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第3回 セミナー 最終ご案内

第3回セミナーのプログラムの詳細が決定しましたので、お知らせ致します。
あわせて、内容充実の観点から、全体の時間を30分前へずらし、午後1時開場、1時半開始に変更させていただいております。
皆様には大変恐縮ですが、ご予定の変更をお願いいたします。

日時: 9月26日 午後1時30分から5時 (1時開場)
場所: 国際文化会館 新ホール
定員: 150名(参加費無料、同時通訳つき)

タイトル: 情報社会の変革と自由文化の生成 ~クリエイティブ・コモンズをキーワードとして~

開催趣旨:
 ニューメディアから20年、インターネットの衝撃から10年以上が経過し、ハイパーメディア、ユビキタス、マルチメディアといった情報流通の未来像が描かれ、ここ数年の間でその実現のために必要な基盤技術や法制度論の研究やビジネス上の試みなどが活発に行われてきました。
 しかし、2006年をむかえた現在においても、過去に描かれた未来像は、多くの予兆が見られるものの、誰の目にもわかるかたちで全体像を構成するには至っていません。その実現を阻む根本要因として、情報流通の世界で役割を担う登場人物同士の対話の不在が挙げられます。具体的には、インターネット技術と既存の著作権制度の乖離、新しい情報流通のあり方に対する権利者・利用者・技術者の間での認識のずれ、そしてこの新しい情報流通プラットフォームにおける持続可能なビジネスモデルの欠如ないし不足、などに私たちは直面しています。
 これらの問題を改善するための一つの試案として、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスに注目し、そのライセンスによって、上記の具体的問題点がいかに改善されうるのか、という問題を協議し、その実践としてのライセンスの具体的な適用事例を紹介し、出席者の方が今後の実践に活かすことのできることを企図しています。

プログラム:
1:30 【開会の辞】(5分)

1:35~1:55 【講演1】
 内容:情報流通における課題と、クリエイティブ・コモンズの位置づけ(20分)
 野口祐子(NII客員助教授、弁護士、CCJP事務局長)

1:55~2:15 【講演2】
 内容:CCとは?世界の取り組みや具体例の紹介(20分)
 Heather Ford (iCommons)+Pete Barr-Watson

2:15~2:35 【講演3】
 内容:具体例1 クリエーターの立場から(20分)
 ロフトワーク 取締役 林 千晶氏

2:35~2:55 【講演4】
 内容:具体例2 サービス提供者の立場から、ClipLifeなどについて(20分)
 NTT 第3部門 プロデュース担当 担当部長 仲西 正氏

2:55~3:10 (休憩)(15分)

3:10~3:30 【講演5】
 内容:クリエイティブ・コモンズと著作権の未来(20分)
 Lawrence Lessig(スタンフォード・ロー・スクール教授、クリエイティブ・コモンズ創始者兼理事長)

3:30~5:00 【パネル・ディスカッション】
 『クリコモのWeb2.0的ライフスタイル ~未踏クリエーターの創造する風景~』
 Lawrence Lessig(スタンフォード・ロー・スクール教授、クリエイティブ・コモンズ創始者兼理事長)
 鈴木健(国際大学GLOCOM主任研究員、サルガッソー代表)
 神原啓介 (はてな社員/ Willustrator開発者)
 尾藤正人 (ウノウCTO / フォト蔵)
 洛西一周 (慶應義塾大学 政策・メディア研究科、NOTA開発者)
 安斎利洋 (連画/カンブリアン)
 林 千晶 (ロフトワーク 取締役)

主催: CCJP
共催: 国立情報学研究所
メディア・スポンサー: ソフトバンク・クリエイティブ

参加申し込み: 参加をご希望される方は、お名前・所属・メールアドレスを記載のうえ、
seminar AT ccjapan.infoまでご連絡ください。

※スパム対策のため、@をATと表示しています。お手数ですが、ATを半角の@に変換のうえ、ご送信下さい。

参加受付は終了しました。(9月22日)

セミナー申し込みの新アドレス

みなさま

ご迷惑をおかけしている第3回セミナーの申し込みですが、
以下のアドレスを新設しましたので、
お名前・メールアドレス・所属をご記入の上、
以下のアドレスへお送りください。
お手数をおかけいたしまして恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

  seminar AT ccjapan.info

*スパム対策のため、ATと表示させていただいております。
半角の@に変換してお送りください。

メールアカウントが不調でご迷惑をおかけしております

みなさま

CCJPのメールサーバがこのところ、ずっと不調で、ご迷惑をおかけしております。
現在、復旧作業をしておりますが、時間がかかりそうですので、
明日にも、セミナー登録用のメールアカウントをご連絡いたします。

いろいろとご不便をおかけいたしておりまして、申し訳ありません。
今しばらくお待ちくださいませ。

文責:野口

CCライセンスを採用した動画共有サイトがオープン!

