[iSummit] CC本部の体制について

CCポリシー・ワークショップの1つ目は、CC本部の組織、役割分担、各国プロジェクトとのかかわり方についての基本を確認するものだった。

まず、CCライセンスの各国への展開に関する法律的な側面を担当しているCCi (CC international、本部ベルリン)のクリスチアーナ(Christiane)がCCiの役割を説明した。コアの役割は、CCライセンスを各国の著作権法化すること、それに対応するFAQをつくり、説明すること。それを通じて著作権法のエキスパートの国際的ネットワークを作りあげることが、CCのひとつの成果だ。現在、80カ国と覚書を結んでおり、各国法化するに当たってのいくつかの重要な論点の整理や、過去の経験の蓄積とフィードバックを行っている。その際、最も重要なことは、CCライセンスの裁判所における執行可能性(enforceability)を最大限確保すること。

ライセンスに関しては、今年、バージョン3.0へのバージョン・アップが予定されている。現在の一般(Generic)ライセンスは、実は米国法に基づいたものなので、これを、「米国版」のライセンスと位置づけ、まだ国内法化したライセンスを持たない国々向けに、条約の文言を基本にした本当の一般ライセンスを作る。それに伴い、著作者人格権に対する対応など、各国法ライセンスで扱いをより統一したほうが良いものについても、必要により変更を加える予定。その他、WIPOにおける知的財産政策においても情報のインプットなどを行っている。

次に、ヘザー(Heather)がiCommonsの概略をプレゼン。iCommonsは、CCその他、より自由な、または柔軟な文化を育て(incubate)、つなげる(connect)ことを役割とするプラットフォームを目指す。各国で行われている取り組みで学んだ経験や情報を共有し、それに携わる人々・プロジェクトのネットワークを作る。

CCiとiCommonsの違いは、CCiがCCの一部として、その意味の統一性を担保するために必要最小限のポリシーによるコントロールなどを行い、CCの世界共通化を図るのに比べて(これは、クリエイティブ・コモンズという商標を維持していくために必要とされる要素)、iCommonsは、CCを使ったプロジェクトなどをCCとは独立に自由に行うためのプロジェクトで、そこにはコントロールの要素が極めて少ない。

また、サンフランシスコのCC本部の法務担当(General Counsel)のミア(Mia)は、CCの法務の役割として、CCの名前が世界中で統一的な意味を持つよう(異なる意味で用いられることのないよう)注意するよう呼びかけた。

CTOのマイク(Mike)は、各国のライセンスに共通して利用される技術の部分(ライセンス・エンジンなど)を担当するほか、将来的には、各国プロジェクトのためのブログなどのツールを用意したり、各国プロジェクトの情報をWebを通じてアップデートするためのより機能的なシステムの構築などを目指す。

[文責:のぐち]