1日目午後の基調講演では、3名の方からオープンな文化に関する報告が行われました。
Norman Lear Center の Johanna Blakley 氏は、ファッションとコモンズについてです。ファッション界ではコピーは名誉であり、それによってもっとよいものが生まれるというお話から始まりました。次に、著作権による保護がない、料理のレシピや手品のトリック、ヘアスタイルなどを取り上げ、アイデアと表現の区分の問題に触れました。最後に、このような保護されない領域において、社会的な価値がどのようにつくられているのか、学際的な視点からの分析の必要性を提唱しました。
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引き続き、スタンフォード大学ロースクールの Tony Falzone 氏は、米国でのフェア・ユース判例の変化を取り上げ、クリエイティビティの規範や慣行によって、その意味合いが変わってきたことを提示しました。そして同大学の Fair Use Project を紹介し、創作者への啓蒙と提訴された場合のアシストによる、フェア・ユース、ひいてはフリー・カルチャー促進への取り組みを説明しました。
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辞書編纂者の Erin Mckean 氏は、「言語がコモンズでなかったなら?」という世界を仮定し、人の一生の間に起こるであろう、多数の窮屈さを挙げました。そして、言語を専有された世界の窮屈さから、コンテンツがコモンズ化されない世界をとらえ直し、それらが共有された世界のあり方について述べ、締めくくりました。
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