OER university

OER universityが正規履修単位として認められるオンライン講座を提供することになりました

認可をうけた総合大学やカレッジ、そして技術専門学校などは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用することで、世界中の学生に正式な単位として認められる無料の講義を提供することができ、これらの大学・学校等と国際的なパートナーシップを組むことができます。OER大学(OERu)は、CCライセンスのついた講義の提供により、金銭的に高等教育を受ける余裕のない生徒に対しも、そうでない生徒と同等の学習ができる環境を与えられるようになるでしょう。これは、通常の授業料と比べ、大幅に少ない費用で正規単位を履修することができるようになるからです。OERuは、開発の総経費を削減するために、CCライセンスが採用されている現在のオープン教育リソース(OER)から科目を組み立てます。これを受けて、OERuは全科目につける初期設定ライセンスを、Free Cultural Worksが承認したライセンス(CC BYCC BY-SA)と同じものにしています。

OERu OL2 0 life cycles by J. Murray / CC BY

OERu OL2 0 life cycles by J. Murray / CC BY

OERuの背後にあるOER高等教育ネットワークには、以下のような優れた教育機関が並んでいます。

Athabasca University・BAOU(グジャラートのオープン・ユニバーシティ)・SUNY Empire State College・Nelson Hampshire University・Thompson Rivers University・University of Canterbury・University of South Africa・University of Southern Queensland・University of Wollongong

その他にも、BCcampus (注釈: ICT- Information and Communications Technology-を用いて高等教育を支援する公共団体。バンクーバーに本拠地を置く)とOER財団が、教育の提供以外でのパートナーとしてこのネットワークを支援しています。このように、OERuにとって有力なパートナーとなっているのは、様々な国・地方・州の管轄内で正式認可を受けた機関なのです。OERuはアフリカ・アジア・オセアニア・北アメリカにおいて、正式な学位を取得するための正規の履修単位を提供できるようになります。もちろん、全科目にはCCライセンスが採用されており、OERuネットワークのシニア・エグゼクティブは、2013年中のOERuの正式な活動開始を目指し、邁進しています。(詳細はこちら

これらのOERu関連機関は、OERuの配信システムをわかりやすくするため、プロトタイプとなる大学・カレッジ・レベルの科目として以下の8科目挙げました。

  • Collage Composition (エッセイの構成)
  • At Appreciation and Technique (芸術への理解とテクニック)
  • Regional relations in Asia and the Pacific (アジアと太平洋における地域関係)
  • A Mathematical Journey (数学)
  • General and Applied Psychology (心理学の基礎と応用)
  • Critical Reasoning (推論)
  • Why Sustainable Practice (持続可能な慣行とは)
  • Introduction to Management (経営の基礎)

以上の科目(2年次レベルの哲学の科目であるCritical Reasoning以外、全て1年次に履修)は一括して、一般教養学士の単位として認められます。これは、昨年11月に行なわれたOERuミーティングで初めて認定されました。そして、以上のうちの2科目については、アメリカ・ワシントン州の*オープン・コース・ライブラリーのプロジェクトとSaylor財団に既存するCC BYのついた講義資料をもとに構成することになっています。

OER財団は、今回のプロトタイプとなる各科目の内容等を広めていくため、大規模なOER講座が有している技術や配信方法を前面に押し出し宣伝してきました。OERや著作権、そしてCCライセンスについて理解を深めたいと望む教育者や学習者を対象にし、無料オンライン・ワークショップとして考案された教育者向けオープン・コンテンツ・ライセンシングの講座がその例です。同様にCC BYのつけられた講座資料は、OER財団、WikiEducator、OpenCourseWare Consortium、クリエイティブ・コモンズからのボランティアの人々の協力、そしてUNESCOからの資金援助により開発されたものです。今年1月には、教育者向けオープン・コンテンツ・ライセンシングの講義が実施されました。このオンライン講座には、世界90カ国から1067人もの人々が参加し、広範囲で協力的、かつクオリティの高いOERプロジェクトの成功を実証するものになりました。今後もこのような実績が積み重なることで、OERuのような事例が産まれていくでしょう。それと同時に、教育への投資に対する利潤をCCライセンスの活用によってどれほど大きくすることができるかという点を実証するものとなるでしょう。

OERuのWayne Mackintosh氏、そして彼の仲間に賞賛を送りたいと思います。
より詳しくは、WikiEducatorをご覧ください。

*オープン・コース・ライブラリー: 1.低価格な教科書の実現 2.教員へのクオリティーの高いオープン・リソースの提供 3.講座修了率の向上 を目的とし、様々な教材のコレクションを提供している。全てのコンテンツにCC BYライセンスを採用。

原文: Thanks to Creative Commons, OER university will provide free learning with formal academic credit
http://creativecommons.org/weblog/entry/31947
公開日時: 2012年3月21日
BY Cable Green (Director of Global Learning)