本日、NTTによる動画共有サイト「ClipLife」のトライアル版がオープンしました。
ユーザーが投稿する際、簡単にCCライセンスの選択ができるとのこと。
どのような創造的な共有や利用が行われるか、楽しみ&注目です。
みなさんも是非、CCをつけた動画のUP、または
CCライセンスをつけた動画を使った色々な試みなどに参加してみてくださいね!

J-WAVEでCCJPのことを語ります♪

突然ですが、7月18日(火)(今夜!)のJ-WAVE(FMラジオ、81.3mkh、首都圏ネット)のJAM THE WORLDというニュース番組の”15 Munites”というコーナーで、CCJPの紹介をしてくださることになりました!お暇な方は、チェックしてみてくださいね♪

[文責:のぐち]

CCJPセミナー資料をアップ!

[学ぶ]セクションの最下段に,新たにCCJPセミナーの発表資料を公開しました.全てPDFファイルです.

特に第2回セミナーの資料には,ゲスト出演して頂いたiCommons/CreativeCommonsのピートさんによるOneLaptopPerChildプロジェクトに関するプレゼンテーション(日本語訳済み)があるので,ぜひご覧ください. 
セミナーはその時々によってテーマが違いますが,ご興味に応じてダウンロードして,ご友人と共有して,また創造的ご利用頂ければ幸いです.

[DC]

[iSummit]教育コモンズ

三日目のワークショップでは,教育におけるコモンズという題目でセッションが開かれました.南アの国連大学の研究員,ブロガー,アフリカ・コモンズ, MITのOneLaptopPerChild,仮想ゲーム世界Second Lifeといった多様なプラットフォームの開発者が集いました.


Cory Ondrejka

米カリフォルニアのLinden Labs社のSecond Lifeは,ここ数年で急成長を遂げているMMO(マッシブ・マルチプレイヤー・オンライン)ゲームです.既に30万人の会員数を誇るこのオンライン・コミュニティは,ユーザーに多くの能動性を与えている事でも知られており,世界で初めてユーザーがゲーム内で制作したコンテンツの著作権をユーザー自身に認めた事でも有名です.そのおかげで,ユーザーはゲーム内で作成したコンテンツ—制御スクリプト付きの3Dオブジェクト—を自由に現実の通貨で販売したり,またはCCやGPLといったライセンスで配布する事が可能になっています.
このプレゼンテーションでは,いかにSecond Lifeが教育と経済の新しいプラットフォームとして機能し得ているかという事が提示されました.その事を示す一つの指標として,例えばWikipediaのような恊働制作のプラットフォーム上でさえ貢献ユーザー(投稿者)とROMユーザー(閲覧者)の比率を考えた時、参加率は数パーセントに満たないことに対して,Second Lifeではユーザーの60%が何らかの制作をゲーム内で行っているそうです.この数字はウェブ全体の制作者率が10%に満たないことを考えれば,異常に高いものだという事が分かります.この高い参加率の結果,実に様々なプロジェクトがSecond Life内で起こっています.あるゲーム開発者はSecond Lifeの中でパズル・ゲームを制作し,ユーザーのフィードバックを得てからそのゲームを実際に制作・販売し,ビジネスを立ち上げました.ある精神医学の研究者は,幻覚の調査のために,Second Life内にバーチャル幻覚ルームを作成し,1,000人以上の被験者から学術的に有意なデータを採集することに成功しました.航空ロケットに関心を持った人が自身でロケットのモデルを再現した所,様々な人々が集って世界中の歴史的なロケットをアーカイヴし,その挙動をシミュレートする博物館が建設されました.また,Second Lifeの中でミニ太陽系を制作し,宇宙科学に関するビデオ教材を作成してクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開した人もいます.
Linden Labs社のCory Ondrejkaは,Second Life内の状況を指して,今までの「仕事VS遊び」や「アマチュアVSプロ」といった二項対立は既にリアリティを失っていると主張します.このSecond Lifeの事例は,その他多くのオンライン・ゲームも含めた仮想世界内の新しい現実感とそれに付随する新たな経済圏の創出を象徴していると言っても過言ではないでしょう.


