ScienceCommons

5月15日(土)「科学技術コモンズと情報知識学の挑戦」にCCJPの野口が登壇します

近年、注目が高まっている科学情報関連の共有のあり方について、
5月15日(土)に「科学技術コモンズと情報知識学の挑戦」というシンポジウムが開催され、
クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの常務理事である野口祐子が
特別講演及びパネルディスカッションに登場します。

科学情報の共有のあり方については世界中で議論がなされており、
日本でも先日、知的財産戦略本部が発表した知的財産推進計画2010骨子において、
公的資金による研究成果(論文及び科学データ)について、
原則としてオープンアクセスを確保する方針が打ち出されたところです。

皆様、是非ご参加ください。

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シンポジウム「科学技術コモンズと情報知識学の挑戦」

科学技術は元来、公共に資するものとされてきましたが、研究成果の権利化、学術雑誌の商業化、データベースの重要性の高まりといった現在の潮流の中で、著作権、知的財産権との関係が大きくクローズアップされるようになってきました。本学会においてもこの科学技術とコモンズに関する議論を重ねてきましたが、我が国における議論は未だに低調のようにも思われます。そこで、本シンポジウムでは、科学技術コモンズ、特に、学術雑誌やデータのオープン化、ライフサイエンスや材料科学におけるデータベースの統合化や、コモンズに蓄積された知の活用といったトピックを中心に、その法的側面も踏まえ包括的に捉え、科学技術コモンズの現状と課題を会員の皆様方で共有し、今後の展開について議論して参りたいと思います。

■開催概要

日時:2010年5月15日(土) 13:00~17:40
会場:東京大学 本郷キャンパス工学部2号館 213 号室
(東京都文京区本郷7-3-1)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html
参加費:無料

■プログラム

◇13:00~13:10 開会挨拶

「科学技術コモンズの構築に向けて」
岩田修一教授 (東京大学)

◇13:10~13:40 基調講演

「科学技術コモンズと情報知識学への期待」
長尾真館長(国立国会図書館)

◇13:40~14:10 基調講演

「科学技術コモンズとオープンアクセス」
時実象一教授 (愛知大学)

◇14:10~14:40 招待講演

「ライフサイエンスにおける統合データベースの構築と課題」
高木利久センター長 (ライフサイエンス統合データベースセンター)

◇14:40~15:10 招待講演

「材料科学におけるデータベース共通プラットフォームの開発と課題」
芦野俊宏教授(東洋大学)

◇15:10~15:40 招待講演

「コモンズ構築と利用のための知識表現」
Steven Kraines 准教授(東京大学)

(休憩:20分)

◇16:00~16:30 特別講演

「コモンズに関わる法的課題」
野口祐子氏 (クリエイティブ・コモンズ・ジャパン常務理事)

◇16:30~17:30 パネル討論

モデレーター: 橋本正洋氏(特許庁)

◇17:30~17:40 閉会挨拶
根岸正光会長

◇18:00~20:00 懇談会(会場: 展示室(2F))
懇談会参加費:一般4,000円、学生1,000円

Science Commons

Science Commonsは、学術・科学情報分野における情報共有や研究活動のオープン化を進めることを目的とした、クリエイティブ・コモンズの派生プロジェクトです。つぎのプロジェクトを中心とした活動を行っています。

  • Scholar’s Copyright Project:研究者が学術誌へ論文を投稿する際、著者自身がCCライセンス等の条件でウェブ上で公開することが可能なことを出版社に確認するための契約書フォーマットを提供しています。また、学術出版社によるCCライセンス採用を進めるための取り組みも行っており、実際に2008年末時点でPLoS(Public Library of Science)やHindawiをはじめとする、1000以上の学術誌がCCライセンスによる学術論文の公開を行っています。
  • Biological Materials Transfer Project(MTA):DNAや抗体といった、生命科学分野に関する研究マテリアルの企業や大学間での相互利用を促進するための取り組みを行っています。
  • Neurocommons:生命科学分野におけるオープンソースの総合的知識マネジメントツール(データ解析、テキストマイニング等)の構築を進めています。
  • The Health Commons:医薬品開発のオープン化・開発モデルの改善を進めています。

2009年からは日本における活動の浸透と拡大のため、有志による日本語化プロジェクトも開始されていますので、ぜひご覧ください。