値を大きく超えた次元で共有する場は必要です。人間らしさ、思いやりといったものはお金ではなく、人と人の間の有意義なやりとりの上に成り立っているのです。

 

(作品の)公開や共有が、あなたの作品や制作過程にはどんな影響がありましたか?

私にとって基本的な考えになっています。音楽作品以外にも、(私のスタジオは)たくさんの社会的活動に関する作品を手掛けてきました。どれもある主義や考えに根ざしたものです。そういった考えを広めることは、活動家たちの理念の実現には欠かせません。私たちは多くの作品を皆さんに自由に使ってもらえるようにしてきました。間もなく、私たちの新しいウェブサイトでも、再びCCライセンスを使おうと考えています。

翻訳:松丸、東久保、水野

CC BY-SA (表示-継承) 4.0からGPL v3への一方向の互換が実現–ゲーム、ハードウェア・デザインなど、コモンズにおける相互運用性が向上 

元記事:CC BY-SA 4.0 now one-way compatible with GPLv3

去る2015年1月、クリエイティブ・コモンズはCC BY-SA(表示-継承)4.0からGPL v3への一方向の互換性に関する公開協議を、ShareAlike(継承)の互換性の構築プロセスと条項に沿って、正式に開始しました。それから数ヶ月、細部にわたる分析や討議、フリーソフトウェア・ファウンデーション(FSF)など関係諸機関との審議を経て、CC BY-SA 4.0からGPL v3への一方向の互換性を、「互換性のあるライセンス(Compatible Licenses)」の一つに加える運びとなりました。

つまり、CC BY-SA 4.0で公開されている他の許諾者の作品を改変し、GPL v3のもと、その翻案物を公開することが可能になったのです(翻案物は両方のライセンスに依拠するものの、再利用者がリミックス作品などの三次的著作物を公開する際は、GPL v3の条件に従うだけで、BY-SA 4.0のShareAlikeや表示方法の条件を満たすことになります)。
これは、BY-SA 4.0の翻案物にはGPL v3を適用しなければならない、という意味ではありません。CC BYまたはCC0など、アップストリーム(上流側)やピアな関係性にある「仲間たち」との間で進んでいるコラボレーションを促進することが求められていない場面であっても、ほとんどの場合、翻案物をオリジナルと同じライセンスに基づいて公開する方が理にかなっています。しかし、CC BY-SA 4.0を元に改変したあなたの作品をGPL v3で公開した方がよい場合やその必要がある場合(例えば、CC BY-SA 4.0の作品とGPL v3の作品をリミックスしてひとつの作品を作った場合)、GPL v3に基づいて発表することが可能になったのです。互換性のないコピーレフト型ライセンスから発生する著作権は、拡大しつつあるコモンズの取り組みにおいて、もはや障壁ではありません。この新しい互換性が、障壁を取り除くのみならず、ソフトウェアと文化、デザイン、教育、科学の新しくクリエイティブな融合や、ソフトウェアにおける最良な実践の実現である“git”を通じたソースコントロールなどの活性化につながることを願います。

高まる相互運用性

2005年以来、CCはコモンズの法的相互運用性-大まかに言うと、通常、翻案という形で、それら作品を法的な障害なしに相互利用できること-を高めるべく活動してきました。

これは、他のライセンスと互換性がなく(つまり、今や無効となったライセンスを持つ作品は、コモンズ内にある、現在広く使われているライセンスに基づく作品とのリミックスができないということ)、あまり使用されていなかったCCライセンスの整理を意味しました。

これは、他のライセンス機関やユーザー・コミュニティと協力し、関連作品の最大公約数が使っているライセンスと互換性のあるライセンスに、作品を導くという取り組みでありました。フリー・ソフトウェア・ファウンデーション及びウィキメディアと協力した際には、ウィキメディアのデフォルト・ライセンスをGNU・フリー・ドキュメンテーション・ライセンスからCC BY-SA 3.0へと移行させました。また、政府機関と協力し、広く使われているライセンスの使用と指定を実現させること、あるいは少なくとも、政府既定のライセンスを、より広く使用されているライセンス(たいていの場合CC-BY)と互換性のあるものにするよう導くことでもありました。

