✔️ グローバルな連携を深め、プロダクト開発にステークホルダーを招きます。私たちは、反復的なプロセスを通じてCCシグナルの将来について知見を得るため、今後も多様な関係者と対話を続けていく予定です。今年の残りの期間は、パイロット導入者と共に CC シグナルの統合の可能性を探り、テストすることに注力します。この取り組みから得られる知見を、将来的なCCシグナルのより広範な導入を検討する際に活用したいと考えています。
クリエイティブ・コモンズ(CC)は、AI 時代における互恵性の向上と創造性のコモンズの持続を目指して設計された、意思表示のための新たなフレームワーク「CCシグナルプロジェクト」の一般公開を開始します。CCシグナルの開発は、共有された利益に基づく、より公平で持続可能な AI エコシステムを構築するための重要な一歩です。この取り組みは、長期にわたる協議と分析の集大成であり、新たなフェーズへと移行するにあたり、広く一般からの意見を求めています。
「CCシグナルは、AI 時代においてコモンズを維持するために設計されています」と、クリエイティブ・コモンズCEOの Anna Tumadóttir は述べています。「CCライセンスがオープンなウェブの構築に貢献したように、私たちはCCシグナルが互恵性に基づいたオープンなAIエコシステムの形成に役立つと信じています。」
「知識がオープンであり続ける未来を私たちが望むならば、集団的に新たなギブ・アンド・テイクを主張する必要があります」と、クリエイティブ・コモンズの法務顧問である Sarah Hinchliff Pearson は述べました。「機械の時代において、一個人の意思表示は取るに足らないものかもしれません。しかし、力を合わせれば、私たちは異なる道を求めることができるのです。」
しかしながら、非常に多くの所蔵機関がCC0ではないCCライセンスを使って、パブリックドメイン資料の忠実な複製を公開しています。これは「PD BY」とも呼ばれることがあります。なぜこのようなことが広まったのでしょうか?それは、多くの所蔵機関が、文化遺産を保存、修復、デジタル化、共有しているのが自分たちであることを周知したいと考えているためです。そしてこれらの所蔵機関は利用者にクレジットを表記することを求める手段としてCCライセンスを使用しているのです。一方でCC0は帰属の表示を義務付けていません。私たちが作成した「 Needs Assessment Report: Are the Creative Commons Public Domain Tools Fit-for-Purpose in the Cultural Heritage Sector?」の資料でも、アンケートに回答した所蔵機関の約53%が、利用者にクレジット表記をしてもらう方法を求めていると答えており、素材が再利用・共有される際に所蔵機関がクレジット表記を受ける方法が無いことが、CC0で足りていない主なニーズであることが明らかになっています。
そしてワーキンググループの挙げた社会的介入策に触発され、私たちは、オープンライセンスまたはパブリックドメインの資料を利用する人々が資料を提供している所蔵機関に言及することを簡単かつ魅力的にするために、所蔵機関が導入できるシンプルなデザインアイデアを開発しました。Behavioural Insights Team の EASTモデル(「ナッジ」によって行動変容を起こしたり、特定の結果を促したりするためのシンプルなフレームワーク)を使って、適切な場面で所蔵機関が包括的な「典拠ステートメント」を提供するためのいくつかの方法を提案します。これらのユーザー・エクスペリエンスに関するアイデアは、CCライセンスやその他ツールと組み合わせて使用することができます。提案する機能の実装方法に関するHTML/CSSコードを含む技術的なガイドラインは提供しませんが、このリソースが各所蔵機関の技術環境に実装可能なデザインの青写真となることを願っています。
CCは20年間、オープンアクセスの方針として、研究論文はCC BYライセンスを、研究データにはCC0を、そしてエンバーゴを設けないことを呼びかけてきました。OSTPのメモはオープンライセンスについての具体的な要求はありませんが、各政府機関の計画が「出版物をデフォルトで自由に公的に利用可能にするために必要な状況または前提条件(利用権および再利用権、そして帰属の表示といった制限が適用されうるかを含む)」を記述することを求めています。良い出だしですが、政府機関のパブリックアクセスの計画が新たなガイダンスに準拠しているかを判断する Subcommittee on Open Science と協力し、米国政府機関がパブリックアクセスの計画を更新するにあたり、オープンライセンスと帰属の表示のベストプラクティスについて直々に支援することをCCは楽しみにしています。
私たちが全ての国での完全にオープンな再利用の権利、そしてグローバルな公的な知識のインフラ取り組む中で、この重要な政策課題においてバイデン・ハリス政権が継続的にリーダーシップを発揮していることにクリエイティブ・コモンズは祝辞を述べます。CCは、OSTP、そして米国政府機関がこれからの数年をかけてオープンアクセス方針をアップデートし、実施することを支援する準備ができています。クリエイティブ・コモンズからの支援についてはオープンナレッジ担当の Dr. Cable Green までご連絡ください。