昨年11月、米クリエイティブ・コモンズは同国政府の科学テクノロジー政策事務局(Office of Science and Technology Policy, OSTP)が情報要請(Request for Information, RFI)に関連した2つの事項への意見を求めているとご紹介しました。1つは連邦政府の投資をうけた学術出版物へのパブリックアクセスに対し、連邦政府はどのように管理すべきかについて意見を求めたもの。もう1つは国の税金によって資金援助されたデジタルデータへのパブリックアクセスに対し意見を求めたものです。
クリエイティブ・コモンズはこれら2つのRFIに対し意見を提出しました。以下はその要点をまとめたものです。他の複数の団体や個人の方もOSTPへ意見提出しており、それらすべてのコメントはOSTPウェブサイトで今後公開されることになっています。
- 国民は研究に対し年間何百億ドルもの資金を提供しています。連邦政府はオープンライセンス政策を制定することで、科学革新・生産力・国民が払った市民税の経済効果をサポートすることができます。
- 政府から資金援助された研究結果から制作された学術的記事は、完全にオープンアクセスのもと発表されるべきです。完全なオープンアクセスによって、市民は研究ソースの原作者の氏名表示を行うことを除けば、他の条件に制約されることなく政府から援助された研究を即時かつ無料でオンライン利用できるようになります。
- 完全なオープンアクセスと連帯した市民へ、その許可を与えることができる標準手段はクリエイティブ・コモンズ表示(CC BY)ライセンスの利用です。
- 連邦政府が政府援助による科学研究結果のデジタルデータの影響を最大限に活かしたいのならば、国民が利用可能な権利についての明確で理解しやすい情報を与えるべきです。
- 連邦政府は政府援助された科学研究結果のデジタルデータへの無料で円滑なアクセスを国民に保証する政策を定めるべきです。研究者たちが研究結果の公開から手に入れたいと望む信望や利益の他、機密性とプライバシーに対する十分な配慮のもと、これらのデータへのアクセスは可能な限り早急に導入されるべきです。
- 連邦政府は次の手段で取り入れ政策をサポートすることで、国民へアクセス権限を授与することができます。
- 研究結果のデータをパブリック・ドメインで公開する
- データ利用者がデータの出典や作者の氏名表示を行う条件を付する、自由度の高いライセンスのもとデータを公開する。
クリエイティブ・コモンズはこれらの目的を支援するため、CC0による権利放棄(いかなる権利も保持しない)とCC表示(CC BY)ライセンスを手段として推奨しています。
原文: Comments to the White House Inquiry on Public Access to Publicly Funded Research
http://creativecommons.org/weblog/entry/31283
公開日時: 2012年1月13日
BY Timothy Vollmer (Policy Coordinator)