OER

東京藝術大学建築科がCCライセンスを採用

リニューアルした東京藝術大学美術学部建築科のウェブサイトの写真やテキスト等のコンテンツに、CCライセンス(CC BY-NC-ND)が採用されました。

構築的かつシンプルなデザインは、Semitransparent Designによるもの。

OER(オープン・エデュケーショナル・リソース)やオープンガバメント、オープンデータの動きは、日本ではまだまだ広まっていませんが、この試みがその一助となることを期待しています。

OER universityが正規履修単位として認められるオンライン講座を提供することになりました

認可をうけた総合大学やカレッジ、そして技術専門学校などは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用することで、世界中の学生に正式な単位として認められる無料の講義を提供することができ、これらの大学・学校等と国際的なパートナーシップを組むことができます。OER大学(OERu)は、CCライセンスのついた講義の提供により、金銭的に高等教育を受ける余裕のない生徒に対しも、そうでない生徒と同等の学習ができる環境を与えられるようになるでしょう。これは、通常の授業料と比べ、大幅に少ない費用で正規単位を履修することができるようになるからです。OERuは、開発の総経費を削減するために、CCライセンスが採用されている現在のオープン教育リソース(OER)から科目を組み立てます。これを受けて、OERuは全科目につける初期設定ライセンスを、Free Cultural Worksが承認したライセンス(CC BYCC BY-SA)と同じものにしています。

OERu OL2 0 life cycles by J. Murray / CC BY

OERu OL2 0 life cycles by J. Murray / CC BY

OERuの背後にあるOER高等教育ネットワークには、以下のような優れた教育機関が並んでいます。

Athabasca University・BAOU(グジャラートのオープン・ユニバーシティ)・SUNY Empire State College・Nelson Hampshire University・Thompson Rivers University・University of Canterbury・University of South Africa・University of Southern Queensland・University of Wollongong

その他にも、BCcampus (注釈: ICT- Information and Communications Technology-を用いて高等教育を支援する公共団体。バンクーバーに本拠地を置く)とOER財団が、教育の提供以外でのパートナーとしてこのネットワークを支援しています。このように、OERuにとって有力なパートナーとなっているのは、様々な国・地方・州の管轄内で正式認可を受けた機関なのです。OERuはアフリカ・アジア・オセアニア・北アメリカにおいて、正式な学位を取得するための正規の履修単位を提供できるようになります。もちろん、全科目にはCCライセンスが採用されており、OERuネットワークのシニア・エグゼクティブは、2013年中のOERuの正式な活動開始を目指し、邁進しています。(詳細はこちら

これらのOERu関連機関は、OERuの配信システムをわかりやすくするため、プロトタイプとなる大学・カレッジ・レベルの科目として以下の8科目挙げました。

  • Collage Composition (エッセイの構成)
  • At Appreciation and Technique (芸術への理解とテクニック)
  • Regional relations in Asia and the Pacific (アジアと太平洋における地域関係)
  • A Mathematical Journey (数学)
  • General and Applied Psychology (心理学の基礎と応用)
  • Critical Reasoning (推論)
  • Why Sustainable Practice (持続可能な慣行とは)
  • Introduction to Management (経営の基礎)

以上の科目(2年次レベルの哲学の科目であるCritical Reasoning以外、全て1年次に履修)は一括して、一般教養学士の単位として認められます。これは、昨年11月に行なわれたOERuミーティングで初めて認定されました。そして、以上のうちの2科目については、アメリカ・ワシントン州の*オープン・コース・ライブラリーのプロジェクトとSaylor財団に既存するCC BYのついた講義資料をもとに構成することになっています。

OER財団は、今回のプロトタイプとなる各科目の内容等を広めていくため、大規模なOER講座が有している技術や配信方法を前面に押し出し宣伝してきました。OERや著作権、そしてCCライセンスについて理解を深めたいと望む教育者や学習者を対象にし、無料オンライン・ワークショップとして考案された教育者向けオープン・コンテンツ・ライセンシングの講座がその例です。同様にCC BYのつけられた講座資料は、OER財団、WikiEducator、OpenCourseWare Consortium、クリエイティブ・コモンズからのボランティアの人々の協力、そしてUNESCOからの資金援助により開発されたものです。今年1月には、教育者向けオープン・コンテンツ・ライセンシングの講義が実施されました。このオンライン講座には、世界90カ国から1067人もの人々が参加し、広範囲で協力的、かつクオリティの高いOERプロジェクトの成功を実証するものになりました。今後もこのような実績が積み重なることで、OERuのような事例が産まれていくでしょう。それと同時に、教育への投資に対する利潤をCCライセンスの活用によってどれほど大きくすることができるかという点を実証するものとなるでしょう。