この長期に渡る、相互運用性向上のための取り組みは、CC BY-SA と、同様の表示型、もしくはコピーレフト型ライセンスとの互換性を確立するためのしっかりと構築されたメカニズムの開発にほかなりません。コピーレフト型ライセンスは通常、オリジナル作品と同じライセンスの下でのみ翻案物の公開を許可しているため、そのようなメカニズムがなかったとしたら、異なるコピーレフト型ライセンスを持つ作品を組み合わせ、翻案物を作成することができなくなってしまうからです。

私たちはまず、CC BY-SA 3.0(2007)でこのメカニズムを発表しましたが、実際の運用には至っていません-当時、相互運用性における最も火急の障害は、ライセンスの移行を一時的に許可することで取り除かれていました(上述のウィキメディアの箇所を参照)。また、慎重な分析と検討なくしては互換性ありと認めることはできない、というのがCCの考え方です。

このメカニズムはCC BY-SA 4.0(2013)から向上し、一方向のみならず双方向の互換性の可能性をもたらしました。一年ほど前には、CC BY-SA 4.0とフリー・アート・ライセンス1.3は双方向の互換性を持つこととなりました。

バージョン4.0(2011)の検討が始まった頃もしくはそれ以前より、CCはフリー・ソフトウェア・ファウンデーションやその他の関係機関と、CC BY-SA 4.0 からGPL v3への、一方向の互換を実現すべく検討を重ねてきました。新しく、CC BY-SA 4.0のもと作成された翻案物をGPL v3で公開できるようにし、いずれのライセンス下にある作品を使っても翻案物の制作を可能にすることが狙いでした。

そういった取り組みの要請は、様々な使用事例から寄せられています。そこにはゲームもあれば、ソフトウェアかノン・ソフトウェアかの識別が簡単ではないスマート・アーチファクト(smart artifacts)、CC BY-SAやGPL系のライセンスが付与されていることの多いハードウェアのデザインも含まれます。また作家たちからも、改変が許可されるだけでなく、GPLが求めるように、「改変を加える上で好ましいとされる著作物の形式」を通じて新たな翻案物の製作が推進されるよう希望する声が上がっています。

文書や画像、データといったメディアだけを考えれば、これらはニッチな問題に見えるかもしれません。しかし「ソフトウェアが世界を飲み込んでいる」と言われるように、優れた教育資源、文化的工芸品、研究に必要な情報もその成果も、将来的にはソフトウェアそのものになったりソフトウェアによってデザインされたり、ソフトウェアによって処理されたりするものとなるでしょう。あるいはその三つすべてになるかもしれません。

コモンズにおいて「ソフトウェア」と「ノン・ソフトウェア(non-software)」をリミックスする法的障壁を引き下げることは、コモンズの活動をこれからも活力あるものにするうえで、我々にできることのひとつです。

コモンズの相互運用性の向上は、長期に渡って継続していくプロセスです。特定の領域の内外にあるライセンス機関との協力によって成される部分もあります。達成するのに長い年月を要しましたが、CC BY-SA 4.0 がGPL v3への一方向の互換を成したことは大きな快挙です。

データ、ハードウェアのデザイン、ソフトウェア、その他の素材に使われているライセンス間には、それぞれの領域内はもちろん、異なる領域間において、いまだ多くの非互換性が存在します。CCがこれから5年、10年の間にどんな相互運用性を可能にしていくのか、ご覧になりたいと思いませんか?

 

翻訳:松丸、東久保、水野

『不思議の国のアリス』 150周年おめでとう!

