月別アーカイブ: 2009年10月

Al Jazeera Creative Commons Repository

アルジャジーラはアラブで最も有名なメディア企業です。
現在、コンテンツを無料で(再)配信するような、Youtubeなどの新たなメディアの創出により、従来の送り手—受け手として固定されたコンテンツの消費方法が変化し、これまで支配的であった放送業者というメディアの役割が問われています。アルジャジーラではCCライセンスを用いつつ、フリーなコンテンツを組織の中にビジネスとして取り込むしくみを、YouTubeなどの新たなメディアを用いつつ実践しています。
そしてアルジャジーラは、2009年1月からAl Jazeera Creative Commons Repositoryを設立しました。ここでは、イスラエルによるガザ侵攻に関する取材映像が集めてあり、全ての動画が「CC-BY」ライセンスで公開されています。西側ニュースメディアによるガザからの報道が制限される中、アルジャジーラは現地メディアとしての強みを生かした取材を行い、しかも映像をCCライセンスで公開して誰もが利用可能な状態にしたことで、この問題についてより多くの人が議論を行うことを可能にしました。

Public Library of Science

Public Library of Scienceは革新的な7つのジャーナル出版者で、科学ジャーナルをウェブ中心に再考するものです。特にPLoS BiologyやPLos Medicine、PLoS ONEなどが有名。全てのPLoS内のコンテンツはCCのBYライセンスで公開されています。

PLoSに加え、現在では数百もの学術ジャーナルがCCライセンスの下で公開されており、学者や教育者、一般人の知識へのアクセスが増え、よりイノベーションを容易にしています。10月に行われたシンポジウム「科学における情報の上手な権利化と共有化」での議論や、Science Commonsにおける取り組みなど、学術分野におけるCCライセンスの活用が広がっていくことが望ましいのではないかと思います。

アイ・ウェイウェイ展で作品の写真撮影・写真の利用を許可する取り組み

森美術館で開催されている「アイ・ウェイウェイ展」では作品の写真撮影が許可されており、撮影した写真にCCライセンスをつけて自由利用することが可能になるという仕組みを採用しました。

東京・森美術館では、現代中国を代表するクリエイター、アイ・ウェイウェイ[艾未未]さんによる「アイ・ウェイウェイ展—何に因って?」が7月25日より開催されました。
新作6点を含め、1990年代以降の主要作品26点を紹介しており、アイ・ウェイウェイさんの個展としては過去最大級のものだそうです。非常に刺激に満ちた内容となっていました。

そしてこの展覧会では、著作権等の問題で写真撮影が認められない美術館が多い中で、観客が作品を写真に撮ることを許可するという取り組みを試験的に行いました。
撮影した写真は「表示ー非営利ー改変禁止」のCCライセンスで自由に利用することができます。

http://www.mori.art.museum/contents/aiweiwei/related/index.html

森美術館長である南条史生さんは「日本の美術館は少し厳しすぎる。知的財産をもっと創造的に使える条件をつくりたい」と話しているそうで、このような試みが少しずつ広がって行くことをとても期待しています。