Pete Barr-Watson


電子ブックとしてのOLPC(OLPC公式ホームページより)

そして,CCJPの第2回セミナーにも出演したPete Barr-Watsonによって,MIT Media LabのOne Laptop Per Child(一人の子供に一つのラップトップPCを)プロジェクトが紹介されました.これは簡単に言えば,ネットやPCにアクセスできないでいる世界中の発展途上国の子どもたちに,最高品質のラップトップPCを分け隔てなく無償で与えるというプロジェクトです.このために,MITと契約を結んだ最初の七カ国(中国,アルゼンチン,ブラジル,エジプト,タイ,南アフリカ,ナイジェリア)の政府は,およそ一台につき135米国ドルという低価格で数百万台規模で購入し,各地域の4歳から14歳の子どもたちに支給していきます.2007年第一四半期の出荷後には,一気に1000から1500万人の子どもたちがリナックスOSを使用して勉強を開始するという,社会的な革新が予定されています.
詳しくはプレゼンテーションのPDF(PDF, 338KB)をご覧頂ければ分かりますが,このとても可愛らしいデザインのラップトップの中には最先端の技術が多くの企業の無償投資によって詰め込まれています.基本OSはRed Hat Linuxの特注ディストリビューションがプリ・インストールされ,802.11sという新規格のメッシュ・ネットワーク対応の無線LAN機能は1.5kmの通信範囲を誇り,3M社によって開発された7.5インチのディスプレイは超高輝度であると同時に電子インク的な無電源表示モードも兼ね備え,そして人力の電源供給インタフェースも実装される,といった具合です.殆どの関連企業が無償に近い形で投資をしている背景には,このラップトップが世界的に普及した時には1000万から1500万というユーザー層がマーケティング上孕む価値を見越しているからですが,MIT Media Labのディレクターのニコラス・ネグロポンテ氏は「このプロジェクトの目的はただ一つ,One Laptop Per Childであり,それ以外の隠された意図はないし,またあってはならない」という強い意志を表明し,各界の参加を促すための強いリーダーシップを取っていることも無関係ではないでしょう.
Peteはクリエイティブ・コモンズとOLPCの関係を築くための活動を開始しています.ICommonsの正規プロジェクトとして,シャトルワース財団と共同で,CCライセンス下で配布される教材をSourceForge的なオープンソース開発と共有を行えるポータルの開発を開始したり,また子どもたちにも理解できるようなものに既存のCCライセンスを翻訳・再設計するプロジェクトが立ち上がったりしています.もちろん,MITが開始したOpenCourseWareのCCライセンス付きの教材も,この連携に関係してくるでしょう.このプロジェクトには誰でも参加できるので,ご興味のある個人・企業の方は次のURLをチェックしてみてください.

▷ iCommons 教材カリキュラム・プロジェクト:http://wiki.tsf.org.za/iCommonsiCurriculum

▷ CC-OLPC メーリングリスト:http://lists.ibiblio.org/mailman/listinfo/cc-olpc

Peteが何度も強調していたことは,このOLPCが普及すれば,最も早くて4歳からクリエイティブ・コモンズやオープン・ソースの概念に慣れ親しみ,コンテンツの制作やソフトウェア開発を始める子どもたちが世界中に生まれる事の意味の大きさです.特に,MITとの契約の条項の一つとして,各国の政府は全ての対象年齢層の子どもたちにこのラップトップを支給する義務を負っているので,本当の意味で「全ての子どもたち」がこの機械を与えられるのです.例えばブラジルでは,既に初日のCreate!ワークショップで紹介されたPontos de Culturaという国内に千カ所規模で設営されるフリースタジオなどでこのOLPCと連動した教育プログラムなどが構想されているようです.

このセッションでは,Second Lifeのような先進国における新たな仮想経済圏の創出が行われる一方で,後進国における子どもたちの大規模なレベルでのオープン・コンテント/ソース文化への参入,という重要な革新が同時多発的に起こっていること,そして,その両方において,クリエイティブ・コモンズが重要な役割を果たしている,または果たそうとしていることが浮き彫りになりました.次世代の経済や文化は案外,教育という,もっとも困難でもっとも課題の多い分野を通してその姿を表わすのかもしれません.

文責:[DC]

[iSummit] 文化コモンズ:音楽・映像・マルチメディア

I: Music, video and multimedia: the cultural commons

二日目のワークショップの中でも,実に多様な発表が重なったのがこの音楽,映像とマルチメディアに関するセッションでした.中でも注目を浴びていたのがアメリカの動画配信サービス「Revver」であり,実際にクリエイターと企業が収益を上げている実例に会場の関心も集中していた感があります.