今年はルイス・キャロル著『不思議の国のアリス』初版刊行150周年にあたる年です。これを祝して、ブログサービス「Medium」と「Public Domain Review」は、マッド・ハッタ―ズ・ティー・パーティーならぬマッド・ハッタ―ズ・マッシュアップ・パーティーを開催。ここには、パブリックドメインになっているかCCライセンスが付与されている原文、イラスト、GIFアニメ、無声映画の翻案物といった『不思議の国のアリス』のリミックス作品が集結していきます。
これは、コモンズの活動に創造的に参画し、CCライセンスが付いた「Medium」の素材を活用するまたとない機会です。

さらに、12人のルイス・キャロル専門家たちによる特別な注釈が、一週間に一章ずつ原文に加えられていく予定です(注1)。
この「お茶会」は参加希望の方がいるかぎり続きます。お勧めの作品は、Medium のサイトでご紹介していきます。

(注1)2015年9月26日現在、すでにこの作業は終了しており、注釈はホームページでご覧いただけます。

 

※こちらは、CCHQの7月28日の投稿の翻訳をベースに作成しております。

Creative Commons Global Summit 2015開催のお知らせ

CCグローバル・サミットとは、2年に1度、専門家や研究者、クリエイターなど世界中のクリエイティブ・コモンズ(CC)関係者が一堂に会する国際会議です。入念な準備を経て、10月14日から4日間にわたり、 CCグローバル・サミット 2015をソウルで開催する運びとなりました。

今年のグローバル・サミットは、CCコミュニティのメンバーが集い、CCに関わる重要案件について活発な意見交換を行う場としたいと考えています。また、作品や成果物へのCCライセンス付与を通し、CCの理念であるフリーカルチャー、オープンデータの考えの普及に共に努めたいと考えている団体や個人の参加も広く歓迎いたします。

オープンコンテント、オープンデータの領域で既に活動されている方々、— たとえばフリーソフトウェアを推奨する団体や個人、ウィキペディアやオープンナレッジに携わる方、ギャラリー、図書館、博物館、美術館、資料館、政府機関、財団法人、法律家、活動家など — の参加をお待ちしています。グローバル・サミットに参加することで、より強力で活気に満ちたCCコミュニティを共に構築しませんか。

参加者、講演者、スポンサー、ボランティアなど、CCグローバル・サミット 2015に参加する方々は、事前にグローバル・サミットの行動規範(下記)をお読みいただき、すべてにおいて同意していただくことが必要です。主催者は、会期中、同規範を執行いたします。参加するすべての方々が安全・快適な環境で会議に臨めるよう、皆さまのご協力をお願いいたします.

CCグローバル・サミット 2015  概要
日時 2015年10月14日 正午ー17日 午後5時
場所: 韓国 ソウル
登録料:
早割:50ドル
早割(学生・低所得者):30ドル
助成制度対象者、イベントスタッフ:0ドル

・参加ご希望の方は、Creative Commons Global Summit 2015 — Registration にお進みください。

・研究者の方々には旅費・滞在費を助成する制度があります。ご希望の方は、Global Summit 2015 Scholarship のフォームからお申し込みください。

 

グローバル・サミット行動規範(簡略版)
CCグローバル・サミットは、性別、性自認、性別表現、性的指向、障害、外見、体形・体格、人種、年齢、宗教の如何に関わらず、すべての人が迷惑行為や嫌がらせを受けることなく会議に臨めるよう尽力するものです。参加者に対するいかなる形の迷惑行為、嫌がらせも容認いたしません。性的な言葉や画像は、会期中のいかなる場においても不適切とみなされます。これら規則に反した場合、その参加者は制裁措置を受けるか、もしくは会議への参加停止処分を受けることになります。その場合、会議主催者の裁量により、登録料は返金されません。
CCの倫理行動規範全文は、以下のページをご参照ください。https://summit.creativecommons.org/anti-harassment-policy/

 

(こちらの投稿は、CC本部のブログを元にしております:https://donate.creativecommons.org/civicrm/event/info?reset=1&id=11)

