今月初旬、Federal Research Public Access Act (FRPAA)が両党の支持とともに米国の上院・下院に再提出されました。SPARC(The Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition)によると、この法案は“連邦機関に対し、査読雑誌に掲載されてから6ヶ月以内に公的支援を受けた研究のうち、結果的に600億米ドル以上の支援が報告された記事に、オンラインからアクセスする機会を国民に与えるよう要求しています”。この法案が可決されれば、農務省・エネルギー省・NASA・国立科学財団などの機関を含む、米政府から資金提供された研究にまで、現在の(より短い差し止め期間の)*NIH方針(NIH Public Access Policy)が影響を与えることになります。ちなみにFRPAAが初めて提出されたのは2006年のことです。
Research Works Actとは異なり、FRPAAは国民が支払った税金によって援助された重要な科学・学術調査へのアクセスを保証しています。クリエイティブ・コモンズは先日、ホワイトハウスに対し、税金から援助された研究は直ちに・無料で・理想的にはCC‐BYのように広いダウンストリーム(ネットワークで上流の通信機器から下流へのデータ) 使用権を表すオープン・ライセンスのもと、オンラインで公開するよう求める文書を作成しました。それ以前のNIH方針のように、FRPAAは連邦税金で資金提供された科学研究作品に対しオープン・ライセンスの利用を要求してはいませんが、研究へのパブリック・アクセスを増加するための重要なステップであることには変わりません。
また、SPARCが行動指針を公表しました。この中では、FRPAAを支持するにあたって有効な行動がいくつか示されています。ブダペスト・オープン・アクセス・イニシアティブ(研究文献へのオープンアクセスに関連した指針について述べられた声明書)が10周年を迎える今年、税金が支払われ、教育基盤ともなっている研究に対する国民のアクセス支援を表明しましょう。
*NIH方針ーアメリカ国立衛生研究所(NIH)から資金援助された研究結果に対し、NIHが運営するPubMed Centralとよばれるオープン・アクセス・データベ−スに登録することを義務づける法律。
原文:Act now to support public access to federally funded research
http://creativecommons.org/weblog/entry/31587
公開日時:2012年2月14日
BY Timothy Vollmer (Policy Coordinator)