最初にブラジルのTRAMA/TRAMA VIRTUALという大規模な音楽PV,楽曲配信サイトのプレゼンテーションがありました.CDアルバムをCCライセンス付きで販売し,サイト上でMP3の楽曲を公開しているという,ブラジル国内でも類を見ないビジネスモデルによって注目を浴びるこのレコードレーベルは13,000人以上のアーティストによって34,000曲を収蔵しており,ユーザー・コミュニティは300,000人を誇っています. 
http://www.tramavirtual.com/

ブルガリアでは3Dモデリングのコミュニティに,CCライセンスとオープンソース・ソフトウェア(Blender / GIMP)を利用したCGのコンペティションを開催したり,voxxという楽曲制作のパブリック・ワークショップのレーベルがCCライセンスを利用したりといった個別のプロジェクトの他にも,OpenProjectsFoundationという現地のフリーソフトウェア財団とクリエイティブ・コモンズが提携して作られた団体が,C3 (Creative Commons Center)という,機材の利用は無償だが制作物はフリーで公開されるというようなルールで運営される文化施設の計画も展開しています.
www.graphilla.com
www.voxxlab.org
www.openprojectsfoundation.org/

アメリカの動画配信サービス「Revver」は「Super Distribution」(超流通),「Sustainable Creativity」(持続可能な制作環境)というキーワードを掲げ,ユーザー自身が作り上げるコンテンツ(Customer Generated Media)の流通に透明性を与えることを強調しています.そのために,配信する動画の最終1フレームを静的なハイパーリンク広告として挿入するシステムを実装し,企業とビデオ制作者に広告収入が50/50で配分することを可能にしています.また,アフィリエート・プログラムもあるため,ブログやSNS上で紹介するユーザーにも収益が入って来るシステムになっています(音楽でいうWeedshareライセンスと比較できるかもしれません).
実例として,EepyBirdというビデオ制作者は大人気を博した結果,$25,000以上を広告収入として稼ぎ,またビデオの中で利用された無名の音楽家は自身のプロモーションにも繋がり,1000枚以上のCDが売れたそうです.Revverに掲載されているビデオは全てCC:BY-ND(改変禁止,複製共有可能)でライセンスされており,映像コンテンツとアフィリエーションを交えたCC的ビジネスモデルの成功例としても脚光を浴びています.
www.revver.com
EepyBird.comの制作したビデオ

文責:[DC]

[iSummit] Create!ワークショップ:制作系プロジェクト

1日目—Creative Workshop:Creative Models

このワークショップは,クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用し,実際に制作や文化普及などの活動を実践している様々なプロジェクトの紹介と,それぞれの改良をオープンに議論するセッションに分かれて開催されました.

まず,Creative Commonsでソフトウェア開発を担当しているNathan Yergler氏によって,CCソフトウェアの紹介が行われました.これらのソフトはSourceForge上でも公開され,それら自体がオープンソース・プロジェクトとして展開しています. http://wiki.creativecommons.org/Developer
MozCCはMozilla ブラウザ用のプラグインとして開発されました.これはブラウザ上でCCPLの埋め込まれたページであるかどうかを利用者に伝えるためのものであり,CCPLのマシン・リーダビリティ(機械判読性)をデモンストレートするためにも開発されました.
次にCCのウェブサービス・アプリケーションが紹介されました.一つ目のccPublisherは,Internet Archive上に自作のコンテンツをメタデータと共にアップロードする一連のプロセスを簡潔に行えるデスクトップ用のツールです.
次のccHostは,音楽共有サイトccMixterのバックエンドとしても知られていますが,これは主に誰でもサーバー上にccMixterのようなコミュニティ・コンテンツ・サイトを設置できるアプリケーションです.CcHostの目的の一つは,どのコンテンツがどのように/誰によってリミックスされたが可視化されることによって,利用者たちが二次利用の連鎖を理解できることです.
またYergler氏は,こうしたソフトウェアの開発にとってコミュニティの支援やフィードバックが大きな助けになっている事を確認しました.