CCライセンス・バージョン4.0 日本語版の公開

このたび、クリエイティブ・コモンズでは、CCライセンス・バージョン4.0の日本語版を正式に公開いたしましたので、ここにお知らせいたします。

  CCライセンスバージョン4.0は、2011年ワルシャワで開催されたクリエイティブ・コモンズの国際会合において公式に検討が開始され、メーリングリストやウィキ、国際会議などを通じて意見、要望などを集約し、2013年11月に策定・公開されました。主な変更点には、以下のような点が含まれます。

  • クレジット表示など表記義務に関する規定を集約してわかりやすくする
  • 著作権以外の権利の扱い(データベース権など)を拡大してライセンスの対象になっている作品・資料などを利用しやすくする
  • 世界的に統一された文面を作成し、ライセンスの一貫性を向上させる

このツールの文書部分は、先に日本語版が公開されたCC0と同様に、世界共通の文面を使用することになっております。日本語版は英語版にできるだけ忠実に作成された翻訳になっております。また、英語版を正式版とする「参考訳」ではなく、英語版やその他の言語の翻訳版と並ぶ、正式版のひとつと位置づけられます。   — クリエイティブ・コモンズ・ジャパンでは日本語版ドラフトを作成の上、2015年1月から2月にかけてパブリックコメントを実施いたしました。当団体は、頂いた全てのコメントを拝見し検討した結果、以下のようにご対応させていただきましたので、ご報告させていただきます。なお、以下では主要な点に限ってコメントしております。全ての変更点については、こちらの変更点一覧をご参照ください。   【全体にわたるご意見等について】