OERuのWayne Mackintosh氏、そして彼の仲間に賞賛を送りたいと思います。
より詳しくは、WikiEducatorをご覧ください。

*オープン・コース・ライブラリー: 1.低価格な教科書の実現 2.教員へのクオリティーの高いオープン・リソースの提供 3.講座修了率の向上 を目的とし、様々な教材のコレクションを提供している。全てのコンテンツにCC BYライセンスを採用。

原文: Thanks to Creative Commons, OER university will provide free learning with formal academic credit
http://creativecommons.org/weblog/entry/31947
公開日時: 2012年3月21日
BY Cable Green (Director of Global Learning)

ラーニング・プラットフォームGoodSemesterがCCを採用

アカデミック・プロダクティビティに焦点をあて、オンラインを利用した教育の向上を図る新しいラーニング・プラットフォームGoodSemester。今回は、GoodSemesterの教育サービスが講義ノートの共有・複製・編集を目的に、クリエイティブ・コモンズを採用したことについて、ご紹介したいと思います。これによって、学習者は、GoodSemesterのラーニング・サービスを通し、CCライセンスのつけられたノートを見つけ、コピーし、修正できるようになりました。つまり、そのノートが直接授業の一部として組み込まれるようになったのです。GoodSemester上で新しく作成されたノートには、CC:表示-継承 (CC BY-SA)がデフォルト・ライセンスとしてつけられます。

初期設定はCC BY-SAですが、利用者はノートの共有はしないという選択もできます。GoodSemesterは、オープンな共有を促すために、ノートにCCライセンスを付けておくとこんなに良いがあるんだとという利点をこれまで示してきました。利用に制約のあるノートは、コピーも共有も編集もすることができません。一方、ノートを共有すれば、学習者は、活動的な他の学習者が参加している活気あるコミュニティーに自ら参加し、OER(Open Educational Resources)を支援するコモンズに貢献する機会を得ることができます。

加えて、GoodSemesterウェブサイトの脚注部分で発表されているように、GoodSemster自体の資料等にも同様にCC BY-SAをつけてリリースしています。

GoodSemesterによるテキストと画像は、オープンライセンスのもと公開されています。それは、私たちがオープン化を推奨・推進しているからです。オープンな学習に対する活動へのサポートを示すため、GoodSemesterによって制作されたGoodSemester上の全テキストと画像は、クリエイティブ・コモンズ・表示-継承のもと公開します。

その他、ツールの有用性やコミュニティーの価値を高めるために、CCライセンスをプラットフォームに取り入れている会社の事例はこちらでもご確認いただけます。

原文: Sharing and remixing class notes on GoodSemester under Creative Commons
http://creativecommons.org/weblog/entry/31889
公開日時: 2012年3月19日
BY Cable Green (Director of Global Learning)

オープン・コース・ライブラリーより第一期42講座が開始

昨年10月末、ワシントン州コミュニティー・高等専門学校委員会(SBCTC)は同州で多い生徒登録数を誇る81のオープン・コース・ライブラリー講座の中から、第一弾として42講座を開始しました。今回開設された以外の残り39講座も、2013年までに開始される予定です。ワシントン州議会とBill and Melinda Gates財団によって創設されたオープン・コース・ライブラリーは、国際オープン教育リソース(OER)活動に参加するとともに、補助金体制を通して制作された資料が、オープンライセンスのもと自由に利用・適応・再頒布できるよう要求するSBCTCオープン政策を支持しています。

また、全講座はクリエイティブ・コモンズ・ライセンス CC:表示3.0非移植(CC-BY)のもと公開されています。

この度開設された42講座は、以下のテクニカル形式でも利用可能です。

Green Riverコミュニティーカレッジの教師Michael Kenyon氏の生徒は、新しい数学のテキストに以前は約200ドルも支払っていました。しかし現在は教科書に20ドル払うか、それともオンラインで無料のものを使うかの選択できます。彼が使用している教科書(CC BY-SA)はPierce College Fort Steilacoomにあるコミュニティーカレッジの教授 David LippmanとMelonie Rasmussenによって書かれました。Kenyonは言います「僕たちはたくさんの教科書を見て来ましたが、その中でもこれが1番の教科書だと考える人達がいます」。

SBCTCのオープン教育政策に携わるTom Caswellは、「今回の講座はワシントンの大学生からの要望を考慮して作られました。そして世界中の人々とこれらのオープン講座を共有したいという私たちの考えも原動力となったのです。」と話します。

1つ1つの講座は、指導者・教育デザイナーや図書館員から成るチームによって校正・改善されてきました。講座資料の利用はオプションとなっていますが、既に多くの教授や学部が導入を開始しています。

