(写真はA Swarm of Angelsの中の、CCがいかに映画制作においてコラボレーションを用意にするかの良い例として。CCの帰属-非商用-継承2.0で公開している)
ドキュメンタリー映画製作者は知っておいてほしい:あなたの映画を配給するための手段には、‘all rights reserved(無断複写・転載を禁じます)’以外の手段もあるのだと-著作権の世界ではおなじみの‘all rights reserved’のやり方よりも、『クリエイティブ』な面に着目している、クリエイティブ・コモンズ(以下CC)という手段だ。
CCもライセンスを提供する。知識や創作作品の利用に対して、「ある種の権利は著作者に帰属しますよ」というポリシーをとるライセンスだ。したがって、オーディエンスや資金を得るために駆けずり回っているドキュメンタリー映画製作者のニーズをより満たしてくれるかもしれない。
CCオーストラリアのプロジェクトリーダーであるElliott Bledsoeは、デジタル技術と著作権管理が映画制作者のツールとしてどんな風に合体するのか考えている。なんで映画制作者は厳しい著作権のレジームから抜け出して、CCを試そうとするんだろう?
Bledsoeは言う。「CCはコラボレーションを促進する。CCはより多くの人に作品を行き渡らせて、より多くの評判を得ることができる。このようなアプローチは新しいビジネスモデルを生み出してくれる。CCのアプローチは『昔の記録』に新しい価値を与えたんだ。例としてはBBCがクリエイティブ・アーカイブを試みている最中だ。」
それに加えて彼は、CCライセンス利用は「配給モデルの1つとして」受け止められる可能性があることを指摘する。また、CCライセンス利用は多数のコミュニティ同士の提携や相互評価を提供してくれる-ピアレビューシステムの1つの方法として。その方法はフリーやオープンソースのソフトウェアの世界で使われてきたものと同様だ。
CCライセンスの利用はある種のユーザーの情報取得コストを減らす。例えば学校や図書館、非営利団体、チャリティ施設など。法律的に明快だし、管理上のコストも減らしてくれる。加えて、利他主義で動いているような人にとって、このアプローチは人間の知識の全体量を増やしてくれるし、イノベーションも促進してくれるのだ。
CCも配給モデルの一つなんだ
配給目的でインターネット上で作品をアップすることを映画制作者に許可する、オーストラリアのネットワーク、Engagemedia.org.の一員であるAnna Helmeは言う。「注目されているこれらのビデオの多くは、他の店では無視されているようなものなのです」
Cafuneというブラジル文化庁が援助した1本立ての映画は、オルタナティブで、『オープン』な配給モデルの良い例だ。帰属-非商用-継承、のライセンスの下でリリースされた後、ディレクターは映画館だけでなくインターネットでも映画を見れるようにしてブラジルの映画配給のボトルネックを克服したり、文化庁が与えた公的資金内の予算で映画を作ったり、観客が映画のエンディングを変えられるなど、映画に価値を付け加えるなどを次々と行った。詳しいことはiCommonsのCafuneの紹介記事を読んでください。
何人かの映画制作者はCCライセンスの下、Revver上で映画の予告編をリリースしていることも知られている。A Laughing Matterという、賞を受けた教育映画が始めた。
CCライセンスはまた、A Swarm of Angelsのような、映画の『コラボレート作品』の成功も可能にする。この映画は、映画を作る全ての段階に-つまり、資金調達、援助、作り途中の2本の脚本でどちらがいいか採決したり、あるいは仲間として-関わった人たちの集まりで出来上がったものだ。この映画はP2Pに友好的で、リミックスできて、DRM(デジタル著作権管理)技術によって邪魔されないのだ。
CCは未熟・未加工な素材の管理方法としても注目されている。例えばOutfoxedみたいな映画が出た。Bledsoeが言うように、「CCライセンスの素材は再利用目的で、利用のためのさらなる許可も必要なくて、一般的にお金もいらずに、合法的に利用できる素材のプールなのだ。まぁ、いくらかの条件はあるけれども。」
CCはBledsoeが言うように、ドキュメンタリー映画製作者にスペシャルな機会を提供する。配給とプロモーションという非常に重要なことを許可してくれる(オンラインでもオフラインでも)。コラボレーションと未熟・未加工の素材の管理を容易にするモデルであり、あなたのドキュメンタリー映画を作るときにもコンテンツを提供してくれる有益なリソースを提供するのだ。
この記事は初めにAPC.orgで、CCの帰属-非商用-継承2.5ライセンスのもとで発行された。
オリジナルポスト:‘All rights reserved’ not the only option for documentary filmmakers by Frederik Noronha
翻訳:酒井麻千子