  • “material”の訳語については、多くの方にご指摘をいただきました。当団体でも、翻訳の段階で、「作品等」「資料」「素材」「マテリアル」といった語を候補として検討しました。翻訳担当チームのメンバー内でも意見が分かれ、決定打に欠ける、難しい箇所でした。従来のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでは”work” という語を使っていましたが、今回、作品にかぎらずにライセンスの対象となりうるべきものをすべて含む意味で”material”が採用されました。以下のような点を考慮した結果、日本語で、ライセンスの対象となりうる作品・資料・素材等をすべて広く含む単語がみつからないことから、「マテリアル」と翻訳することとしました。
    • 完結性のあるひとつの作品全体がライセンスの対象となっているわけではなく、作品に関する権利の一部だけがライセンスの対象になっていることがあるため「作品等」などの訳語では誤解を生む可能性があること。
    • データのように「作品」という呼称になじまないものもバージョン4.0では取り扱うことになったこと。
    • 「資料」「素材」の訳語は、逆に作品としての意味合いが薄く、完成作品が含まれない、または作品をすべて(リミックス前提の)素材と捉えているようなニュアンスを与える可能性があること。
    • 「資料」の語は図書館情報学などの文脈では作品としてのまとまりや完成度を持った語になっているが、必ずしも広く共有されている用法とは言いがたいこと
    • 著作権の分野では、「マテリアル」というカタカナの語が作品や素材を含む広い意味で用いられることもある。英語では、著作物についてcopyrighted materialと称されることがよくあり、米国著作権でも”material”の語がよく使用されていることから、原文では著作権等の対象になりうる対象物を広く捉える語として使用していると考えられること。
    • 既存の日本語の中では、作品的な手を加えられ、完成度やまとまりがあるようなものと、他の用途に使われるべき材料・素材的なものとを合わせて意味するような語がないため、あまり偏ったイメージのついていない「マテリアル」を使用することが中立的でよいと思われること。
  • 訳文中に漢字による表記が多すぎることで全体として文面が堅苦しい印象になることを避けるため、基本はカタカナ表記を採用することとしましたが、”licensor”や”sublicense”については、カタカナ表記である「ライセンサー」や「サブライセンス」は日本語として馴染みにくい用語である可能性が高いことを考慮し、漢字表記を採用したものです。 なお、”permission”については、ライセンスを与えることと同義に使われていることがほとんどですが、そのような場合には、これを「ライセンス」等と訳さず、「許諾」と訳すこととしました。これはすべてをライセンスと訳すと、1つの文章に「ライセンス」という言葉が多くなりすぎ、かえって日本語としての読みやすさを損なうことを考慮したものです。
  • “license”およびその関連語について、「許諾」と翻訳されている箇所と「ライセンス」と翻訳されている箇所があるとのご指摘を頂きました。これを受けて、「許諾者」「再許諾」以外は「ライセンス」に統一することにしました(ただし、前文のなかではわかりやすさを重視し、異なる訳にした箇所がございます)。 この結果、”license” の語は具体的には、「ライセンスする(動詞の場合)」、または「ライセンス(名詞の場合)」と訳し、”licensor”は「許諾者」、”sublicense”は「再許諾する」または「再許諾」と訳すことにしました。
  • 用語の不統一や細かい用語の選択、構文の解釈についても多くのご指摘を頂きました。ありがとうございます。頂いたご指摘については、内部で検討させていただき、最終版のとおり修正させていただきました。
  • その他いただいたコメントのなかには、日本法を前提にするともっともなご指摘もありましたが、クリエイティブ・コモンズ本部と協議の結果、本ライセンスは、日本の法律のみを前提に解釈されるべきものではないとの立場に立って、翻訳チームとしては原文に忠実に翻訳することとなりました。中には、原文が分かりにくいことから来る問題もありますが、原文がすでに最終版としてリリースされていることをうけ、原文の変更が必要な部分については、今回の改訂作業の対象とはしませんでした。今後、ライセンスの更なる改訂を行う際に参考になると思われる論点については、クリエイティブ・コモンズ本部と共有しました。
  • 原文において「Licensor」と「licensor」、「Share」と「share」、「You」と「you」 などについて、大文字から始まるものと小文字から始まるものがあるが、訳文中で区別する必要はないか、定義された用語の場合は、毎回太文字にする又は「」で括るというような区別の仕方もあるようだ、というご指摘をいただきました。これに対し、ライセンス本文では”Section 1 – Definitions”に定義されている定義用語は、すべて”Licensor”, “Share”, “You”などと大文字から始まる表記に統一されており、特に大文字と小文字で意味を分けている箇所はありませんでした。また、定義された定義用語を太文字や「」で括った方がわかり易い場合もありますが、ライセンスの読みやすさが大きく損なわれてしまうという問題があります。原文でも太文字体やイタリック体で表記されたり””で括られたりしていませんでした。そこで、訳文においてもそのまま表記することにしました。本文以外の、冒頭および末尾の囲み部分のテキストについては、訳語について再検討・再確認を行いました。

【各条項に対するご意見等について】(条文番号はBY-NC-SAのものに従っています)