学生公共利益調査グループ (PIRGs)が行なった非公式の研究によると、ワシントンのコミュニティーカレッジ・専門学校学校に通う生徒全員がオープン・コース・ライブラリーを利用した場合、1年間で約32億円(訳注:$41.6Million=4160万ドルx76.78円換算)の節約になるそうです。さらに、42講座の学部コース開発者が2011年-2012年の学期でオープン資料を使うと、約9,600万円(訳注:$1.26Million=1,260万ドルx76.78円換算)もの生徒の出費を回避することができ、これは開設した42講座の制作費約9,060万円(訳注:$1.18Million=1,180万ドルx76.78円換算)をこの学期だけで上回ることになります。「これらの節約は大学に通うワシントンの学生を助けるだけでなく、初期投資にも明らかに多大なリターンをもたらすでしょう」とう語るのは学生PIRGsへのオープンな教科書を提唱するNicole Allenです。

米国教育省報道官のJustin Hamiltonはこのワシントン州の取り組みについて、国にとって革新的であったと次のように評しました。「大学の学費を安くすることで、生徒はより多く講座を履修し、予定時期に合わせた学位取得ができます。そしてグローバル経済で成功するために用意された職場で社会人となります。これは生徒だけでなく国にとっても有益なことです。」

では最後に、オープン・コース・ライブラリーそしてOER(オープン教育リソース)の熱心な擁護者であり、ワシントン州第36地区の下院議員であるReuven Carlyle(民主党-シアトル)の言葉で記事を締めくくりたいと思います。「今日の現実に添わず、閉ざされ、高価でありながらプロプライエタリ(独占所有物)化した商業的教科書の終焉が本当に見えてきました。膨大な経費削減が求められるこの時代、オープン教育への取り組みは州を挙げて投資すべきものです。私たちはK-12(幼稚園〜高校卒業までの13年間の教育期間)と大学・専門学校教育において、いかに困難であっても、従来のコスト・モデルの現状改善に立ち向かわなければなりません。」

原文: Open Course Library Launches 1st 42 Courses
http://creativecommons.org/weblog/entry/30201

公開日時: 2011年11月2日
BY Cable Green (Director of Global Learning)

カザフスタンとルワンダ: 2011年2カ国新たにCCアフィリエイトが加わりました

Early morning in Almaty by Irene2005 / CC BY (resized)

Early morning in Almaty by Irene2005 / CC BY (resized)

Volcano by johncooke / CC BY (resized)

Volcano by johncooke / CC BY (resized)

CC本部の1年の活動が幕を閉じようとしていた昨年末、カザフスタンとルワンダが新たにCCアフィリエリトに加わるという非常に喜ばしいニュースが入ってきました。

Rauan Kenzhekhanuly率いるカザフスタン・チームはAlmas Nurbakytov、Nartay Ashim、Balashov Talgatをメンバーに迎え、現地代理としてWikimediaの運営を行っている非営利団体 Wikibilimにサポートされています。同じく、Wikibilimはカザフスタン政府、個人的にカリフ・マジモフ首相のサポートを受けています。Wikibilimのメンバーはオープン・コミュニティーにおいて豊富な経験を持ち、オープン・ライセンスのつけられたカザフ語資料の普及に特に重点をおきながら、同国内で開けた知識とフリー・カルチャーの価値を活動的に促進する働きをしています。昨年9月ワルシャワで開催されたグローバルサミットに参加したCCメンバーの中には、熱心な参加者であったカザフスタンチーム代表RauanやAlmasに出会っていた人もいるかもしれませんね。

Jacques Murinda率いるルワンダ・チームはFred ByabagaboやProsper Biramaをメンバーに迎え、2015年までに基礎教育への世界的なアクセス普及を目指すルワンダ文部省によってサポートされた非営利団体Open Learning Exchange (OLE)と共に活動しています。ルワンダ・チームはここしばらくの間CCアフリカのコミュニティー内で活動しており、この地域でオープン教育リソース(OER)と教育用ソフトウェア(OCW)を普及させるための戦略に力を注いでいます。

私たちは今回新たにアフィリエイト・ネットワークに加わった2チームを歓迎し、地域CCコミュニティーの発展、そして共に活動できることを楽しみにしています。

カザフスタン・ルワンダの参加で、公式CCアフィリエイトは昨年末までに72カ国となりました。これは2002年のプロジェクト発足以来、最多の数です。発足10周年を迎える今年2012年、よいスタートをきることができました!

記事原文: “Kazakhstan and Rwanda: Two more CC Affiliates for 2011″ http://creativecommons.org/weblog/entry/30928

公開日時: 2011年12月23日 BY: Jessica Coates(Affiliate Network Coordinator)