次に,南アフリカのシャトルワース財団のJason Hudsonが展開しているFreedom Toasterプロジェクトが紹介されました. www.freedomtoaster.org
この計画は,自動販売機のような筐体の中に,フリー・ソフトウェアを詰め込んだPC端末を埋め込み,人々が自由にDVDに焼き込んで持ち帰ることを可能にしています.主に通信帯域の低いアフリカや発展途上国といった地域でフリー・ソフトウェアがより普及するために作られており,中身も廉価PC,ウェブブラウザー,そしてDVDRW機器のみで構成されており,低コストで制作が可能になっています.
コンテンツはリナックスのディストリビューションと各種のドキュメンテーション,FLOSS(Free and Libre Open Source Software)つまりオープンソースのソフトウェア全般,そしてコミュニティによるCCコンテンツのアップロードによって構成されています.今後の課題としては各国語版へのローカライゼーションが挙げられていました.
こうしたプロジェクトは日本のような先進国でも有効でありうると思われます.例えば美術館や公園のような公共の場に実装すれば,人々がふらっと訪れた時に様々な自由コンテンツにアクセスできるようになり,ウェブ以外でのセレンディピティ(偶有性)が高まることが考えられます.

その次にオランダ,アムステルダムのNGO「Tactical Technology Collective」(タクティカル・テクノロジー・コレクティヴ)によって紹介されたNGO-in-a-BoxプロジェクトもFreedom Toasterと共通の性格を持つプロジェクトでした.
http://ngoinabox.org/
世界中のNPO(非営利組織)やNGO(非政府組織)の活動家たちがもっとITを活用して組織のコミュニケーションを効率化できるように,様々なオープンソース・ソフトウェアをパッケージ化し,そのドキュメンテーションを各国語に翻訳することを目的としています.

次には,ブラジルの文化施策とも連動しているEstudio Livre(エストゥジオ・リブレ,オープンなスタジオという意)のプロジェクトが今回のサミットに合せて新調されたウェブサイトと共に紹介されました.ブラジル政府が推進するPontos de Cultura(ポントス・ジ・クルトゥラ,文化的ホットスポットの意)の一環として展開されているこのプロジェクトは,Wikiで構築されたオープンな映像・楽曲・画像のアーカイヴをユーザー達の参加によって醸成させていくことを目的としており,個々人の創造性を高めるためのヴァーチャルなスタジオとして機能することを目指しています.Pontos de Culturaはブラジル国内に千カ所以上もの実際のスタジオを建設・運営して,各地域での文化情報教育を促進させると同時に,こうしたオンライン・コミュニティを通したネットワークの形成とグローバルなコミュニケーションを可能にする,という戦略を採っています.

最後にマイクロソフトのMartha Nalebuff(Director, Intellectual Property Guidance, Microsoft)氏が登壇し,Microsoft Officeに実装されたCC書き出しツールについて解説しました.
まず,どうしてマイクロソフトのように,主にプロプライエタリなソフトを開発・販売してきた企業がクリエイティブ・コモンズに関心を寄せているか,という事が次のように説明されました.
▷ MSは以前より,patternshare.orgというソフトウェアコミュニティ上でCCライセンスを利用している
▷ MSはソフトウェアの多様な生態系の構築に関心をもっている
▷ MSは商業的,プロプライエタリな領域と同時に非営利組織とも仕事をしている
▷ MS Officeのユーザー層に,さらに多様な選択肢と革新的なツールを提供したい
– 著作権に対する意識を深めてもらいたい
こうした理由を述べると共に,DRM(Digital Rights Managementデジタル著作権保護)とDRE(Digital Rights Exrepssionデジタル著作権表現)は対立する概念ではなく,共存ができるという主張がなされました.
世界最大のOSディストリビューターであるMS社が,CCに参画したことの意味は少なくないでしょう.この事例により,より多くの商業ドメインの企業体がオープン・コンテントの領域に参画することは,ユーザーや開発者たちにより多くの強力な選択肢を提供するからです.

これら発表の後に行われた参加セッションでは,各発表者を囲んで参加者たちが自由に意見やコメントを交わし,ディスカッションが行われました.特に各プロジェクトにおける翻訳の問題については,様々な国や地域から来ている参加者たちからの多様な意見が反映されていた事が興味深かったです.また,Second Life(3日目のEducation Commonsを参照)は発表は無かったけれど実際にゲーム世界内で,どのように情報共有が出来るか,コンテンツを制作できるかという点に焦点を当てたワークショップが数台のPCを利用して行われました.昨今,物理世界とは独立した経済圏を構築し注目を浴びているSecond Lifeの仮想世界の中で,オープン・コンテントが生成される様は実に刺激的な光景でした.

文責:[DC]