サイエンス・コモンズが協賛した「サイバー・インフラストラクチャーの設計」会議への参加者たちは、当の言葉に多種多様な定義を与えてくれた。前後のクオテーションマークが1組では充分ではないと、冗談交じりに述べるスピーカーもいた。けっきょく、2日間にわたるイベントが終わったときも、これらの意図的なクオテーションマークはくっついたままだった。
「協働とイノベーションのためのサイバー・インフラストラクチャーの設計(DCCI)」と題したこの会議は、世界中から200人を超える参加者を招集した。政府関係者、オープンソースの提唱者、大学教授、特許の専門家、科学者たちが一堂に会することになった。充実したプログラムの中には、次のようなものがあった。“サイバー・インフラストラクチャー”を定義するもの、ヴァーチャルな組織、パテントプール、標準の発展について企画するもの、“オープン”(“コモンズ”と同じくらい、この語もクオテーションマークを集めていた)の生態学について議論するパネルなどだ。
米国科学財団(NSF)、ミシガン大学情報学部、競争力評議会、経済発展評議会とともに、サイエンス・コモンズはこのイベントに協賛した。
下院科学委員会に所属するDavid Wu(オレゴン州選出)、Jim Turner(テキサス州選出)両議員に加えて、NSF、国立衛生研究所(NIH)、IBM、レッド・ハット、英国特許局、議会図書館、米国科学者連合、その他たくさんの機関の代表者たちが、会議に出席した。スピーカー一覧はこちらを参照のこと。
会議は成功を収めた。そこでは、なんとも定義しづらい、きわめて重要だが多様な概念についてのさまざまな議論が開始された。“サイバー・インフラストラクチャー”は、時間や場所や政府権力から生じるさまざまな障壁を越えて、多様なリソースを統合するために不可欠なビジョンを提供するものだとされている。ここで言う“多様なリソース”とは、スーパーコンピュータ、大容量ストレージ、ネットワーキング、データーベース、電子図書館、ソフトウェア、教育、訓練などからなるものだ。“障壁”的な側面には、物質的・地理的なもの、金銭に基づいたもの、持続可能なモデルについての問題などが挙げられるだろう。これだけたくさんのクオテーションマークが付けられるのも不思議ではない。
そうは言っても、この会議においては、サイバー・インフラストラクチャー-いかなる定義を取るにしても-は、テクノロジーが進化し、統合システムの必要が高まるデジタル時代において、前へ歩を進めるためのカギを握るものであると考えられていた。このことは、この会議で交わされた会話の中だけでなく、プレゼンテーションそれ自体から、あるいはこのモデルにおける日常的な好奇心や信念からも、多少なり明らかだ。
当会議について更なる情報が必要ならば、会議のウェブサイトを訪問されたい。
翻訳:eboshilog
オリジナルポスト:Let’s discuss “““cyberinfrastructure“““(2007/2/5)