  • 第1条a. “performance”について、「パフォーマンス」と訳していましたが、WIPO Performances and Phonograms Treatyが日本語では「WIPO実演・レコード条約」と訳されているように、著作権の分野ではperformancesは実演と訳することが一般的であることに合わせました。
  • 第1条f. “Exceptions and Limitations”について、(他の箇所との統一の観点も踏まえ「例外規定および権利制限規定」と翻訳すべきでは、とのご意見いただきましたが、必ずしも規定のみを対象としているわけではないことや、原文に忠実に翻訳するという観点から、全体を通じて「例外および権利制限」との翻訳に統一することとしました。
  • 第1条l. “public display”、”public performance”について、「公の展示」、「公の実演」などと訳すべきとの意見をいただきました。たしかに、日本語の著作権法では「公の」という言葉が使用されていますが、ここではよりわかりやすく「公開の」と訳させていただくことにしました。また、日本の著作権法やベルヌ条約の”performance”の翻訳に「上演・演奏」という言葉が当てられていることから、「公開の展示」、「公開の上演・演奏」と訳させていただくことにしました。
  • 第2条b 3 “whether directly or through a collecting society under any voluntary or waivable statutory or compulsory licensing scheme” について、「いかなるものであれ自発的なまたは放棄可能な法定のまたは強制的なライセンスに関する仕組みに基づく場合、直接かまたは徴収団体を介するかを問わず」と訳していましたが、英語の構文の解釈が誤っているとのご指摘を頂き、「直接か、または任意のもしくは(使用料を得る権利を)放棄可能な法定のもしくは強制的なライセンスの仕組みに基づく集中管理団体を介するかを問わず」と変更しました。
  • 第2条5の見出しおよび第2条5cの見出しについて Downstream recipients、No downstream restrictionsという見出しにおけるdownstreamという語を「ダウンストリーム」と訳していましたが、ソフトウェアなど一部の分野以外では意味がわかりづらいというご指摘を頂きました。ここで意味しているのは、著作者から直接作品などを受け取っておらず、間接的に受け取る人々、またその人に対して作品の利用について課される制約条件のことです。原文への忠実さ、訳語としての簡潔さ、広い層へのわかりやすさなどを両立させることが難しい部分ですが、検討の上、「ダウンストリーム(下流側)の」「ダウンストリーム(下流側)への」と訳し、ダウンストリームというカタカナ表記よりもより具体的なイメージを喚起できるように狙いました。
  • 第6条 b 1 ”the violation is cured”について、「違反を治癒した場合」と訳していましたが、「治癒」という訳語が分かりにくいとのご指摘を受け、「違反を是正した場合」と修正しました。

【ライセンス本文終了後の囲み部分のテキスト】

  • “… Creative Commons does not authorize the use of the trademark “Creative Commons” or any other trademark or logo of Creative Commons without its prior written consent including, without limitation, in connection with any unauthorized modifications to any of its public licenses or any other arrangements, understandings, or agreements concerning use of licensed material.” という原文について、「ここで認められていない使用には、クリエイティブ・コモンズのパブリック・ライセンスの許可されていない改変との関係での利用、その他のライセンスされた素材の利用に関するいかなる取り決め、了解事項または合意をも含みますが、これらに限られません。誤解を避けるために記すと、この項はパブリック・ライセンスの一部ではありません。」と訳しておりました。これについて、英文の解釈の誤りのご指摘を頂きました。「了解事項または合意」は、「認められていない使用」の中に含まれるのではなく、「了解事項または合意」に関連した利用が「認められていない使用」に含まれるものであるため、「ここで認められていない使用には、クリエイティブ・コモンズのパブリック・ライセンスの許可されていない改変との関係での利用、その他のライセンスされた素材の利用に関するいかなる取り決め、了解事項または合意との関係での利用を含みますが、これらに限られません。」と訂正しました。
  • “Creative Commons is not a party to its public licenses”につき、「この利用許諾の」と訳していましたが、誤訳であるとのご指摘を受け、「クリエイティブ・コモンズ・パブリック・ライセンスの」と修正しました。
  • “Notwithstanding”につき、「上記の規定に関わらず」と訳していましたが、ライセンス本文を指すように見受けられるとのご指摘を受け、「ただし」と修正しました。
  • “The text of the Creative Commons public licenses is dedicated to the public domain under the CC0 Public Domain Dedication.”の文章の翻訳漏れがあるとのご指摘を受け、次のように書き足しました:「クリエイティブ・コモンズ・パブリック・ライセンスの文章はCC0パブリック・ドメイン宣言のもとで提供されています。」
  • “otherwise permitted by the Creative Commons policies”につき、「クリエイティブ・コモンズの方針に基づいて許可される場合を除き、」と訳していましたが、別途の許可手続きが必要に見受けられるとのご指摘を受け、「クリエイティブ・コモンズの方針に基づいて許容される場合を除き」と修正しました。

以上

(文責:水野)
(7月16日 リンクの誤りを訂正しました。)