iSummit報告:アジア・コモンズの取り組み


Asia Commons in iSummit2007, BY: Dominick Chen

http://dotsub.com/api/player.php?filmid=868&filminstance=870&language=ja
What is Asia Commons?, BY: Dominick Chen

クリエイティブ・コモンズ(CC)の運動は、その開始から5年が経とうとしています.創設者のラリー・レッシグが今年のiSummitの基調講演で、個人的に著作権の領域から新たに政治の空間に参与していくことについて言及したことは、CCの大局的な方向性が変容しつつあることを示唆しています.

つまり、柔軟な著作権慣習を広めるためのCCライセンスの普及ということが第一目的となっていたフェーズから、CCライセンスが付与されたコンテンツの存在を前提としたサービスやインタフェースの開発を支援していくというフェーズへの移行がゆるやかに行われようとしています.

そうした中「アジア・コモンズ」という取り組みは、そもそもCCの概念が市民間の明文的な契約という欧米的思考から生まれてきたという背景を批評的にとらえて、CCとアジア各国における地域的なリアリティを再接続していくためのフレームワークとして開始されました.

具体的には、より諸地域のローカル性に根づいた英語以外の言語によるプロジェクトの運営、こうした地域のなかでどのように著作権やCC的ルールに対する関心や意識を高めていけるのか、また異なる地域間の組織同士でどのような連携がおこなえるのか、といったトピックスが現在も議論されています.

また、2007年末に台湾で、企業を交えた最初のキックオフ・シンポジウムの開催を検討していたり、また来年7月の札幌iSummitでもセッションを開き、アジア各国からより多様な意見を集めていくことを予定しています.

文責:Dominick Chen