ポーランド南西部の都市、ヴロツワフはクリエイティブ・コモンズの音楽であふれている。10月と11月の毎週土曜日にFuzonというクラブでは「クリエイティブ・コモンズ・パーティ」が開かれ、2つの現地のアマチュア・バンドが演奏している。
このパーティーは(r)ewolucja- (r)evolution(www.r-ewolucja.pl) というプロジェクトを運営し、はやくからポーランドで知的財産権法と文化の関係についての会議を開催した若い研究者によりはじめられた。
また、このパーティーはクリエティブ・コモンズ・ポーランド、cultural animation association “IQ”、そして学生メディアであるacademic radio “Luz”、magazine “OK.NO”、web portal “e-Lama”の協力を得て開催されている。(r)ewolucja.plのMalgorzata Burneckaは次のようにこのパーティーを企画した理由を説明している。
「このプロジェクトについての考えは、若い地元のバンドとの接触のなかで育まれてきました。彼らは質のよいレコーディングや彼ら自身でコンサートを企画すること、デモのシングルやアルバムを製作しリリースすることなど、多くの面で経済的な問題に直面していました。このような問題は彼らのクリエイティビティや彼らの可能性を阻害してしまうのです。そこで、われわれは彼らがコストをかけずに彼ら自身を披露し、彼らの音楽のプロモーションを行えるような一種のプラットフォームを作りました。われわれのもうひとつのねらいは、フリーカルチャーの考え方とは何かを見せることです。それが剽せつや海賊行為ではなく、創造や世界中に自分の作品を広めたり、そして世界の人々がなにを作っているかを知るための新しい自由であるということをです。」
最初のCCパーティは「ヴロツワフの文化のすべての探索を助ける」とうたうWroclaw Weeklyという英語のウェブサイトを運営しているオオタトヨタカ氏によって撮影された。彼のサイトの一部として、定期的に、町で行われているイベントのビデオのポッドキャストがCCライセンスのもとでオンラインで利用できるように作られている。私見ではあるが、軽くてiPodと互換性があって5分という長さのフォーマットの有益さを証明しているともいえるCCパーティーのビデオを見ると、活動中のバンドKredenzとPercival Schuttenbachの紹介やクリエイティブ・コモンズに関するわずかばかりの情報を得ることができる。なお、次のCCパーティのビデオは製作中である。
ビデオの中で特集されている、このイベントのホストでもあるKredenzというバンドは毎週ゲストバンドとともに演奏している。それぞれのパーティーでは世界中のCCライセンスの音楽やビデオも紹介されている。そして、CCパーティのビデオと同じように、オーガナイザーはクリエイティブ・コモンズに関する情報を少しと、フリーカルチャーについての考えを忍ばせておく。 Malgorzataは次のように話す。「このようなイベントを開催するのが、フリーカルチャーに関与するものであってもただ眺めているだけのものであっても、若いアーティストを披露し、CCの考え方とそれが実際にどのように機能しているか、どのように有用かを示す最善の方法です。いいかえれば、本当にそれが機能していることは人々を納得させる最高の方法です。」
彼らは音楽トラックと同時に、スクリーン上でライセンスのタイプと著者に関するすべての情報を示すことができる特別なスクリプトも書いた。さらに、コンサートは録音され、ラジオに再送信され、ライブ・レコーディングの一部はCCライセンスのもとにオンラインEPとして出されている。
パーティはすでに多くのファンを抱えており、毎週土曜日におよそ100人はクラブに訪れ、とても混雑する。市民は一層クリエイティブ・コモンズの考えを理解するようになっている。もちろんバンドもだ。 彼らのうちの1人(Rabastabarbar)は、CCライセンスのもとで彼らの他のコンサートの音源を発表して、それをJamendoに置いた。
CCパーティは、CCを学ぶ機会のない若者と接するすばらしい方法である。パーティはCCサロンほど教育的でない反面、コモンズに関する考えを娯楽を交えてプロモーションすることができる。
翻訳:R. Akasaka
オリジナルポスト:CC Parties rock Wroclaw, Poland